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13/21

13 オーガ

 キラーウルフを狩るために町から出て北側の山に入る。ソナーで魔物を探す。

《何かいますね。ゴブリンでもオークでも無いですね》

 見えるところまで近づいてみる。

《姿形からみてC級の魔物のオーガです》

 面構えは鬼のような形相で、筋骨隆々だ。背丈も俺よりも大きくオークほどある。

 こちらがオーガを視認したと同じく、オーガもこちらを見つけたようだ。剣を振り回しながら素早く近づいてくる。

《E級のゴブリンやD級のオークとは強さが桁違いです。気を引き締めて臨んでください》

 強いということで、俺は剣ではなく木刀を手に迎え撃つ。オーガは俺の目の前に来るとすかさず剣を振るう。

 速い! 剣先が俺の胸の近くを高速で通る。

 なんとか避けたが次の攻撃がすぐに来る。動体視力が上がっているので攻撃は見える。回避行動を取ったがオーガの強烈な剣が俺の右腕を直撃した。服は大きく切れ、肉が裂ける。

 なっ!

 自動修復により体は元に戻るが、EPは50近くが使われたようだ。決して油断していたわけではない。


 バランスを崩したところに続いて次の一撃が来る。体制が悪く剣の軌道が見えているにも関わらず避けられない。今度は左脇腹を直撃、肉が削り取られ俺は後方にふっ飛ぶ。


 ふっ飛ばされたことで、距離を取ることができた。冷静になれ! 集中しろ!

 体制を整え直し、今度はこちらから攻撃を仕掛ける。が、うまくかわされる。連続攻撃も全てかわされる。

 当たらない……

 俺の空を切り続ける攻撃の隙をぬってオーガは確実に当ててくる。EPがどんどん削られて行く。

 レベルが違いすぎる……

《EPが70%を切りました》

 一方的な攻撃を受け、俺は防戦一方だ。

 またもやバランスを崩した俺に対し、オーガの懇親の一撃が俺の左腕を捉える。肘部分が完全に切断され左腕が数m先に飛んで行く。

 くそっ!

 それでもオーガの攻撃は止まらない。

 勝てない……

 オーガはひたすら剣を振るい続け、俺を捉え続ける。俺は自動修復により耐え続けるだけだ。

 それに対して俺の攻撃は一度足りとも当たらない。当たらないどころかカスリもしないのだ。


 そんな攻撃にひたすら耐え続ける中、なんとか距離を取る。持久戦となりオーガも疲れてきたのだろう、攻撃が少なくなってきた。左手はというと既に元通りだ。ルナがドローンで吹っ飛んだ手を拾ってくれたのだ。

《EPが50%を切りました》

 ここからだ。俺には疲れなど無い。オーガの動きが鈍くなってきた今、休ませまいと攻撃を仕掛ける。懇親の踏み込みから振りぬいた木刀、オーガの左腕をかすった。ついに俺の木刀がオーガに届いた。

 オーガも反撃に転じるが、剣の速度が今までよりも明らかに遅い。なんとかかわして木刀を振るう。またもや届いた。先程よりも深く届いたのか、血が一瞬飛び散る。

 いける!

 オーガの攻撃は衰えたとは言え、力が完全に無くなった訳ではない。時たま強いのが来る。それは避けられない。一進一退の攻防が繰り広げられる。オーガの疲れによってようやく勝負ができるようになった。

 時間が経つに従い俺が押していく。疲労したオーガをついに捉える。オーガの右腕が肩から吹っ飛んで行く。体制を完全に崩したオーガの首めがけて木刀を振るい、首を吹き飛ばした。


 ……


 勝てた……

 それまでの長い戦いが嘘だったかのように勝利は一瞬だった。


 危なかった。確かにゴブリンなどとはレベルが全然違う。

 相当なEPを持って行かれた。

 もしオーガが2体だったら… そう思うとゾッとする。

《辛勝でしたね》

 ああ……


EP:2812/6924


 動きが見えても避けられないし、隙を突こうにも動作が付いて行かない。対してオーガは俺の攻撃が全て見えているし、隙も突いてくる。

 これじゃあだめだな。勝てたのは奇跡だ。

 剣技や体術が圧倒的に不足していることを思い知らされた。そもそも前世では剣なんて持ったことが無かったんだし、不足しているどころの騒ぎじゃないはずだ。そんな俺がゴブリンを倒せるからといい気になり過ぎていたのだろう。

 ただ、一つ分かったことがある。戦闘中の自動修復はEPをごっそり使うということだ。まあ、その分修復が早いようだが。


《レベルが25になりました》

 ちなみに、オーガを倒すにはどのくらいのレベルが必要なんだ?

《オーガの討伐必須レベルは36です》

 よく勝てたな。

《アースにはエナ付与による優位がありますので、このレベル差でもなんとか跳ね返せますね》

 なんとかって言うよりギリギリだったし。複数相手だったら完全にアウトだったろうな。絶対EP無くなってる。そもそも、自動修復が無ければ一瞬で終わってたはずだ。


 ギルドの資料室から得たルナの情報によると、オーガとは比べ物にならないくらい強い魔物がまだまだいるらしい。


 今日の戦いからすると最低でも回避できる技術が無いと話にならない。剣技や体術をなんとかして覚えるしかないな。



 体術と剣術のパッケージをどうすれば入手できるだろうか。

 誰かに習うのが早いか。でも何日もかかりそうで嫌だな。

《図書館はどうですか?》

 ん、そうだな。確かに図書館なら入門書とか有るかもな。

《今すぐ行きましょうよ》

 よし行ってみよう。


 オーガから魔石の他、剣、角、牙を回収し、ボロボロになった服も着替えて町に戻る。


 図書館には門から歩いて40分ほどで着いた。図書館は2階建ての建物で、入館時に身分証を石板でチェックさえすれば誰でも利用できるようだ。

 中はゆったりとした作りで、椅子やテーブルがいくつも置かれており本をゆっくり読める作りになっている。館内には既に何人もの人が利用していて、椅子やテーブルで本を読んだり勉強したりしている。


 本は種類ごとにまとまって置いてあり、案内板もきちんと表示されているので、目当ての本を探すのは容易そうだ。ほどなくして体術入門、武術入門、剣術入門を見つける。

 まずは剣術入門をパラパラめくり全ページをルナに見せる。150ページほどだ。3冊も有ると思うとめくるのも結構面倒くさいな。


 パッケージに出来るか?

《途中の細かい動きの動作を補完する必要があり、この本だけだと情報が足らないためすぐには出来ませんね。パッケージ化の準備だけはしておきますが》

 不足している情報はどうすれば補完できるんだ?

《誰かに実際に手本を見せて貰えればいいのですが》

《少しでも見ることができれば後はそれを手本に他のも補完できると思います》

 図書館を出た後、どこかの道場にでも見学に行ってみるか。道場が有るのかも知らないが。


 次に体術入門もルナに覚えてもらうか。そう思い、体術入門を手にとった。

 ん? 自分で見れないのか?

《えっと、異空間収納庫に入れれば可能かもしれません》

 手から本が消え、すぐにまた現れた。

《覚えることができました》

 もう覚えたのか。楽すぎだな。


 次は武術入門を覚えてくれ。本棚にある武術入門を触り手に取ろうとすると、一瞬本棚から本が消えて再び現れた。

《覚えました》

 なんだ、触るだけで良いのか。

 じゃあ、これらもパッケージ化の準備だけはしておいてくれ。


 あれ? それなら、ドローンで触れば良いんじゃないのか?

《そうですね! もしかしてアースは天才さんですか?》

 その後、目の前の本棚を見てると、端から順番に本が一瞬消えて再び現れてを繰り返している。

 おいおい、人目につかないようにやってくれよ? 監視カメラも有るかもしれないぞ。

《はい、気をつけます》

 ほんとに分かってるんだろうか。頼むぞ。

《異空間の開閉回数分EPを消費します。本の数が多いので結構な量になりますがよろしいですか?》

 まさか図書館の本、全部読むつもりか?

《はい、そのつもりです》

 正気かよ。

 まあ、いいだろう。でも、1000ぐらいは残してくれよ。

《ありがとうございます》


 しかし、凄い勢いで覚えて行くな。

 ほんとに全部覚えてるのか? 記憶領域がすぐに一杯になるんじゃないの?

《私は無限に覚えれますので》

 無限って…… なにそれ。


《アース、この通路の本棚は全て見ましたので、次の通路に移動してください》

 え、ドローンなんだから勝手に移動すればいいじゃないか。

《行ったことの無い場所はドローンを素早く動かせないんです》

 行ったことの無いって……すぐ隣だろ?

《隣だろうと、遠くだろうと、行ったことが無いことには変わらないんですよ》

 そういうものなのか……


 じゃあ、まずは管内の通路を全て歩くことでいいのか?

《そうですね! それがいいです!》

 1階と2階の全ての通路を歩き終わった後、ルナはどんどん本を覚えていく。俺は暇なので適当な本を読んで待つことにする。本といってもマンガだけど。マンガ3冊目を読んでいる時、読んでいる本が一瞬消えたように見えた。ん? 思わず目を擦ってみたが犯人はルナだというのを思い出した。

 おいおい、一声掛けてからやってくれよ!

 そろそろ終わるころかと思い周りの様子も見ると、目を擦っている人が何人もいる。

 ……

 ったくっ! 全然わかってねー!



 読み終わろうかと言う時、ルナから声がかかった。

《8千冊ほどありましたが、全て覚えました。ちなみに、監視カメラは有りませんでした》

 2時間ほどで8千冊読むって…… ありえん。

《アース》

 ん?

《私、今日だけでものすごくパワーアップした気がします》

 そうか! それはよかったじゃないか。

 でも俺は全然パワーアップしてないんだけど……


《アース、動画コーナーがありましたよ。さっき読んだ剣術入門の動画版とかもあるみたいです》

 動画?

 ルナに案内されて動画コーナーに行ってみる。ほんとだ。動画のようだ。その中に先ほどの体術入門、武術入門、剣術入門の動画になったものがある。

 ルナ、良くこれが動画だって分かったな。

《今日勉強して覚えましたので》

 ……

 そか。物知りさんですね。


 動画の内容も覚えることができたのか?

《さすがに無理でした》


 どうやって見るか受付に聞いてみる。

「視聴室でご覧になれますよ」


 教えてもらった試聴室に入ると、大きめのモニターと寝てしまいそうな大きめの椅子が置いてあった。、さっそく剣術入門を見始める。1時間くらいかかりそうだ。しかし、5分ほど見てるとルナが話しかけてきた。

《動画の再生方法が分かりましたので、動画も異空間収納で覚えることが可能になりました。他の動画も全て取り込みましたので後は見なくても大丈夫ですよ》

 おお、それは助かる。

《それに、動画によって情報の不足部分が補えましたのでパッケージ化がすぐにでも可能です。体術入門、武術入門、剣術入門の3つ合わせてEP最大容量2000ほどを使用しそうですがパッケージ化しますか?》

 2000はでかいな。まあそれでも必要なのでパッケージ化してくれ。

《はい。ではパッケージ化します》

《完了しました》

 早いな。

《ロードしますか?》

 ああ、ロードしてくれ。

《ロードしました》

 うん、覚えた気がする。しかし、本読んで覚えるって…… まるで通信教育だな。


 まあ、俺もパワーアップできたようだし、良かった良かった。



 他にも弓術、槍術、馬術などがあるが、パッケージ化はまた今度にする。


 図書館にあるものは全て制覇したようなので、図書館を出る。しかも、もう夕方だ。


 明日も狩りに行こう。


 夜、オーガ戦でズタボロになった服を縫製機能で修復してみる。服は切れたり破れたり、一部欠落していたりしている。失った部分は以前に買った紐を素材として使うことで補修が可能だ。服を買ったときの新品の状態に綺麗に修復できた。

 余った時間はルナが覚えた本というかマンガを表示してもらったり、動画の中から娯楽用の映画を再生してもらたりして、のんびり過ごした。



 翌朝、早速オーガと対戦しに行く。

 ソナーでオーガを探す。探そうとすると意外といないもんだな。ゴブリンはすぐ見つかるのに。

《この地域にはあまりいない魔物ですからね。もっとソナーの探索範囲を広げますか?》

 ああ、頼む。

《いました》

 いたか。といってもかなり先だな。そこに行くだけでも2時間ぐらい掛かかりそうだ。ゴブリンを避けながらどんどん山奥に進む。オーガがいるだろう付近まで進むと確かにいた。

 

 昨日と同じく、オーガはこちらを見つけると剣を手に素早く近づいてくる。

 オーガは俺の目の前に来るとすかさず剣を振るう。

 最小限の動きでオーガの攻撃を紙一重でかわす。俺の体制が崩れる事もない。体術がしっかり学習できているようだ。

 逆にオーガは微妙に体制が崩れているのが分かる。昨日は気づくことさえ出来なかったオーガの隙がしっかり見える。俺はその隙に向かって木刀を素早く振る。剣術により木刀の動き出しがスムーズで、軌道も正確だ。難なくヒットし、オーガの左腕から血しぶきが飛び散る。


 オーガはそれに怯むこと無く次の攻撃を仕掛けてくるが、俺はその剣を木刀で受け流し、新たにできた隙に向かって木刀を振るう。木刀はオーガの右腕を直撃し、右腕が剣ごと吹き飛ぶ。さらに首を吹き飛ばし、あっさりと勝利する。


 楽勝だった。これならいくらやってもオーガの攻撃が俺に当たることは無いだろうし、俺の攻撃が外れる事も無いだろう。複数相手でも大丈夫だと思う。昨日の苦戦はなんだったんだろうか。そう思えるくらい学習の効果は抜群だ。


 もしや、昨日のオーガが強すぎたとか?

《昨日のオーガの方が弱かったと思いますよ》

 ……

 昨日の俺はどんなけダメだったんだ。

 レベルは一気に28となり、動体視力機能もレベル3に上がっていた。



 そう言えば、レベルってどうなってるんだ? オーガを軽く倒せたんだから36になってもいい気がするんだけど、なんで28なんだ?

《通常の人間であれば最低でも36にはなると思います。レベルは、身体能力、スキル、魔法、魔力量から計算された値になるのですが、アースにはスキル、魔法、魔力量の加算が無いため身体能力のみの28となります》

 機能やエナ量は加算対象じゃ無いってことか。

《その通りです》

 そうなのか。まあ、純粋な身体能力の数字って思えば逆に分かり易いとも言えるか。

《機能やエナを考慮しましょうか?》

 え? それって、もしかしてルナが判断してるの?

《はい、私が判断してステータスにセットしています。知りませんでしたか?》

 知りませんでした。

《なんならレベル10000とかでもセットできますよ?》

 …… 遠慮しておきます。





 元々の目的だったキラーウルフを探しに行くか。

《オーガを探している時に既にキラーウルフらしきものを見つけてあります》

 ルナに案内してもらいその場所へ行ってみる。

《いました。やっぱりキラーウルフでしたね》

 見ると、名前の通り見た目は大きめの狼だ。体長2m、体高1mほどある。

《D級の魔物なので、強さはオーク程度です。あまり強くないにも関わらず毛皮が高く売れるので人気があるようです。ただ、滅多に見かけないため遭遇率はものすごく低いらしいです》


 キラーウルフもようやくこちらを認識し、全速力で向かって来る。真っ直ぐ突っ込んでくると見せかけて直前で方向を変え、俺の横から飛んで来る。普通なら一瞬消えたかのような錯覚に陥ることだろう。

 ま、俺には全て見えているが。

 牙をむき出して襲いかかるその攻撃をかわし、すれ違う間もなくキラーウルフの首を跳ね飛ばした。

 全く危なげ無く決した。


 キラーウルフから魔石を取り出し、後はそのまま異空間収納庫にしまうようルナにお願いする。

《異空間収納庫の拡張が必要です。EP最大容量1000を使って拡張しますか?》

 そうか、キラーウルフが大き過ぎるのか。必要なので拡張することにしよう。昨日のようなことがあるとアウトだが、剣術も手に入れたしきっと大丈夫だろう。

《拡張しました》

減ったEPを見るとちょっと心配になってくるな。暫くは魔物討伐を控えるか。



レベル:28

EP:3438/3438



 今日の目的は達成できたのだが、まだ朝と言っていいほどの時間なので宿に戻るにはまだまだ早い。

 ようやくキラーウルフを手に入れたというのもあるし、ここで解体や革製リュックの自作をするか。

 そう思い、その場に座り作業を始める。


 まずは解体機能を操作しキラーウルフを解体する。解体が終わると革を取り出してみる。しっかりとした革に仕上がっている。形は狼のままで、胴部分の革と、首部分の革に分かれていた。討伐時に首を切断したのだから当然だ。エナを流してみると、意外と通り易いようだ。


 革の他、牙、爪、肉などに解体されており、骨や血などは不要っぽいが、素材として異空間収納庫においておくことにしよう。何かに使えるかもしれないし、使い道がなければその時に捨てれば良い。


 革を異空間収納庫に戻し、次に骨組に使う金属を合金生成機能で検討する。バネに使えるような柔軟で、なるべく硬い合金を選定する。

 その合金で、細かい網目状の構造でリュックの形を作る。一旦取り出して見てみる。昨日作ったスプリング状のものより遥かにいい。これで行こう。


 縫製機能では、分離している革同士を綺麗に接合できるようで、試しに胴部分の革と首部分の革を接合してみる。取り出してみると、綺麗に一枚の革になっている。革をまじまじと見るが繋げた跡が全く見当たらない。こんなこともできるんだなと感心する。

 試しに腕部分の革をナイフで細かく切ってみたが、元の形に復元することができた。切り刻んだ革を1枚の革に再生できるのには驚きだ。

 まあ、俺自身を作れるくらいなんだから素材さえあれば革の再生ぐらい訳無いのは当たり前なのかもしれないが。


 裁断しても一枚の革に復元できるのなら何回でもやり直しがきくってことだ。それに、完全に接合できるので糸などは不要と考えて良いだろう。縫い合わせていないので、どうやって作ったのかと思われそうだが。

 リュックの骨格を革で覆うように設計する。ベルト部分や、蓋部分の金具は丈夫そうな合金で作成する。


 キラーウルフの解体からリュック完成まで結局8時間かかった。まあ、デザインに拘ったのと、実際に背負ってみて動きが悪いのを直したりと、何回か作り直したのが時間がかかった原因だけど。

 革部分の内側の合金は柔軟とは言えそれなりの強度があるので、普通に使う分には形が崩れることもないだろう。さすがに防具を兼ねることはできなさそうだが。


 ベルトは4点式のがっちりしたもので、走ったりしてもリュックが暴れることは無さそうだ。また、ベルト部分も頑丈な作りで、ちょうど腰あたりに剣用の亜空間鞘も固定できるようにしてある。


 拘ったおかげで意外とスマートなリュックに仕上がったと思う。

 しかも材料はリサイクルできるのでいつでも改造や改善ができるし、傷が付いても作り直せば何時でも新品にできる。

 ただ、骨組が合金なので通常のリュックよりも重い。まあ、俺には気にならないレベルだが。



 さて、もう夕方を過ぎている。作ったリュックを背負い、リュックの感触を確かめつつ町への帰路につく。



 宿に着いた時には、既に夜になっていたが夕食の時間にはギリギリ間に合ったようだ。夕食を食べ終えて部屋に入る。



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