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お隣のふにゃふにゃ王子様  作者: まあちゃん
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Speranzaの仕事見学 3

「天狗にならないのが不思議です」

と渡辺が呟くと

「そりゃ、綾子は自分に自信は持ってるけど満足はしてないから天狗にはならないよ」

と相川は笑った。

「満足してないんですか?」

と渡辺が驚いた顔をすると

「してないよ。綾子は貪欲だからね。もっとギター上手くなりたい、もっと良い曲作りたい、良い詞が書けるようになりたい、コーラス上手くなりたいと常に思ってるらしいからね。それから、こ綾子自身は口に出さないけど心の中にいつも劣等感を感じてるみたいだよ」

と相川は綾子をじっと見て言った。

「劣等感?」

と石川が驚いた顔をすると

「不思議なことに綾子は女性と言うものにスゴい憧れがあるんだ」

と相川は苦笑いした。

「…でも、綾子さんはとても素敵な女性ですよね?これ以上何を望んでいるんですか?」

とナナが聞くと

「たぐっちゃんが普通に出来ることだよ。例えばだけど綾子がちょっと前まで憧れてたのがネイル」

と相川は言った。

「ネイル…ですか?」

とナナが驚いた顔をすると

「綾子はギター弾くのに邪魔にならないように常に深爪だからね。それに綾子にはイメージってものがあるから可愛いネイルは出来ない。…ほら、女の子がキラキラしたのとか爪につけたりとかするだろ?ああゆうの綾子は出来ないから、女の子の指先とか見て羨ましく思うみたいだよ」

と相川は苦笑いした。

ナナが次々と写真に撮られている綾子の細長い指先を見ると確かにとても短く切られた爪にネイルはしていない。

「本当だ…」

とナナが呟くと相川は

「fateを始めてSperanzaとは違う一面を見せようってことでスカート履いたり髪型変えたりして少しずつだけど女性らしい面も表には出るようになったけど、綾子の場合は規制も多いからね。例えば、露出の多い服はNGでタンクトップやキャミソールはダメ、身体の線が出る服はダメ、膝上が見えるスカートやパンツもダメ。もともと良い身体持ってるのに勿体ないよな」

とため息をついた。

「それは事務所のNGなんですか?」

と石川が聞くと

「いいや。綾子の旦那が昔から出してるNG。露出の多い服装をすると男が綾子を女として意識して寄ってくるからダメなんだとさ。…露出が多かろうと少なかろうと意識するやつはするし、しないやつはしないんだろうし、どんな格好してても寄ってくる時は寄ってくるんだけどな」

と相川は笑った。

「綾子さん、モテそうですもんね」

と渡辺が笑うと

「俺は昔から知ってるからそんな気にはならないけど、綾子は男からも女からもモテるからね。けど、本人は自分がモテるなんて自覚がないから気付かず終わることがほとんどで、後になってあの頃好きだったんだなんて言われて驚いてることも多いんだよ」

と相川は笑った。

「…確かに鈍そうですもんね。…ちなみにSperanzaの中で綾子さんを好きになった人とかっていないんですか?」

と渡辺が聞くと

「さすがにそれはないんじゃないか?あいつらは仲良くても家族みたいな関係だしな。それに、綾子の旦那にも昔から可愛がってもらってるから手出ししようなんて気にならないんじゃないか」

と相川は言った。

「そうですよね」

と渡辺は笑ったあと

「あっ、撮影終わったんですかね?あっという間ですね」

とSperanzaのメンバーがカメラの前から離れたのを見て言った。


撮影を終えて撮影した写真のチェックを終えると渉は

「はぁ、やっと終わった。腹減ったなぁ」

と言った。

「本当だね。渉、今夜は何食べるの?」

と綾子が聞くと

「そりゃ、焼き肉だろ。3人で先に行ってるから綾子も和さん連れて来いよ」

と渉は笑ったが

「和さんはいいよ。あの人来るとうるさいじゃん。連れて来るなよ」

と誠は言った。

「そうだね。なっちゃん、最近イライラしてるし誠とケンカしちゃいそうだもんね。…逆にケンカしてストレス発散してもらった方が良いのかな?」

と綾子が笑うと

「そんなにイライラしてるの?」

と誠は心配そうに聞いた。

「まぁ、ずっとスケジュール詰まってたし、あれこれやることいっぱいあったからね。ツアー始まっちゃえばそれに集中すればいいだけだからもう少しの辛抱だって結城さんも苦笑いしてるよ」

と綾子が言うと

「綾子の癒しが足りないんじゃないか?和さん単純だから綾子に甘えたらストレスなんてすぐに無くなるだろ。もっと甘えさせてやれよ」

と誠は言った。

すると渉は驚いた顔をして

「うぉっ!そんなセリフが誠から出るなんて…想像もしてなかった。甘えさせてやれよだって…聞いてたか隼人?」

と言った。

「聞いてたよ。誠だって本当は和さん大好きだし心配なんだよ。なあ?」

と隼人が誠に聞くと

「別に好きじゃないし。ただ、和さんが機嫌悪いとまわりの雰囲気も悪くなるだろうし、それをフォローする綾子が大変だろうなって…」

と誠は言った。

「…あっ。結局、心配なのは綾子か。まぁ、そうだよな。綾子、今夜は焼き肉やめて和さんの気が済むまで甘やかしてやれよ」

と渉が笑うと

「えぇ、焼き肉行きたい」

と綾子は口を尖らせて言った。

すると隼人は出口に向かって歩きだしながら

「俺らが綾子の分まで焼き肉食ってきてやるから我慢しろって」

と笑ったので綾子は後ろを追いかけて

「私もなっちゃん連れて行くって!…ねぇ、どこの焼肉屋?何時に行くの?」

と隼人で聞いた。

「さあ?教えねぇよ」

と隼人が笑うと隣にいる誠も

「和さん来るなら絶対教えねぇよな?奏連れて来るなら教えてやってもいいけど」

と笑い、4人で楽しそうに話をしながらスタジオを出て行ったので、Speranzaのメンバーのマネージャーは急いで後ろを追いかけてスタジオを出て行った。


帰り道の途中で事務所に戻る相川と別れたナナたちは駅に向かい歩いていた。

「Speranzaって思ってたのと全然違って驚いた」

と石川が言うと

「だよな。前に清雅さんの撮影行ったじゃん?清雅さんも気さくな人だとは思ったけど、いるだけで清雅ってオーラ出てて空気違ったじゃん。けど、Speranzaは気さくって言うか…俺たちとあんまり変わんない感じでさ」

と渡辺は言った。

「現場も和気あいあいとしてて楽しそうだったよな。けど、カメラの前に立つと突然変わるって言うか…やっぱりSperanzaだって感じだったなぁ」

と石川が言うと

「綾子なんて、もっと怖い人なのかと思ってた。けど、俺たちに食い物持ってきてくれたり話も普通にしてくれて…。イメージが180°変わったよ」

と渡辺は言った。

「そうだよな。でもさ、旦那がナゴミだよ。美男美女だし二人とも成功者だしさ。何だかんだ言っても俺たちとは一般人の俺たちとは住む世界が違うんだよな」

と石川が言うと渡辺はナナを見て

「たぐっちゃんはカナデといてそうゆうの感じたりしないの?」

と聞いた。

「えっ?」

とナナが言うと

「ほら、カナデだって顔出ししてないとはいえ、あれだけのイケメンだし売れっ子の芸能人じゃん。住む世界が違うとか感じたりするとき無いのかなって思って」

と渡辺は聞いた。

「私は、奏君が芸能人になる前に知り合ったし芸能人になったあとも結構知らなかったし…」

とナナは言ったあと

「実はCD以外でカナデ君の歌とか曲って聴いたことも無いんだよね」

と笑った。

「そうなの?何で?…いや、そうゆうものなの?」

と渡辺が驚いた顔をすると

「普通がどうゆうものがわかんないけど、私は別に奏君が芸能人でも芸能人じゃなくても関係ないから。…それに奏君も自分のことを一人の人間として見て欲しいって思ってるし」

とナナは笑った。

「でもさ、芸能人のカナデだってたぐっちゃんの彼氏の奏だって同じ一人の人間じゃん。まわりの環境とかも全部含めて若狭奏って人間が形成されてるんじゃないの?」

と渡辺が言うと

「それは…そうなんだけどね」

と言ったあとナナは、なぜ渡辺がカナデの本名を知っているのだろう?まわりの環境って渡辺は何か知ってるのだろうか?と疑問に思ったが、ここでそれを追及すると石川にもカナデのプライベートがバレてしまうのではないかと思い、あえて聞かなかったフリをして

「で…でも、ほら、仕事してないときは普通の人だから。そう言えば、綾子さんがネイルに憧れてるなんてビックリしちゃった。綾子さん、キレイだしスタイル良いし優しいし…そのうえ旦那さんはナゴミさんだよ。女の子なら憧れるような存在なのにさ。でも、ネイルに憧れるとか聞くと親近感沸くって言うか…綾子さんも私たちと同じ人間なんだなって思っちゃった」

と笑った。

「まあ…そうだね」

と石川が言うと

「だからさ、奏君も同じなのよ。芸能人だってなんだって私たちと同じ人間。そうじゃない?」

とナナは渡辺を見て言った。



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