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お隣のふにゃふにゃ王子様  作者: まあちゃん
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若狭君の彼女 2

風呂から上がり身体を拭いてるとと

「奏、連絡するの?」

とさっちゃんは聞いた。

「なに、さっきからしつこいよ」

と奏が言うと

「だってさ気になるじゃん。奏が彼女にどんな連絡するのかなとか、二人でなにするんかなとか…」

とさっちゃんは言った。

「明後日の待ち合わせの連絡するだけだよ」

と奏が言うと

「本当にそれだけ?」

と勇次郎も聞いた。

「それだけだって。本当、しつこい」

と奏が笑ってると脱衣室に入ってきた友だちが

「おい、なんか女風呂でケンカでもしてるみたいでスゲェ声が聞こえてきてるんだけど」

と奏たちに言った。

「ケンカ?」

と勇次郎が聞くと

「出てきた女子に聞いても何も言わないけど、あれはケンカだね。それもかなり派手にやってる感じ」

と友だちは言った。

「マジ?修学旅行に来てまでケンカなんてすんなって」

とさっちゃんが言うと

「本当だよ。黙って風呂ぐらい入れって」

と奏も言った。


奏たちが脱衣室を出ると友だちの言ってた通り女風呂から大きな声が聞こえてきていたので

「うわ、マジでケンカ?それも集団で?」

と琳は言った。

「これ、ヤバいんじゃない。先生とか来たらどうすんの?」

とさっちゃんが言ってると離れたところにある女風呂の方からナナたちが出てきたので

「あっ、ナナさんたちじゃん。スゴいタイミングいいな」

と琳は言ったがその後ろに同じ学校の生徒が出てきて

「ちょっと待ちなさいよ!逃げる気?」

とナナたちに言った。

「えっ、ケンカってナナさんたちと?」

と琳が驚いた顔して言うと

「あんたおかしいんじゃないの?自分の彼氏の前で他の男に頭撫でられて笑ってるとか。男なら誰でもいいんじゃないの?」

と追いかけてた生徒は言った。

「…奏、どうすんの?ナナさん言われてるよ」

と勇次郎が心配そうに言ってると

「誰でも良いって誰が言ったのよ。そんなに奏君取られて悔しかったらうちから奪ってみればいいでしょ。あんたたちの方が近くにいるんだからいくらでも奪うチャンスあるしょ!」

とナナは言った。

「うわぁ。ナナさん強い…」

と言うと奏は

「だろ?ナナさん、実は強いんだよ」

と笑っていたがナナが突き飛ばされたのを見て顔色を変えてナナの側に行った。

「ああ、行っちゃったよ。どうする?またもめるんじゃない?」

とさっちゃんが言うと

「でも、転ばされてるの見たらさすがに黙ってらんないだろ。…仕方ないな。さっちゃん、ナナさんたちに会いたがってたし俺たちも行くか?」

と勇次郎は言った。


「大丈夫?」

と奏がナナを支えて起き上がらせると

「…若狭君」

とナナを突飛ばした生徒は焦った顔をして言ったが奏はそれを無視して

「風呂入ったのにこんなとこ座ってたらまた汚れるじゃん」

とナナに言った。

「奏君、あの子たち何なの?ナナのこと悪く言って」

とユイナが言うと

「だ…だって、その女ムカつくんだもん。自分は若狭君の彼女だって偉そうにして…」

と生徒は言った。

「…そうなの?」

と奏がナナにきいたがナナは何もこたえず黙っていると

「そうだよ。自分が若狭君と付き合ってるからって偉そうにモテる彼氏持つと大変だみたいなこと言ったり」

と生徒の一人は言った。

「そうなの?」

と奏がもう一度聞いたがナナは何も言わなかったので

「そんなこと言ってないしょ。なに、話盛ってんの」

とユイナは言った。

「盛ってなんかいないじゃん。文句言われるのはモテる彼氏を持つ宿命だとかって言って…」

と生徒が言うと

「そんなこと本当に言ったの?」

と奏がまたナナに聞いた。

「言ってたよ。それを若狭君に知られたくないから黙って何も言わないんだって」

と生徒が言うと奏はその生徒を睨んで

「おまえに聞いてないんだよ。黙ってろよ」

と言ったので他の女子生徒もユイナたちもビクッとした。

「ああ、奏なにやってるんだよ。みんな怖がってるじゃん」

と後ろで見てた勇次郎が言うと

「まぁ、聞かれてる本人にこたえる隙を与えないで外野があれこれ言うって言うのもどうかと思うけどね」

とさっちゃんも言った。

「…」

女子生徒たちが何も言えなくなり黙ってると奏はナナを見て

「なんで何も言わないの?言わなきゃわかんないでしょ」

と言った。

するとナナは

「奏君がモテるんだろうなってことは初めからわかってたし言われたことを気にしたって仕方ないなこともわかるよ。けどさ、何で地元で男見つけろとかオバサンのくせにとかなんで言われなきゃなんないの。年上で北海道に住んでたら奏君と付き合ったらダメなの?…言い返したくもなるよ」

とナナは言った。

「…ナナさん、ごめんね。俺のせいで嫌な思いさせて」

と奏が言うと

「奏君のせいじゃないしょ。あの子たちが悪いんじゃない。よってたかってナナのこと責めて」

とユイナは言った。

「でも、俺と付き合ってるから嫌なこと言われたんでしょ」

と奏は言ったあとナナを見て

「ごめん。でも…ナナさんとは別れてあげれない」

と言った。

「…」

奏の口から出た思ってもいなかった言葉に女子生徒たちが驚いた顔をしてると

「言いたい奴には言わせておけばいいんだよ。年が違うとか住んでるとこが違うとかそんなの関係ないってことはナナさんと俺がわかってたらそれでいいじゃん」

と奏は言った。

「そうだよ。あいつらなんて、一人で何も出来ないくせに集団になったら自分は何を言ってもいいみたいになってムカつくんだよ」

と後ろの方に立って様子を見ていた勇次郎が言うと

「本当だよ。だいたいさ、奏が誰と付き合おうと関係ないじゃん。誰かと付き合うのにおまえらの許可必要なの?どうせ誰と付き合ったってそうやって責めるんだろ?」

とさっちゃんも言った。

「そんなこと…」

と女子生徒たちが顔を合わせて呟いてると

「なんで奏がおまえらを選ばないか考えたことある?おまえらはカッコいいだ頭がいいだって奏の上っ面しか見てないだろ。奏はそうゆうのが嫌だってずっと前から言ってたよ。けど、彼女は遠くに住んでておまえらみたいにいつでも会えるわけじゃないけど上っ面じゃなくて奏の中身を見てるんだよ。だから奏は彼女を選んだんじゃないか?」

と琳は言った。

「…」

女子生徒たちが黙ってしまうと

「あの…」

と女子生徒の後ろの方に立ってる詩織は声をかけた。

「私、さっき若狭君にフラれちゃったんだけど、若狭君に彼女ってどんな人なのかって聞いた。そしたら、自分の情けない部分も恥ずかしい姿も全部受け入れてくれる人だって言ってたよ。…私、若狭君の情けない部分なんて見たことないし若狭君って何でも完璧な人だって思ってたからスゴい驚いたんだけど、…それって彼女にはそうゆう部分を見せれるって事だし、彼女さんは完璧じゃない若狭君でも良いって事でしょ?」

と詩織が言うと

「だいたい、カナって女子たちが思うほど完璧じゃないぞ」

と風呂上がりの男子生徒は言った。

「だよな。面倒くさいが口癖だしボケーッとしてて話聞いてるのか聞いてないのかわかんない時もあるし」

とクラスメイトが言うと

「道覚えないのもそうじゃん。面倒くさいから覚えないとか言って一度で覚えたためしないよな」

と男子生徒が笑った。

「女子がバカだエロいだってめちゃくちゃ文句言ってたススキノの情報誌だって持ってきたの奏じゃん。奏にも同じこと言うのかって」

とクラスメイトが言うと

「勝手に美化して完璧な若狭君ってのを作り上げて大騒ぎしてるけど、カナは王子様でもないし逆にバカらしいって冷めた目で見てるんだって気づけよな」

と男子生徒は言った。

「…」

女子生徒たちが何も言えなくなり黙ってしまうとクラスメイトはスマホを見て

「ああ、カナなんてせっかく彼女さんと会えたのにこいつらのせいで時間無駄にしちゃったじゃん。自分が男と一緒にいるの邪魔されたら怒るくせに奏はいいのかよ」

と言った。

「…行こう」

と一人の女子生徒が言うと次々とその場から立ち去って行ったので

「はぁ、すっきりした。今まで言いたくても言えないこと言ってやったよ」

とクラスメイトは笑った。

「…ごめん」

と奏が言うと

「カナが謝る必要ないじゃん。俺たちは言いたいこと言っただけだしさ。向こうだって彼女さんに言いたい放題だったんだろ?おあいこだろ」

と男子生徒は笑った。

「ナナ、私たち戻るから荷物持って行こうか?」

と青木が聞くと

「奏のも持ってくぞ。点呼近くなったら連絡するし二人で話でもしたら?」

と勇次郎も言ったが

「俺も部屋に戻るよ」

と奏は言った。

「えっ、久しぶりに会ったんだしさ」

と琳が言うと

「でも、先生にバレて札幌の自由行動無くなったら困るし、ナナさんも仲間と来てるんだしさ」

と奏は言ったあと

「line入れておくから寝る前にでも返事ちょうだい」

とナナに言った。

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