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お隣のふにゃふにゃ王子様  作者: まあちゃん
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クリスマスデート 1

ホテルの部屋に入るとクリスマスツリーが飾られテーブルにキャンドルが置かれベッドカバーは赤と白のクリスマスカラーといかにもクリスマス仕様なのに奏が驚いてると

「すごーい!可愛い!」

とナナは嬉しそうな顔をした。

「可愛い…?」

と奏が少し引いた顔をすると

「可愛いしょ。ちょっと写メ撮っておこう」

とナナはスマホを取り出したので奏はスーツケースを開けて手袋を出してたが

「…一緒の写真は要らないの?」

と聞いた。

「いいの?」

とナナが聞くと

「いいよ。一緒の写真ないと怪しまれるでしょ?」

と奏は言った。

「…そうだね」

と言ったナナは奏と付き合ってるのことの意味を勘違いしそうになっていたことに気付き一瞬顔をくもらせたが、すぐに笑顔に戻り

「じゃあさ、ツリーの前で撮ろうよ」

と言った。

写真を撮り終えると奏は

「相川さんて見た目によらず、こうゆうの好きなんだ…」

と呟いてから

「あっ、lineするの忘れてた」

と言って和や綾子に

『札幌に着いたよ』

とlineを送り

『高校生が泊まるのか?って顔でフロントの人に見られました。この部屋ちょっと恥ずかしいです』

と相川にlineと一緒に部屋の写真を送るとすぐに相川から

『いい部屋とってやったんだから楽しんでこいよ』

と返事が帰ってきた。

「何が楽しんでこいだよ…」

と奏が笑いながら呟くと

「どうしたの?」

ととナナは聞いた。

「なんでもないよ。さっ、手袋も出したし行こうか?」

と奏が言うと

「行く?どこへ?」

とナナは聞いた。

「クリスマスデートするんでしょ。ほら、一緒にクリスマスプレゼント選んでお茶して飯食ってイルミネーション見るんだっけ?」

と奏が言うと

「覚えててくれたの?」

とナナは嬉しそうな顔をした。

「そりゃね。ご飯食べるとこ予約してくれたんだよね?」

と奏が言うと

「うん。でも、奏君、気に入るかわかんないよ」

とナナは笑った。


ホテルの外に出て街中を歩いていると

「手袋すると全然違うよ」

と奏は言った。

「そう?でも、今日はそんなに寒くないよ」

とナナが笑うと

「マジ?だいたいさ、そんな薄着で寒くない?そんな短いスカートとか足寒そうなんだけど」

と奏は言った。

「タイツ履いてるし寒くないよ」

とナナが言うと

「北海道人スゲェ…」

と奏は呟いた。


地下街を歩いているとすれ違う人などがチラッチラッと振り向いて奏のことを見ていたので

「奏君、さすがにスゴいね」

とナナは言った。

「なにが?」

と奏が言うと

「女の子たち、奏君のこと振り向いて見てるよ。やっぱり目立つんだね」

とナナは言った。

「目立つ?あっ、服?変かな?」

と奏が言うと

「違うよ。奏君がカッコいいから見られてるんだよ」

とナナは言った。

「はあ?言ってて恥ずかしくない?彼氏自慢とか」

と奏が笑うと

「自慢じゃないし、そこは俺なんてカッコよくないよって否定しないと。奏君、自信過剰だよね」

とナナは言った。

「自信過剰?俺、別に自分の顔なんとも思わないし、むしろ好きじゃないからどうでもいいんだけど」

と奏は言ったあとニヤッと笑い

「なに?自分の彼氏が他の女の子に見られると嫌なの?ナナさん、焼きもち妬くんだ」

とナナの髪をクシャクシャと撫でた。

「もう、やめてよ。それに、妬いてないから」

とナナが言うと奏は

「なんだ。焼きもち妬いてるのかと思って喜んでちょっと損した」

と笑ったのでナナは一瞬ドキッとしたが、すぐにからかわれてると思い直して

「そうやってからかわれても何とも思いません」

と言った。

「なんだ、面白くないな。そこは嘘でもドキッとしてくれないと」

と奏が言うと

「もう慣れましたから、ちょっとのことじゃドキッとしません」

とナナは言った。

「なんだ、残念。最近、引っ掛からないから面白味にかけるよね?」

と奏が言うと

「…どうせ、本気で言ってないの初めからわかってるし」

とナナは小さな声で呟いたが聞こえなかった奏は

「えっ?なに」

と聞いた。

「別になんでもないよ。ねぇ、喉乾いたしお茶にしようよ」

とナナが笑うと

「うん。結構暑くて俺も喉乾いた」

と奏は言った。


地下街にあるカフェに入ると奏はさっとナナをエスコートして椅子に座らせるナナのコートを隣の椅子に置きと向かいの席に座り

「何にするの?」

と言ってメニューをナナに見せた。

「…慣れてるね」

とナナが驚いた顔をして言うと

「なにが?」

と奏は聞いた。

「なにって、コート持ってくれたり椅子を引いてくれたり。ずいぶんと女の子の扱いに慣れてるね」

とナナが言うと

「女の子の扱い?別に普通のことしてるだけじゃない?あっ、パンケーキ美味そう。でもチョコケーキもいいね」

と奏はメニューを見ながら言った。

「奏君、甘いもの好きなの?」

とナナが聞くと

「うん。結構好きだよ。でもな…今、4時だからな。余計なもの食べると夜に食べれなくなるから…」

と奏はメニューを見ながら言った。

するとナナは笑いながら

「食べたいなら頼んだらいいじゃない。ほら半分して食べよう」

と言った。

「いいの?」

と奏が嬉しそうに言うと

「いいよ。じゃあさ、チョコケーキにしていい?ここの美味しいんだよ」

とナナは笑った。

注文を終えるとナナが笑いを堪えていたので

「なに、笑ってるの?」

と奏は聞いた。

「だって、チョコケーキにキャラメルマキュアートって…どんだけ甘いもの好きなの?見た目とのギャップスゴいんだけど」

とナナが笑いを堪えて言うと

「なに、俺って甘いもの食べちゃだめなの?」

と奏は少しムッとした顔で言った。

「そんな訳じゃないけどさ。ゴメンゴメン、怒らないで」

とナナが言うと

「別にこんなことで怒らないよ。だいたいさ、どんな奴なら甘いもの食べていいわけ?父さんが甘いもの好きでも笑うの?」

と奏は聞いた。

「いや、笑わないけど。お父さんも甘いもの好きなの?」

とナナが聞くと

「うちの家族はみんな好きだよ。太ると困るからってあんまり食べないようにしてるけどね」

と奏は言った。

「そうなんだ。なんか大変だね」

とナナが言うと

「ねぇ、俺が甘いもの頼むと笑うのになんで父さんだと可哀想なの?」

と奏は言った。

「笑ってないでしょ。なんか可愛いなって思っただけだって」

とナナが言ってると注文した商品が運ばれてきたがナナの前にチョコケーキとキャラメルマキュアートが置かれ奏の前にカプチーノを置いて店員は戻っていった。

「…」

奏がまた少しムッとした顔をするとナナは自分のカップと奏のカップを交換しケーキの入った皿をテーブルの真ん中に置いて

「ほら、ちっちゃいことで怒らないの」

と言って奏にフォークを差し出した。

「別に怒ってないって」

と奏はフォークを受け取りケーキをすくうと

「はい」

とナナの口の前にフォークを差し出した。

「えっ?」

とナナが驚いた顔をすると

「ほら、食べて」

と奏は言ったが

「いや…奏君食べていいよ。食べさせてもらうなんてちょっと恥ずかしいし」

とナナは言った。

「別に恥ずかしくないでしょ。ほら」

と奏が言うとナナは少し間をあけてからパクっとケーキを食べた。

「美味しい?」

と奏が聞くとナナはうんうんと頷いたので奏は

「マジ?」

と言ってケーキを食べて

「本当だ。美味い」

と笑った。

「…奏君、実はかなり女慣れしてるでしょ?」

とナナが聞くと奏はマグカップの飲み物を吹き出しそうになりながら

「えっ?なに、突然」

と驚いた顔をした。

「だって、どう考えても普通しないようなことばっかりするし。女の子の喜ぶツボを知ってるって言うかさ」

とナナが言うと

「ツボ?」

と奏は聞いた。

「ほら、歩くときに車道側歩くとかドア開けて待ってくれるとか椅子を引いて座らせてくれるとか…ケーキ食べさせてくれるとかも普通出来ないじゃない?」

とナナが言うと

「そうなの?別に意識してやってたつもりは全然ないんだけど」

と奏は言った。

「意識してやってないの?」

とナナが聞くと

「父さんも母さんにこんな感じだし。…あれ?もしかしたらあの二人がすることだし普通じゃないのかな?」

と奏は考え込んだ。

「別に悪いことじゃないんだよ。さりげなく出来るのはいいと思うよ。女の子は嬉しいもん」

とナナが言うと

「そうなのかな?」

と奏はケーキを食べて

「やべぇ、食い過ぎた。ナナさんの分無くなっちゃうよ」

と言ったのでナナは笑って

「大丈夫。私はいつでも食べれるから奏君食べて」

と言った。


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