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お隣のふにゃふにゃ王子様  作者: まあちゃん
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17歳の誕生日 1

長いようで短かった夏休みが終わり、いつものように放課後バンドの練習をしていると

「あのさ、日曜日って俺たちまた行っていいの?邪魔じゃない?」

と勇次郎が奏に聞いた。

「全然邪魔じゃないよ。父さんも母さんもみんな来るの楽しみにしてるし」

と奏が言うと

「…日曜日って何かあるのか?」

と有田は言った。

「先生、9月3日が何の日か知らないの?」

と琳が笑うと

「何の日だっけ?」

と有田は聞いた。

「奏の誕生日だよ」

と琳が言うと

「若狭の誕生日か。それで若狭の家に行くのか?」

と有田は聞いた。

「はい。先生も来ますか?」

と琳が言うと

「生徒や保護者と過剰な付き合いは禁止されてるからな。それに若狭の父さんもいるんだろ?どっちにしろ俺は緊張するからパスだな」

と有田は笑った。

「先生、和さんどころかボレロとSperanzaが全員集まるんだよ」

と琳が言うと

「えっ!全員?」

と有田は驚いた顔をした。


日曜日の午後、琳たちは奏の家の前に立ち

「いつも来てるとはいえ、和さんも綾子さんもいるんだろ。やっぱり今日は緊張するな…」

と言った。

「だよな…。年に一度とはいえ、オールメンバー大集合だし」

とさっちゃんが言うと

「去年はさ、こうやってると誠さんがやってきてさ」

と勇次郎は言った。

「そうそう。で、インターホンに綾子さんが出たからドキドキしてたら、玄関開けてくれたのが相川さんで一瞬ガッカリしたんだよな」

と琳が笑うと

「じゃ、押しますか…」

と言ってさっちゃんは緊張気味にインターホンを押すと

『はい』

とインターホン越しに奏の声が聞こえた。

「なんだ…奏かよ」

と琳がガッカリした声で言うと

『はあ?何が?』

と奏は言ったあと

『今、開けるから待ってて』

と言ってインターホンを切った。

「緊張する必要無かったな…」

と琳たちが言いながら門をくぐり玄関前まで来るとドアが開き綾子が

「いらっしゃい」

と言ったので琳たちは一瞬にして身体に緊張が走った。

「こ…こんにちは」

と琳が顔を真っ赤にして言うと

「こんにちは。顔、真っ赤だけど暑かった?…今日、エアコンつけてないんだけど大丈夫かな」

と綾子は心配そうに言った。

「大丈夫ですっ!暑いって言うか、久しぶりに綾子さんに会ったのでビックリしちゃって…。何か、前にも増して綺麗になりましたね」

と琳が言うと

「琳、そんなお世辞いいから早く入れよ」

と綾子の後ろから奏が顔を出して言った。

「お世辞じゃないって!本当、キレイだから」

と琳が言うと

「本当、母さん勘違いするからさ」

と奏は言った。

すると綾子は奏の頭をポンと叩いて

「勘違いなんてしないわよ。本当に奏は一言多いんだから」

と一瞬拗ねた顔をしてから

「さ、入って。タケさんがゲーム買ってきてみんなとやるって待ってるから」

と笑いながら琳たちを招き入れた。

綾子がリビングに入っていき、琳たちは靴を脱いでいると

「琳さ、母さん誉めるのやめてよ。恥ずかしいから」

と奏は言った。

「何で?めちゃくちゃ綺麗じゃん。間違ったことなんて言ってないよな?」

と琳はさっちゃんたちに聞いた。

「うん。久しぶりに会ったけど綺麗だよな。うちの母さんとはやっぱり違うよ」

とさっちゃんが言うと

「だよな。あんな綺麗な母さん羨ましいよ」

と勇次郎も言った。

「全然、羨ましくないから…」

と奏は言うとリビングのドアを開けて

「さ、入って」

と言った。

琳たちは、今日何度目かの緊張した顔で奏に続いてリビングに入ると

「お邪魔します」

と言って頭を下げた。

「おー、待ってたよ!えっと…勇次郎ちょっとここさ、教えてよ」

とタケが言うと勇次郎はビックリした顔で

「俺っすか?」

と言ってタケの近くに座ると琳とさっちゃんも勇次郎の側に座った。

「勇次郎の家にこのゲームあるって奏が言ってたからさ。どうしてクリア出来ないんでよ。ちょっとやってみてよ」

とタケが言うと

「タケは毎年奏のためにじゃなくて自分がやりたくてゲーム買ってきてるよな」

とカンジは笑った。

「何言ってんだよ。自分用のも家にあるって。自分でやってみて面白いから奏にも買ってきてあげてるんだよ。みんな服や靴を買ってくるから俺は俺で考えて差別化をはかってるんだよ」

とタケが言うと

「へぇ…。でもさ、今年の誠と隼人はアクセサリーじゃん。そうゆうの奏は着けないんじゃなかった?」

とカンジは誠に聞いた。

「それが、最近はアクセサリーにも興味があるらしいって相川さんから聞いたんですよ」

と誠が言うと

「そうなの?何で俺のところにはそうゆう情報入って来ないのかな」

とカンジは言った。

「今、一緒に仕事してるからたまたま聞いただけですよ」

と誠が言うと

「仕事…?相川さん誠のプロデュースしてるの?」

とカンジは聞いた。

するとダイニングで綾子と隼人と話をしていた和がリビングに来てソファーに座り

「Speranzaのレコーディングだよ。昨日まで俊太郎が主演するドラマの主題歌作ってたんだよな」

とため息をついた。

「Speranza?綾子も隼人もツアー出てたのに?」

とカンジが驚いた顔をしてると

「俺が前に主題歌のオファー断ったせいで、テレビ局が無理やりSperanzaにって言ってきて。本当にすみません」

と渉は申し訳ない顔をした。

「もともと渉が主題歌断ったのは私とお兄ちゃんのせいだったんだし渉は悪くないじゃない」

と綾子が言うと

「渉が悪いとか綾子や由岐が悪いとかそうゆうのじゃ無いんだよ。これはさ、スケジュールをキチンと組めなかった北原と相川さんが悪いんだよ。何で、もっと効率的なスケジュール組まなかったのか不思議だよ」

と和は苦笑いをした。

「すみません。俺たちが不甲斐ないばかりに…」

と渉が言うと

「違うって。お前たちが悪い訳じゃ無いんだって…ああ、もうこの話は相川さんが来てからしよ」

と和は言ったあと

「せっかく由岐が用意してくれた料理も冷めてくるし、相川さん待たないで先に食べよう。腹減ったよ」

と笑った。

「そうだね。勇次郎君たちも向こうのテーブルに料理あるから好きなの持ってきて食べてね」

と綾子が言うと

「由岐さんや奏のじいちゃんばあちゃんは来ないんですか?」

とさっちゃんは聞いた。

「今年は仕事で来ないのよ。おじいちゃんたちは旅行に行ってて帰ってこないし。代わりにデリバリーを頼んでくれたんだって。でも、多すぎだよね?残っても困るからいっぱい食べてね」

と綾子が笑うと

「はい、いっぱい食べます。なぁ、取りに行こうぜ」

とさっちゃんは立ち上がり奏と一緒に料理の乗ってるテーブルの方へ行った。

「スゲェな…。何から食べていいんだかわかんないな…」

とさっちゃんが呟いてると

「さっちゃん、何飲む?」

と奏は聞いた。

すると和と渉がテーブルに来て

「俺、ウーロン茶」

と和が言うと

「俺もウーロン茶で」

と渉も言った。

「えっ、さっちゃんは?」

と奏がさっちゃんにもう一度聞いてると和は皿に野菜と肉を乗せて

「悟志だったよね?やっぱり若者は肉だよな。このソースかけて食べると美味しいから食べてみな」

とさっちゃんに言った。

「はい、ありがとうございます」

とさっちゃんが緊張気味に言ってると奏はグラスにウーロン茶を入れながら

「父さん、さっちゃんはいいから自分のを取りなよ」

と言った。

「何言ってるの?これは自分のだよ。俺はただ美味しいって教えただけだし」

と和が言うと

「和さん、誰が見ても今のは悟志に取って上げたって思いますよ」

と渉は言った。

「そうか?…悟志、これ食べる?」

と和が皿を差し出すと

「いえ、自分で取るので大丈夫ですよ」

とさっちゃんは言った。

料理を食べたりゲームをしたりとそれぞれが楽しく過ごしていると

「そういえばさ、fateのツアーはどうの?」

とタケは和と綾子に聞いた。

「んー、初めのうちはヤバかったよね?」

と和が言うと

「なっちゃんなんて毎日スタッフに怒ってばかりだったよね」

と綾子は笑った。

「綾子だってムッとしてばかりだったじゃん」

と和が笑うと

「本当ですか?和さんと綾子さんが怒ってるの想像できないですね」

と琳は言った。

「そう?まぁ、俺も綾子も本気で怒ることは滅多にないけどね」

と和が言うと

「和が本気で怒るとめちゃくちゃ怖くて誰も側に寄らなくなるんだよ。そのうえ、場の雰囲気がピリピリして居心地悪いのなんのって」

とタケは笑った。

「綾子の場合は相手が折れるまで絶対に引かないから大変ですよ」

と渉が笑うと

「だよな。ケンカしても絶対自分から謝らないよな」

と隼人も笑った。

「だと思うでしょ?それがね、最近はそうでもないんだよ。私も大人になって折れること覚えたんだよ」

と綾子が言うと

「マジ?信じられないんだけど」

と渉は言った。

「本当だって。誠はアルバム作るときちょくちょく遊びに来てたからわかるよね?」

と綾子が聞くと

「うん。頑固なお子様相手だから、綾子が折れなきゃいつまでも怒ってるしどうしようもない感じだったもんな」

と誠は笑った。

「はぁ?お子様って誰のことを言ってるんだ?」

と和が言うと

「誰も和さんのこととは言ってないですよ。それとも思い当たることでもあるんですか?」

と誠は言った。

「…タダ飯食いに来てたくせに本当ムカつく。お前、もう帰れよ」

と和が言うと

「そうやってすぐに拗ねるからお子様って言われるんだよ」

とタケは笑った。

琳が和と誠の様子を見て隣に座ってる奏に小声で

「和さんと誠さんて仲悪いの?」

と聞くと

「まぁ、ケンカするほど仲が良いって言うからさ。あんな風に見えても仲良いんだよ、本当は」

とカンジは笑った。

「仲良くないし。由岐に対する態度と俺に対する態度が全然違うし、本当昔から可愛くないよな」

と和が言うと

「そりゃ、由岐さんと和さんは違いますからね」

と誠は言った。

「まあまあ、せっかくの奏の誕生日なんだし仲良くすれよ」

とカンジがため息をついてるとインターホンが鳴った。

「あ、相川さんかな?ほら、もう二人ともやめなよ」

と綾子が笑いながらインターホンを取るとモニターに相川と結城と北原の姿が映ったので、綾子は少し顔色を曇らせて

「…はい」

と言った。

『あ…俺だけど』

と相川が申し訳なさそうにうと

「はい、今開けますね」

とだけ言って綾子はインターホンを切った。

いつもとは違う綾子の様子に全員が驚いてると綾子は笑顔に戻り

「相川さん来たって。ちょっと行ってくるね」

と言ってリビングを出ていった。

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