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お隣のふにゃふにゃ王子様  作者: まあちゃん
172/356

家族で 5

ナナが身体を震わせて喜んでいると奏はナナがナゴミの大ファンだと言っていた事を思い出し

「父さん、ナナさんはナゴミの大ファンなんだよ。ナゴミに見つめられたらキュン死しちゃうってぐらい好きなんだって」

と言った。

「奏君!何突然言ってるの?そんな恥ずかしいから」

とナナが慌てると

「そんなにファンなの?スゴいわね」

と綾子は笑った。

「いえ…いや…はい。でも、綾子さんも大好きです。綾子さんは覚えてないと思うけど、butterflyを出したときに札幌駅で会って握手してもらったんです。その時に私の手が冷たいからって綾子さんが持ってたカイロを私にくれて…。私、あのカイロを宝物に取ってあるんです」

とナナが恥ずかしそうに言ったので

「そんなカイロぐらいで…」

と綾子が驚いてると

「どうせなら、もっとマシな物をあげれば良かったのに」

と和は笑った。

「いえ、私の手が冷たいからって咄嗟に自分の持ってたカイロをくれたって言うのが嬉しくて…。普通、そんなことしてくれる人なんていないじゃゃないですか。スゴい優しい人なんだなって大好きになりました」

とナナが言うと

「ありがとう。女の子に大好きだなんて言われることって滅多に無いから嬉しいわ」

と綾子は言ってから

「そうだ。ナナさんはナゴミさんの大ファンなのよね。ナゴミさん、奏がお世話になった方なんだお礼にしバグしてあげたら」

と笑った。

「えっ!いえ、そんなっ!いいです、いいです。そんな綾子さんの目の前で…。それにナゴミさんにバグなんてしてもらったら本当に死んじゃないます!」

とナナが興奮気味に言うと和は

「一日中外にいたから汗臭いかもしれないけど…」

と言ったあと

「ナゴミ風にした方が良いかな?」

と笑った。

「えっ!本当、いいですから」

とナナが言うと

「ナゴミのファンなんだもん。ナゴミでバグしてもらいたいよね?」

と綾子は笑った。

「じゃ…」

と言って和は恥ずかしがって俯いているナナを優しく抱き締めて

「恥ずかしがって可愛いね。それって俺の事を煽ってるの?」

と和はナゴミ特有の色気のある口調で囁いた。

「えっ…いや…」

とナナが更に恥ずかしそうに言うと

「本当、食べちゃいたくなるぐらい可愛いね…」

と更に言った。

「そ…そんな。綾子さんも奏君も見てるのに…」

とナナが言うと

「誰か聞かれたら困ること言って欲しいの?可愛い顔して欲張りだな」

と和は調子に乗って更に言ってるとナナは突然和から離れて鼻を押さて

「ヤバい。鼻血出てきた」

と言ったので、和はナゴミから素の和に戻り

「大丈夫?綾子、ティッシュ持ってる?」

と言った。

「あるよ。これで鼻をふさいで鼻の付け根ギュッと押さえて」

と綾子はナナにティッシュを渡してナナの鼻の付け根を押さえて

「若い女の子とバグしたからって思いっきり抱き締めたんでしょ。暑くて鼻血出ちゃったんじゃない?」

と和に言った。

「そんな…加減したけどな。調子に乗りすぎて余計なこと言っちゃったせいかな?ごめんね」

と和が言うと

「こちらこそ、すみません。綾子さんも、もう大丈夫です」

とナナが言うと

「本当?」

と綾子は心配そうに言ったてナナの顔から手を離すと

「ごめんなさいね。こんなことになると思ってなかったから」

と和をジロッと見て言った。

すると和は

「だってさ、昔の綾子みたいで可愛かったんだもん」

と言った。

「そんな言い訳してもダメだよ。若い女の子だからって調子に乗りすぎるんだから」

と綾子が言うと

「なに、俺が他の子と仲良くしてたからやきもち妬いたの?」

と和はニヤニヤしながら言った。

「妬いてません」

と綾子が言うと

「そっかぁ、やきもちか…。綾子もやきもち妬くんだぁ」

と和は嬉しそうに言った。

「だから違うって言ってるでしょ。なっちゃんはすぐにそうゆう勘違いするんだから」

と綾子が呆れたように言うと

「大丈夫。俺には綾子だけだから。綾子がいれば他には何も要らないから安心して」

と和は嬉しそうに笑いながら綾子の髪をさわった。

「何が安心してよ。心配なんてしてないし」

と綾子が言うと

「今日の綾子はツンデレか?それもまた可愛いからいいんだけど」

と言って和は笑った。

和と綾子のやり取りを見ていたナナは

「スゴい…」

と呟いた。

「えっ?何?」

と奏が聞くと

「ナゴミさんてあんな優しい顔して笑うんだ。私が知ってるのと全然違う」

とナナは言った。

「あ…うん。まぁ…」

と和と綾子を見た奏は

「幻滅した?」

とナナに聞いた。

「ううん」

とナナは笑いながら

「あんなにも愛しい顔で綾子さんを見て…本当に大好きなんだね」

と言った。

「まぁ…ちょっと異常なんじゃないかな?って思うけどね」

と奏が言うと

「そうかな?私にとってはやっぱり憧れの夫婦だな。本当に素敵なお父さんとお母さんだね」

とナナは言ったあと和と綾子を見て

「あの…」

と話しかけた。

「あの、今日は握手だけじゃなくてバグまでしてもらって本当にありがとうございました。今日のことは一生忘れません」

とナナは頭を下げたあと

「明後日ライブ、楽しみにしてます。頑張って下さい」

と言った。

「こちらこそ、ナナさんが来てくれるの楽しみにしてるわね」

と綾子が言うと

「俺も楽しみにしてるよ」

と和も言ったのでナナは嬉しそうな顔をしたあと

「今日のこと、誰にも言いません。もちろん、ナゴミさんがなっちゃんと呼ばれていることも」

と笑って奏の方を見た。

「奏君はいつまで札幌にいるの?」

とナナが聞くと

「明日には登別ってところに移動して明後日には東京帰るんだ」

と奏は言った。

「そっか…。じゃ、もう今日みたいに偶然会えるってことも無いんだね。せっかく知り合えたのに残念だね」

とナナは言ったあと

「あーあ、せめて奏君が大学生だったら旅先で出会って連絡先も何も交換してないのにまた会えたのって偶然じゃなくて運命って思えるかもしれないのにな。スゴい残念」

と笑って奏から自転車を受けとると

「そうだ。私、fateのツアーラストの東京最終日函館で一緒だったユイナと見に行くのよ」

と言った。

「そうなの?俺も友達と一緒にチケット取れて見に行くよ」

と奏が言うと

「じゃ、また会えるかもね」

とナナは笑ったあと

「もし会えたら、お姉さんが奢るから友達も一緒にご飯食べに行こうね」

と言った。

「でも、友達って4人で行くんだよ。大丈夫?」

と奏が聞くと

「夏休みバイトがっちり入ってるから大丈夫だよ」

と言ったあとナナは右手を差し出して

「したけっけね」

と言ったが奏はナナとは逆の左手を差し出して

「右手は綾子とナゴミと握手した手でしょ?」

と言った。

「そっか、そうだよね。」

とナナは笑って左手を出して奏と握手をした。

「奏君、バイバイ。東京帰っても元気でね」

と言って自転車にまたがると奏に手を振って奏たちから去っていった。

ナナの後ろ姿が見えなくなるまで見送った奏が

「そろそろ戻らないと結城さんたち待ってるよね」

と和と綾子に言った。

「そうだね」

と綾子が言うと和はニヤニヤして

「奏、大学生だったらよかったな」

と言った。

「なにそれ?」

と奏が聞くと

「あの子、スゴい良い子なのにね」

と綾子も笑った。

「だから何?」

と奏が聞くと

「年の差なんて関係ないからな。俺と綾子も5歳違うし、今は年上の女の子と付き合うのも普通だし」

と和は言った。

「でもさ、東京と北海道って言うのがね…。遠距離は大変そうじゃない?」

と綾子が言うと

「大丈夫だって。俺と綾子だって全然会えない時もあったし遠距離みたいなもんだったじゃん」

と和は言った。

「ねぇ、なんかスゴい勘違いしてるみたいだけど俺とナナさんはそんなんじゃ無いから」

と奏が言うと

「今はね。でも、東京でまた再開したら…」

と綾子は笑った。

「だからさ…しつこいよ」

と奏がムッとして言うと

「綾子さ、奏に彼女とか出来たら寂しいんじゃない?」

と奏の話を聞いてない和が言った。

「そんなこと無いよ」

と綾子が笑うと

「そうだ、来年になったら長めの休みくれるって結城さん言ってるし奏に兄弟でも作ってあげようか?そしたら、綾子も寂しくないでしょ」

と和は言った。

「えぇ!今さら兄弟とか嫌だよ。いくつ離れた兄弟だよ…恥ずかしいよ」

と奏が言うと

「えー、いいだろ。今度は娘がいいな…。パパと結婚する言われちゃってさ」

と和は笑った。

「妄想はタダだからね」

と奏が笑うと

「でもさ、お前だってお兄ちゃん抱っことかお兄ちゃん大好きとか言われて甘えられたら可愛いと思わない?」

と和は聞いた。

「ん…。確かに可愛いかも」

と奏が言うと

「だろ?奏だってそう言ってるんだし、結城さんに相談して来年ぐらいには奏に妹を…」

と和は綾子に言ったが

「一年先までスケジュール埋まってるから無理です」

と綾子は笑った。

「えー。じゃ、これから先の仕事は入れてもらわないようにしてさ…。子ども可愛いよ」

と和が言うと

「我が家にはとーっても手のかかる大きな子どもがいるから無理です」

と綾子は笑った。

「とーっても手のかかる大きな子どもだって。奏、そろそろ綾子に迷惑かけるのやめろよ」

と和が言うと

「俺のこと…じゃないでしょ多分」

と奏は言った。

「じゃ、誰かいるんだよ」

と言うと綾子と奏がジロッと和のことを見たので

「俺?違うでしょ」

と和は笑ったが

「いやいや、そうでしょ。ねぇ?」

と奏が聞くと綾子をウンウンと頷いた。



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