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お隣のふにゃふにゃ王子様  作者: まあちゃん
169/356

家族で 2

六花亭を出た5人は小樽に向けて車に乗っていた。

「やっぱり夏はかき氷だね。本当、美味しかった」

と綾子が言うと

「そんなに美味かったんだ。俺たちも食べれば良かったな」

と結城が羨ましがるように言うと

「ですよ。でもね、小樽にはスゴい美味いソフトクリームあるりますから」

と和は言った。

「あー、思い出のソフトクリームな」

と結城と奏が笑うと

「なにそれ?思いでのソフトクリームって?」

と綾子は聞いた。

「高校の修学旅行の時に由岐と食べたメロンソフトがスゴい美味かったんだよ」

と和が言うと

「そんなに美味しいの?」

と綾子は聞いた。

「そんなに美味しいんだよ。多分、俺の人生で一番美味かったメロンソフトだよ」

と和が言うと

「でもさ、メロンソフトを食べる機会ってもともとあんまり無いよね。そのなかで一番って言われてもね」

と奏は笑った。

高速道路に入り少しすると郊外に出て、景色は一転してのどかな風景が窓の外に広がってきた。

「空港から向かう時も毎回思うけど、これぞ北海道つて感じだよね」

と綾子が言うと

「そうだな」

と和は言ったあと

「そう言えば、函館から札幌まで電車で移動したんだろ?絶景だったんじゃない?」

と奏に聞いた。

「うん、まあ初めはスゴいって思ったけど…。ずっと同じ景色見てると見慣れてきて飽きてきてさ…。まだ着かないのかなって何度も相川さんに聞いちゃったよ」

と奏は言った。

「で、相川さんはなんて言ってたの?」

と綾子が聞くと

「まだ着かないから寝ていけって言って寝てた」

も奏は言った。

「確かにそれが一番だな」

と和が笑うと

「でも、明日は朝早くにニセコに向かうんでしょ?」

と綾子は聞いた。

「あー、ニセコはキャンセルしたんだよ」

と奏が言うと

「えっ?何で?」

と綾子は聞いた。

「だって朝早くに移動してそのまま遊んで夕方にまた移動して温泉とかさ。俺はいいけど相川さん過労で死んじゃうってキャンセルしてたよ」

と奏が言うと

「だから無理だって私たちも言ったのに相川さん若いつもりで無理やり詰め込んで…」

と綾子はため息をついた。

「本当だよ。結局こっちにきて無理だなって気付いた訳だろ?本当、何やってるんだか」

と和が呆れて言うと

「そう言えば、今日は相川さんどこに行ってるの?」

と綾子は奏に聞いた。

「今日は友達のところだって。夕方にはホテルに戻るらしいけどね」

と奏が言うと

「夕方には戻るって相川さんにしてはずいぶんと健全な生活だな」

と和は言った。

「だよな。昨日だって直則たちと一緒にススキノに出るかと思ったら一緒に帰ってきたもんな。夜の蝶より奏君の方が可愛いんだね」

と結城が言うと

「夜の蝶って…。今どきそんな言葉使う人いないですよ」

と和は笑った。


小樽に着くと5人は街を散策した。

函館もそうだったけど、小樽もまた異国を思わせる建物が多いなと思い奏が建物を見ていると

「ねぇ、クリスタルガラスのお店だって。入ってみない?」

と綾子は和と奏に言った。

店内には様々な

「スゴい綺麗…」

と綾子が1つのグラスをじっと見て言うと

「買う?」

と和は聞いた。

「いや、まだ他のも見てから決める」

と言うと綾子は並べられているグラスも見た。

二人が寄り添って楽しそうに商品を1つ1つ見ている姿を微笑ましく見ていた結城は奏の隣にやってきて

「奏君のおかげで二人ともとても楽しそうだね」

と言った。

「俺は別に何もしてないですけど」

と奏が言うと

「そんなことないよ。君がいなければこうやって観光になんて来なかっただろうし、あんなに楽しそうな顔なんてなかなか見れないよ」

と結城は言った。

「確かに楽しそうですね。特に母さんが」

と奏が笑うと

「だね。どんなに仕事で良いことがあってもあんなに嬉しそうに笑うこと無いからね。あんなに素敵な笑顔に出来るのは和さんしかいないんだろうね」

と山下は言った。

すると隣に立ってる結城が

「山下、もう1人…奏君もいるだろ」

と笑ってると奏たちのところに来た和が

「楽しそうに何話してるんですか?」

と綾子と一緒に聞いた。

「二人が楽しそうだなって話をしてたんだよ」

と結城が言うと

「そりゃ、数年ぶりに3人揃ってのお出掛けですからね」

と和は嬉しそうに笑いながら奏の前にある棚に並べられたクリスタルグラスを眺めて

「ね、このグラスいいよね?」

とロックグラスを1つ手に取った。

「うん、いいね」

と綾子が言うと

「俺も格好いいなって思ったんだけど、それ高いんだよ…1つ1万だって」

と奏は言った。

すると結城が

「このロックグラスならそのぐらいはするだろね」

と笑った。

「ロックグラスって言うんですか?」

と奏が聞くと

「そうだよ。ウイスキーやブランデーを飲む為のグラスだよ。…そうだ、そのグラスは俺が買ってあげるよ」

と結城は言った。

「いいですよ。自分たちで買えますから」

と綾子が遠慮がちに言うと

「買えるのぐらいはわかってるよ。そうだな…これは3年前倒しの奏君の誕生日プレゼントにしよう」

と結城は笑った。

「3年前倒しですか?」

と和が聞くと

「そう、3年後アルコールが飲めるようになったときに、このグラスで父と息子二人で美味い酒を飲むといいよ」

と結城は言ったあと

「男はさ、息子が成人したら二人で酒を飲みながら男同士の会話をするって言うのを少なからず一度は憧れるんだよ。残念ながら俺は子どもに恵まれなかったから無理だけどね」

と笑った。

「そういえば、親父と初めて二人だけで飲んだ時に今まで話さなかったようなことを語り合って、親子じゃなくて自分も親父と男同士で話せるようになったんだなって嬉しく思った事がありましたね」

と山下が言うと結城は和の持っているのと同じデザインのロックグラスが入った箱を2つ手に取り

「だから、奏君はあと3年、このグラスに見合う男になるためにいろんなこと頑張るんだよ」

と笑った。

「ありがとうございます」

と和が言うと

「ま、奏君なら母親譲りでガンガン飲めるようになるだろうけど…お前はこのグラスでウーロン茶とかやめてくれよ」

と結城は笑った。


ガラスの店を出た5人が洋館のような建物の前を通った時

「ねぇ、ここの店も見てみたいんだけど」

と綾子は言った。

「オルゴール?」

と店の看板を見て奏が聞くと

「そうそう。昔、お兄ちゃんがここのオルゴール買ってきてくれてね。スゴい可愛くて一度来てみたいって思ってたのよ」

と綾子は言った。

店内に入ると観光客でとても賑わっていたが、アンティーク感の漂う内装と優しいオルゴールの音色で時間の流れがゆっくり動いているかのように感じた。

「スゴい、可愛い」

と綾子が目を輝かせて商品を見ていると

「カスタマイズしてオルゴール作れるらしいよ」

と奏が言った。

「そうなの?作っちゃおうかな…」

と綾子と奏が話をしていると和が二人を呼んだ。

和のところに行くと、カスタマイズ用のオルゴールがたくさん置いてあり

「こんなに種類あるんだ…。迷っちゃうって言うかさ、組み合わせる物のセンスが問われるよね」

と綾子は言った。

「そうだね」

とオルゴールを見ていた和は1つのオルゴールを手に取って

「これにしたら?」

と笑った。

「どれ?」

と綾子が聞くと

「聴いてみる?」

と言って綾子と奏の前でオルゴールを回した。

「あっ…」

「あっ!」

と綾子と奏が正反対の反応をすると和は

「これ良いだろ?これにしなよ」

と笑った。

「だね、母さんのためにあるようなオルゴールだよ」

と奏も笑うと綾子は

「何でここまで来てこの曲買わなきゃなんないのよ」

と綾子は言った。

「いいじゃん。愛の形って名曲だよ」

と奏が笑うと

「そうだよ。俺のなんて置いてないよ」

と和も笑ったが

「いりません。買っても絶対聴かないし…お金の無駄です」

と綾子は言った。

結局、何も買わずに店を出てまた街を散策して歩いていると

「本当に買わなくて良かったの?」

と和は綾子に聞いた。

「うん。可愛いのはいっぱいあったけど、これだって言うのが無かったから」

と綾子が笑ってると和は歩いている先を見て

「あ、何かここ見た覚えあるぞ。確か、この先にあのメロンソフトの店があったはず」

と言った。

「父さん覚えてたんだ。何も言わないから忘れてたと思った」

と奏が言うと

「忘れるわけ無いだろう。俺の中の小樽に来た目的はこれなんだから」

と和は笑った。

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