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お隣のふにゃふにゃ王子様  作者: まあちゃん
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和の恋心 1

ジップを出て2台の車に別れて打ち上げの店へ移動している和は隣に座ってる直則に

「出待ちの子、たくさんいたね。日曜の夜なのに明日大丈夫かな?」

と聞いた。

「若いから大丈夫なんじゃない?」

と直則が言うと

「そっか。ねぇ、あの子たちもこれからまだ遊びに行ったりするのかな?」

と和は更に聞いた。

「どうだろ?…って言うかさ、別にどうでもいいじゃん。そんなこと」

と直則が言うと

「そうだけどさ。何かさ…」

と和は鼻歌を歌った。

「ずいぶん、機嫌がいいな」

と助手席に座ってる結城が言うと

「だって明日オフだよ、オフ。2週間ぶりのオフ。それに綾子と一緒のオフなんて1ヶ月ぶりだよ。それにそれに…」

と和は後ろの席に座ってる奏に笑いかけながら

「明日は5年ぶりの家族旅行。楽しみだよな」

と言った。

「5年ぶりって、そんなに久しぶりなの?」

と直則が聞くと

「そうなんだよ。なかなか家族揃って長期の休みって無かったし明日は小樽だし本当に気分いいな…」

と和は言ったあと

「のりちゃん、小樽運河行ったことある?」

と聞いた。

「小樽運河?あるけど」

と直則が言うと

「ある?あのさ、運河沿いあるソフトクリームの店って行ったことある?そこのメロンソフトがスゲェ美味いんだよ」

と和は言った。

「ソフトクリーム?あった?」

と直則が聞くと

「あったって。高校の修学旅行で由岐と食ったもん。めちゃくちゃ美味くて、由岐と二人で綾子にも食べさせたいなって話をした記憶あるし」

と和は言った。

「高校の修学旅行?俺が行ったの3年前だよ。さすがに潰れたんじゃないの?」

と直則が言うと

「えーマジ?何だよ、あん時からずっと今度は綾子と一緒に食べるって決めてたのに…」

と和は残念そうに言った。

「いや、潰れたんじゃないのって言っただけで潰れたとは言ってないから」

と直則が言ってると

「あの…こんな事言っていいのか悪いのかわからないんですけど、和さんが高校の修学旅行行ったのっていくつの時ですか?」

と佐伯は聞いた。

「俺?高2だよ。それがどうした?」

と和が言うと

「高2…」

と言って指を1、2と折って

「和さんが高2の時って絢子さんは6年生ですよね?」

と聞いた。

「そうだよ。何?」

と和が聞き返すと

「まさかとは思うけど和さん…その頃から綾子さんの事が好きだったとか…ないですよね?」

と佐伯は恐る恐る聞いたが

「好きだったよ」

と和はまるで当たり前の事のようにこたえた。

「だ…だって。本当に失礼だとは思うけど」

と佐伯が言っていいのかどうか迷ってると

「何?どうしたの?」

と和は聞いた。

「いや…だから。和さんが高2の時に小学生だった綾子さんを…」

と佐伯が言葉に迷ってると、佐伯の言いたいことがわかった直則が

「佐伯君はさ、高校生の和が小学生だった綾子を好きだったのが信じられないんだって」

と言った。

「そうなの?」

と和が聞くと

「はい。だって大人になれば5歳差ってたいした事ないですけど高校生が小学生をって…。それって奏君が小学生の女の子をって事と同じですよね?」

と佐伯は言った。

「まぁ、そうだな」

と和は平然として言ったが

「今まで深く考えた事が無かったけど奏君が小学生をって具体的な例えで考えるとさ…。ちなみに奏君は小学生を恋愛対象として見れる?」

と直則は言った。

「小学生?絶対無理ですよ。ランドセル背負ってる走り回ってるんですよ。見れるわけないじゃないですか」

と奏が言うと

「だよな」

と和は笑った。

「いやいや、だよなじゃないよ。お前は小学生を恋愛対象として見てたわけだろ?」

と直則が言うと

「綾子は好きだったけど小学生に興味があったわけじゃないよ」

と和は言った。

「でもさ…。奏君の前でこんな事を言うのもなんだけど、健康な男子高生っていえばヤりたい盛りじゃん?綾子とヤりたいとかそうゆうの考えてたの?」

と直則が言うと

「あのさ…さすがに俺もそこまで変態じゃないから…。そうゆうのは他の女で足りてたし」

と和は言った。

「足りてたって。何それ?」

と奏が引いた目で見ると

「そんな目で見んなよ。それにも理由があってさ」

と和は言った。

「理由?どんな理由?」

と奏が言うと

「高校の頃は俺も綾子の事が好きだって言うのはさすがにおかしいんじゃないか?って悩んでたんだよ。もしかしたら、他の女と付き合ったら綾子の事が好きだって言うのも間違いだったって気付くかな?って思ってたんだよ。けど、性欲は満たされても何か違うって思って…じゃ、違う女ならって思ってって言うのを繰り返してたわけ。俺も悩んでたんだよ」

と和は言った。

「悩んでたって言うかモテ自慢?」

と直則が言うと

「自慢じゃないよ。そりゃ、高校生になってボレロ組んだらモテたよ。次々女は寄ってくるしさ。でも、俺は俺でずっと悩んでたんだよ」

と和は言った。

「じゃあさ、綾子と付き合うまでの相手ってみんな綾子の事を忘れるために付き合ってたの?」

と直則が聞くと

「それは…。インディーズでデビューするときには俺も腹をくくってたからそれは無いし、お互いにセフレって割りきってたからね。男も女も性欲もだけど人肌が恋しい時ってあるじゃん。それを埋めるために寝たって言うかさ…。あとは、今になって思えば本当にバカだったと思うけど綾子の反応を知りたかったんだよ」

と和は言った。

「反応?」

と直則が聞くと

「俺が他の女と付き合ってるとかって話を聞いたら綾子はどう思うのかな?とか、他の女と付き合わないでって言ってくれないかな?とか…」

と和は言った。

「お前…バカを通り越して最低だな」

と直則が言うと奏も佐伯も頷いていた。

「今となっては俺もそう思うよ。渉や誠に高校の頃に自分は妹以上には見てもらえないって陰で綾子が泣いてたって聞いた時にも最低な事をしてたなって思ったよ。けど、あの頃の俺は綾子に自分の前で泣いて欲しかったんだよ。そしたら由岐と約束した二十歳まで待たないで綾子と付き合えるってやましい気持ちもあったし」

と和は言った。

「じゃ、本当に二十歳まで付き合わないつもりでいたの?」

と直則が聞くと

「高校の時に由岐と約束したからね。高校の時に綾子が可愛くて仕方ない好きなんだと思うって言ったときに、小学生の綾子を好きとかおかしいだろ?それって妹みたいで可愛いって事じゃない?って言われてさ。だよな…でも何か違うんだよ。他の女と付き合っても結局綾子の事ばかり考えちゃうし綾子だけは特別なんだよって言ったら、とりあえず綾子が二十歳になるまで待てって言われてさ。綾子が二十歳になるまで今と同じように可愛い好きだって思えるなら付き合ってもいいからそれまで待てって言われてさ」

と和は言った。

「それで、その約束守ってたわけ?」

と直則が聞くと

「そりゃね。本当に好きなんだっていうのを由岐に見せたかったって言うかさ…。高校卒業する頃には、この先綾子より好きな女なんて現れないって思ってたから由岐や親父さんに誠意を見せたかったって言うかさ。だから、二十歳になるまでは自分からは好きだとか付き合いたいとは言わないって思ってたんだよ」

と和は言ったあと

「でもさ、綾子から好きだとか言われたら話は別でしょ?だから、綾子から好きだって言わせるためにいろいろやったよ」

と笑った。

「その一つが女遊びね…」

と直則がため息をつくと

「父さんって頭いいのか悪いのかわかんないね」

と奏もため息をついた。

「でもさ、綾子が他の男と付き合うかもしれないって事は考えなかったの?」

と直則が聞くと

「そりゃ考えたよ。綾子は可愛いしキレイだし性格いいし…」

と和は言った。

「ちょっと、褒め過ぎじゃない?恥ずかしくないの?」

と奏が言うと

「褒め過ぎかな?でもさ、綾子もバンドやっててまわりには男がいっぱいいるわけだし自分がバンドやってモテた過去があるから綾子だってモテるだろうって不安はあったよ」

と和は言った。

「実際、モテただろ?」

と直則が言うと

「多分ね。綾子から直接そうゆう話は聞いた事が無いけど、Speranzaからは綾子の武勇伝みたいのは聞いてるよ。でもさ、のりちゃんなら分かると思うけど綾子は本当に恋愛に疎い子だからさ。告られても本気か冗談かわかんなかったみたいだよ」

と和は笑った。

「まぁ、綾子ならあり得るな」

と直則が笑ってると

「あの…。実は和さんにもう1つ聞きたい事があったんですけど」

と佐伯は言った。

「何?」

と和が聞くと

「和さんと綾子さんは幼なじみですよね?」

と佐伯は聞いた。

「そうだよ。隣に住んでたしね」

と和が言うと

「幼なじみの子が好きな子に変わったのって何かきっかけとかあったんですか?」

と佐伯は聞いた。

「きっかけ?」

と和が聞くと

「いや、初めから好きだったのかもしれないけど好きだなって意識したのっていつなのかな?って思って…」

と佐伯は言った。

「うーん。初めて会った時から可愛いなとは思ってたけど、それは小さな妹みたいな感覚の方が大きかったかな?好きだなって思ったのは綾子が小5ぐらいからかな?でも、好きって意識はしてなかったけど綾子が特別だって気付いたのは俺が中2の時だね」

と和は言った。

「何かきっかけがあったんですか?」

と佐伯が聞くと

「それ話すと長くなるよ。話の途中で店に着くかも」

と和が言うと

「大丈夫だよ。事故で渋滞してるみたいだからまだ店に着かないよ」

と結城は言った。

「結城さん、話聞いてたの?」

と和が驚くと

「聞いてたよ。それに俺も何でそこまで綾子に惚れ込むか知りたかったんだよね」

と結城は言った。

「そう?知りたいかな?」

と言ったあと和は

「きっかけは綾子の膝枕だね」

と和は笑った。


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