朝日
次の日、ラックは大きな窓から差し込む朝日で目覚めた。
手元に置いてある時計は12刻を指していた。
ラックはいつもよりもすっきり起きる事ができたので気分が良かった。
昨晩作った荷物を見ていると、部屋のドアがノックされた。
「ラック、入るぞ」
ジュムンの声だった。
「起きてたか。そろそろ準備しないと人目につくぞ」
「父上と母上に話してくれたんでしょう?人目についちゃ駄目なの?」
「話しておいた。了解も得たぞ。だが、使用人や国民には話していない」
ラックはそうか、と軽くうなずき暖かなベットからようやく出てきた。
薄い朝日は夏の日差しの中で一番優しいものだった。
「あと、お前のその格好だが、一般的な国民がよく着るようなものにしておこう。先日、街に出た時に買っておいたものだ。着替えもこれと同じようなものが複数ある。変えておきなさい。」
ジュムンは4着の質素な服を椅子にかけた。いつもラックが着るような服は確かに質が良く、国民に混じるには多少目立つことが安易に予想できたからだろう。
ラックが地味な服装に身を包み城の門近くまで出てきた時、13と半刻になるところだった。
ラックは誰も見送ってくれないことにかすかな怒りに似た感情を感じたが、それよりもこれからに対する不安の方が大きかった。
アレックは見つかるだろうか、途中で道に迷わないだろうか。
不安が大きくなり、城を見上げた。すると、ラックはあるものを見つけた。
よく見てみるとそれは窓から手を振っているジュムンの姿だった。
ラックは手を大きく振り返し、不安が消えていくように思えた。
え~、この時点では夏ということになっています。
1話目、改めておきますのでご覧下さい・・・。
又、1刻は30分です。
午前8時=16刻
午後9時=42刻
一日48刻です。。。