決心
「本当に?」
「ああ。行ってみれば俺が誰なのかも分かるかもしれないしな。
昨日、少しだけ話したからわかるよな?
俺は小さい頃の記憶がほとんどと言って良いほど無いんだ。」
ラックは持ってきた水を近くのテーブルに置いて昨日、眠る前に話した短い会話を思い出した。
『俺が誰かということは俺にも良く分からない。名前すら知らないんだ。
だからもしかしたら本当に俺がアークウェイの次期かもしれない。もし本当にそうだったら、俺の過去が分かるかもしれないんだ。』
アレックはあくまで自分を知りたいのだということを話していた。
ラックは少しワインを飲みながら聞いていたのではっきりは覚えてはいなかったが、それだけは覚えておくことができたみたいである。
「うん。分かった。じゃあもうここを出て迎えでも呼ぶ?」
「いや、迎えは呼ばなくていい。フィツは少し面倒かもしれないが、俺はこの国について詳しく知らないんだ。あの森から出たこともほんの少ししかないのだな。」
「分かったみょ。正直、俺は城での暮らしに飽き飽きしてたんだ。だからこれは一種の休暇みたいなものだと思って楽しんでるんだみょん。面倒だなんて全然ないよ。」
ラックがそう返すとアレックは軽く微笑みながら言った。
「それは良かった。」
「そうと決まれば、どのルートから行くみょ?たくさんあるけど。
ちなみにお金は節約すれば3週間もつぐらいはあるみょ。」
ラックがジュムンから借りた大きな地図を広げた。
「なら、せっかくだからお前もなれていない道を通るとするか。」
「だったら・・・ここなんてどうかにゃ。」
ラックが指差したのは紆余曲折の多く『バルド』という街を通るコースだった。
「俺が小さい頃に1度行ったきりだし、景色も綺麗だみょ。」
「いいんじゃないか?そこで。」
「じゃ、決定だみょん。」
2人はゆっくりと支度を始めた。
遅くなりましたがあけましておめでとうございます。
もう一ヶ月近くも更新していなかったので足数もずいぶん少なくなっておりました。
まだ下書きは一切進んでおりませんので更新も少ないままですが、ぜひご愛読くださいませm(‐‐)m