レッスンⅠ
「そうだ、ヴォーにはいろいろ教えないといけないんだにゃ。」
ラックは何気ない様子を装って『ヴォー』と言ってみたが、アレックがどう感じているのか分からないため、相当 『アレック』と呼ぶか『ヴォー』と呼ぶかで迷っていた。
「ほら、ちゃんと話聞いててみょ?」
そこからアレックは約4時間ほどラックの講義を聴くこととなった。
「まずは、普通のマナーから。挨拶する時とか、身分によって変わるからちょっと大変なんだけど、覚えるだけだからたいしたことは無いよ。まず・・・」
椅子の座り方、目線、女性を相手にした時と男性を相手にした時の違い、そんなものを最初に説明し終えると、実践練習。ラックがシチュエーションを考えてそれを2人でこなしていく。
大体ができるようになると次はテーブルマナー。
シルバーの丁寧な使い方、料理によって変わる作法。
アークウェイの歴史、親類関係、偉人、他国との交友状況、国情、ダンスの踊り方(アレックは一番手こずってしまった)、教養のあるお話(といってもほとんどラックが世界を回る旅人から聞いた冒険話が主であった)などだった。
「喉が渇いた。」
「そうだにゃ。あともうちょっとあるんだけど、まぁ、それは今説明するのは難しいし明後日ぐらいにしようか。」
「少し多すぎやしないか?」
アレックは覚えはよく、たいていのことはすぐにラックの真似をすることができた。しかし、そんなアレックでもここまで覚えるのは大変だったようだ。
「残ってるのは、簡単な楽器の演奏のしかたと、部屋の説明と、さっき説明していない人たちの説明と紹介ぐらいだにゃ。」
「多いよ。」
そうかにゃ、と呟きながらバックの中に入っていたパンと切られていないハムを取り出した。
「ちょっと休憩にしない?」
「まだ話す気なのか。」
「嫌?楽しいんだけど。」
「嫌。」
ラックは即答されて少し落ち込んだが、すぐに向き直って言った。
「まぁ、サンドウィッチでも食べない?
水はロビーに行ってもらってくるから、ハム切ってパンにのせといてみょ。」
ラックは部屋の外へ出て行った。
行間の多さが私の「下書ききれたよ。やばいよ。」に比例して多くなっていきます。
ちょっと大変になりますねぇ。私が。
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