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流星夜  作者: 麗穏
旅の始まり
21/25

妖精


 2人は結局最初の大木のきの見える所まで歩いてきた。



 

   「あれ?人いるみょ。こんな街外れなのに。」



  

  ラック達から親指程度の大きさに人影が2人見えた。



 

 「暇だし、話聞いてみようみょ。」

 


 

  足を僅かに早めて歩く。距離が縮まったとき、ラックが話しかけた。



 

 「ねぇ、そこの人たちさ・・・」




    「何か」

    「なんだい子猫ちゃん」



  そこに立っていた二人がほぼ同時に答えた。



 2人共男だ。洋服など、似たものを着ているどころか、髪型、髪の色が一緒だ。

  ただ、目の色が決定的に違った。深紅と群青。話し方からして性格も違うだろう。纏っている雰囲気も大きな違いがあった。



  「俺達さ、さっきここの街に着いたんだけど、どっかいい宿知らないかにゃ?」



 

「へぇ。大変だね。どっか探せばあるんじゃないの。生憎、俺達もここの人間じゃなくてな。」




  青目の方が微笑しながら言った。



 「ていうか、君たち本当に俺等が見えるの?」




 「見えてなかったら話しかけないみょ。」



 ラックが不思議そうに呟く。



 

 「そうだね。僕は、陽の精のリュリス。彼は風の精のメフィル。君たちは翼を持ってるんだ。」




 「俺はフィツ、こっちはヴォー。」



 ラックが代表して自己紹介をした。




 フィツの紹介のあと、柔らかな風が吹いた。




 「2人とも本名じゃないだろ?」




  短い沈黙があった。 

 


  

 「そうだみょ。」

 

 

  メフィルが言った言葉にラックはかなり驚いていたが、アレックはそれ以上にラックが言った言葉に対して驚いた。




 アレックがラックを疑問のまなざしで見ていた。ラックはそれに後で話すから、と思いアレックを見つめ返すことしかできなかった。




 「何か事情があるみたいだな。」



 

 メフィル薄くわらった。全てが分かったように。



 

 「で、妖精が何でこんなところにいるんだ?」




 アレックが重くなりすぎた空気をなんとかしようと質問をした。




 「んーとね、暇つぶし。すること無いんだよね。基本的に。」




 リリュスがあくびをしながら言った。



 

 「暇じゃない時はどうしてるの?」



 

 「いつもは上の人のご機嫌とって各々の仕事したりしてるよ。」




 「他に妖精はどれ位いるんだみょ?」




 「さぁ?」

  


 リリュスはさもつまらなさそうにまたあくびをした。



 

 「分かんないの?集まったりとかは?」



 

 「ないない。」



 

 「俺が分かる程度なら、そうだな・・・40は間違いなくいる。噂くらいしか聞いたことないようなヤツいれたら60いくかいかないか。」




 「皆君らと同じような格好してるにょ?」



 

 続く質問。 



 「妖精のなかでいくつかのグループをつくる。そのグループでは同じようなの着てるな。色とか、素材とか。」


 

  「なら、お前達は同じ所属なのか。」




 「そう。分け方としては大雑把だよね。自然物とか。そのまとまりの中でもさらに分かれていたりするね。目に見えるか見えないか、とか。」




 「へぇ。面倒くさそう。」



 「そうでもないよ。」




 リュリスが言った後、メフィルがはっ と顔をあげた。




 「リュリス、指令がでた。帰るぞ。」




 「え~。今?面倒だなぁ。突然の号令とか一番嫌い。

  フィツ、だっけ?クッキー一枚くれる?」



 「いいみょ。」



 ラックがリュリスにクッキーを渡すと、妖精たちの姿は消えていった。




 2人に残されたのは気まずい空気。


 ラックはため息をついた。




あんまり気まずい気がしないですか、気まずいというせってーでよろしくお願いします。

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