疑問
「なぁ、フィツ。お前、何でそんなに金持ってるんだ?旅人なんじゃないのか?それとも誰かがお前に金をくれてるのか?」
ラックは一瞬心臓が止まるかと思った。
ばれたのかにゃ?
「お金の出所?国からもらってるんだみょん。どうかしたの?もしかして俺が悪いコトして稼いだお金だと思った?」
ラックは軽く笑いながら、クッキーを手に取りアレックに訊いた。
「いや・・・。ちょっと気になっただけだ。気にしないでくれ。」
アレックはラックがあっさりと答えたので意外なようだった。
アレックはさらに質問を重ねる。
「・・・何故国から援助をもらえるんだ?」
「えーと、話せば長くなるにゃ・・・。」
ラックは面倒くさそうに言った。
アークウェイはなかなか財政に力を入れている国で他の国とは比較にならないほどの貯蓄がある。国の次期後継者には文字が読めるようになったら即、財政の基本から教育していく。
物心ついてからずっと森で暮らしていたアレックでもその程度は分かっているようだった。
「ヴォー、クッキー食べない?」
「いらない・・・。」
「そっか。」
2度目のクッキー食べるか質問もアレックは断った。
ラックの食べるクッキーがサク、と小気味の良い音をたてた。
短いっす。
クッキー食べたくなってきた。