叔父
いきなり部屋に飛び込んできたラックを見て叔父のジュムン・カル・シルセインは口に運んでいたコーヒーを危うくこぼしてしまうところだった。
「ラックじゃないか。どうしたんだ?」
ラックは軽く弾んだ息を整え、ジュムンの正面にあった椅子に座った。
「叔父さんさ、叔父さんも息子いるんでしょ?一緒にいれなくて寂しくないの?」
ジュムンは軽く笑って答えた。
「そうだな。君たちを見ていると少しは寂しくなることもある。」
「なら、俺が探してきてもいい?」
カップを机においてジュムンは窓の風景に目をやった。
「別に、探さなくともどこにいるかは分かっている。」
ラックは自分の目が大きくなるのを感じた。
ジュムンはなおも続けた。
「でも、まぁ、探してみたいというなら支援はしてあげよう。」
木の葉が木から大地に落ちるまでの短い間、ラックは何も言えなかった。
「本当に?」
「本当に。嘘をついてしまっては信頼が落ちてしまうだろう?」
実はジュムンがこのアークウェイ帝国国王なのだ。
「どうした?」
ジュムンは微動だにしないラックをみて少し不安になった。
息さえも忘れているかのように見えたからだ。
5秒ほどたってからラックはようやく返事をした。
「ううん。なんでもない。
今からでも準備をすれば明日の出発には間に合うよね。
父上と母上には叔父さんからうまく言っといてくれる?」
「いいだろう。」
荷造りが終わったらここにまた来るからといってラックは部屋を出て自室へと向かった。
いよいよ 自分の思いどうりに動くことができる。
そう思っただけでラックは飛んでしまいそうだった。
・・・と思っていると、ラックは本当に飛んでしまった。おかげでラックは廊下の天井に思い切り
頭をぶつけてしまった。
実はラックにはまるで天使のような白い翼があるのだった。
他の親族に翼を持っている者はみたことが無かった。だが、話の中ではラックの従兄弟にも翼があるようである。ラックは従兄弟に会いたい気持ちがより強まった。
「まずは荷造りからだみょん。」
独り言を言ってしまい、近くを歩いていた給仕に振り向かれてしまった。
やがて給仕はかどを曲がって見えなくなった。
それを確認して、ラックは日の差し込む自室へ入った。
かなり(私としては)急ぎながらなので文が大荒れですが、ご容赦ください。。。
設定が分かりづらいですよね。すみません。ラックの「~みょん」や、「~にゃ」は口癖です。。。
又、評価・感想いただいたら私は飛んで喜びます。