街の中で
それから2刻しないくらいの時間をかけて休憩を取りつつ、2人はクルトスが見える場所まで飛び続けた。小さい家が多く集まり、それぞれ1本ずつ煙突がついている。
空から見たとき、街の中央らへんに何かの工場のようなものが見えていた。煙突からは白い煙が上がっている。まるで綿あめのように無垢な色をしていた。
ラックはその様子を目を輝かせて見ていた。
「すんごいいい香りがするみょ~!このまま死んでしまっても後悔は・・・いや、ここのお菓子たちをたくさん食べないと死ねないにゃ。
やっぱり最初はバームクーヘン?いや、苺タルトもいいにゃ~。」
風にのって香ってくるほのかに甘く優しい香りはラックの気分を一気に上げるのにはかなり効果的だった様だ。
「それより、そろそろ下に降りて歩き始めたほうが良いんじゃないのか?」
アレックの言うとおり、道はちゃんと舗道された石畳の道になってきていた上、時折ちらほらと馬車が通るのが見えたのだ。
「そだねぇ。」
アレックの言葉がちゃんと耳に入っているのか、ラックは夢心地の様子でゆっくりと近くの大きな木の下へと下降していった。
木は、飛んでいるときに見たときよりも大きく見えた。
「立派な木だにゃぁ。森で育ったみたいだ。」
日光を浴びれるだけ浴びて育ったようで、この巨木は壮大だった。
「!見とれてないで早くクッキー買いに行くみょん!ヴォー!」
「分かったから・・・。」
「早く!」
アレックはその樹木にもう少しいたそうな顔をしていたのだが、ラックの強い希望に負けて走りよっていった。
街の中心街に来ると、ラックの腹が鳴った。
「お腹すいたみょ。レストラン入らにゃい?」
「あぁ。」
さすがにラックは朝のロールパンひとつと少しの野菜では足りなかったのだろう。
「あ!あそこのお店、猫いるみょん!めっちゃキュート!あそこ行こうよ。」
ラックが指差した先は灰色の猫が門の上に座っているお洒落なレストランだった。店内にも猫がいるようだ。
ラックとアレックはそこへ近づいていった。
お腹がすいて死にそうDETH☆
クルトスもっと遠くイメージしてましたが、めんどくなったので(←コラ)切りました。