悪霊との戦いの時
山頂へ行く道の前で警備していた、黒装束により、田中は捕まりました。
「⋯⋯お前、何をしているんだ?」
「え? だって見るからに怪しい気配がするから⋯⋯面白そうだなぁって思って」
「口走っていた、発言は本当か? あの文献を用意したのは、お前なのか?」
「まあ、そうだけど⋯⋯家の倉庫に置いてあったから持参して、上手いタイミングで生徒会長に発見させた」
「ハァ。 それで、一応聴くけど⋯⋯お前は黒幕か?」
そう、柳田健太が田中に問うと、彼女は反応に困っていました。
「何故、困っているんだ?」
「真面目に答えるのかボケるのか⋯⋯判断が難しいかな⋯⋯」
「よし、お前たち! さっさと行くぞ!」
『はーい』
「えっ、待ってよ! 置いてかないでよ! これから何するの? 私も行く!」
「田中、お前がいたら、碌なことにならん。 ついてくるな!」
「嫌だ! 行くよ! 面白そうだし。 ⋯⋯あ、違う。 そう、我が黒幕なのだ! 故に、最後まで見届ける必要がある」
「黒幕だってよ。 じゃあ、捕まえるか」
『はーい』
「ちょっと、違います! ややこしいこと言って、すみませんでした!」
こうして一行は、山頂の祠の前に着いた。 山頂の空気は不自然に澱んでいた。
「これから悪霊の封印を解くぞ!」
「⋯⋯私たちの戦いが始まるのね⋯⋯」
「ことねには、指一本さえ、触れさせないからな!」
「わぁ、凄い! ⋯⋯なんか、これから戦いが始まりそうな雰囲気がめちゃくちゃする! 燃えてきた!」
健太は祠に張り付いていた、お札を剥がす。
すると、祠の中から、黒い霧が出て来て、それらが一箇所に集まって来た。
『⋯⋯よくぞ我の封印を解いてくれたな。 お前たちには褒美をやろう』
「褒美? 残念だが、俺たちにはいらねぇ。 ⋯⋯そうだな、敢えて言うなら、お前を消滅させることが俺たちの褒美だ!」
『⋯⋯なんだと? 雑魚無勢が、この我を倒す?』
「そうよ! アンタを倒して、私はこの世界の役割から解放されるのよ!」
『ほう。 ピンク髪のお前、とても良い匂いがするな⋯⋯あの姫と同等ぐらいに』
「ことねには、毛一本も触れさせないからな!」
『ハハハ。 良かろう、お前たちのその心を絶望に染め、魂ごと喰らい尽くしてくれる!』
かくして、悪霊との決戦が始まるのでした。
「ここは、お前の場所ではない! 消えされ!」
『ハハハ、甘いわ! そんな豆鉄砲食らった所で痒いだけよ!』
「くそ! なんだコイツ⋯⋯怨念が強すぎる」
「健太さん! 俺に任せてください! 奥義! 十文字斬り!」
『おい、おい。 どこを攻撃しているんだ? ああ、素振りの練習か』
「なんだと! 駄目だ、刀じゃ悪霊に擦りもしないのか⋯⋯」
「私が、やらなきゃ! 絶対に負けるものか! 私は主人公、桐原彩乃! 行くわよ悪霊、かかってきなさい!」
『お嬢ちゃんは何やってるんだ? ⋯⋯攻撃? いやいや、子供ごっこかよ』
「なんですって! 私の渾身のパンチが、子供の遊び?」
悪霊に手も足も出ない三人。 絶望する彼等を悪霊は馬鹿にします。
『ハハハ。 おいおい。 雑魚どもが! ⋯⋯そろそろ、余興にも飽きてきたぞ!
⋯⋯どれ。 まずはそこのピンク髪からつまむとするか⋯⋯』
「ククク、どうやらここは我の出番のようじゃ! 壊!」
『なんだ? まだ誰かいたのか。 ⋯⋯お前は?』
「我の名はワルザベスでも田中でもない! この世界に終焉を招くもの、邪神・エターナルパーフェクトであるぞ!」
そこに現れたのは、眼帯と包帯の黒髪ーー田中でした。




