『理想の信者』3
学校の校門に以前までは、設置されていなかった、関所が作られていた。 まるでこの先は、別の国だと主張するようにーー あの日から、この学校の生徒たちは、朝の六時に登校して、二十四時までは学校で勉学することを強制さられていた。
碌な睡眠もとれないまま、学校に登校する生徒達の様子は、まるでゾンビの様で生気を感じない。 その状態は、学校活動中でも続いていた。
『ハハハ! いいぞ! 負のエネルギーが溜まっている!』
「生徒会長! また、保護者とマスコミから連絡が⋯⋯」
「貴方、そんな些事に私を関わらせるつもりなの?」
「え? いや、しかし⋯⋯」
「適当に、対処しなさい」
「⋯⋯はい。 それと教育委員会からも⋯⋯」
「はあ⋯⋯。 これ以上、私を失望させないでほしいものね、校、長、先、生?」
「かしこまりました!」
校長先生は校長室ーー今は生徒会長室を出て行く。
私は心の中で空虚な気持ちでいっぱいになった。
誰も、私を咎めない。 誰か私を咎めて。 私を誰か咎めなさいよ!
私、一瞬はっとして周りを見る。 湊がいない! いつから?
私は苛立たちを隠せないでいた。
夕暮れ、湊はノソノソと隠れるように、校内に入ってきた。
私は、毎日出掛けて見知らぬ女と、浮気をする男であり。
私が好きで恋焦がれる、彼に向かって話しかけた。
「あーあ。 酷い召使いだこと。 主の世話もせずに、白昼堂々、お忍でどこに行ってたのかしら?」
私は湊が憎くて仕方なかった!
こんなに苦しいなら、もう彼を処分しようーー
「オイタが、過ぎるようね。 そろそろ貴方を処分しても⋯⋯グ!」
『まて、コイツは消すな。 負のエネルギーが一番溜まっているのはコイツだ!』
「⋯⋯ふふふ。 『川端ことね』まだ抗うの? 面白いわね。 ⋯⋯おい! この男を軟禁しろ!」
私はあたかも、操られているフリをして、彼を軟禁処分にした。
ーーまあ、いいわ。 これでずっと一緒ね! 湊ーー
そんな私の前に彼女は現れた。
それは深夜、地主の当主の柳田秀五郎との会談中に起きた。
「この騒ぎはなんだ? お嬢様との会談中だぞ!」
「申し訳ございません! 侵入者が現れまして⋯⋯」
「なにをやってる! さっさと捕えろ!」
「かしこまりました!」
「侵入者ですって! 怖いですわ!」
「すみません、ことね様」
「早く捕まるといいですね」
まったく、どこの誰かしら、この私がいる時に狙うなんて。
でも、犯人は意外でもなかった。 ーーもう一人を除いてーー
「貴様! なんの真似だ! 侵入者を堂々と家主の前に連れ込むとは!」
「親父⋯⋯話しを聞いてくれ!」
「何をふざけたことを!」
「まあ、叔父様。 ここは、一旦彼等の話しを聴きませんか?」
そう言うと驚く、柳田健太とあともう一人はーーふふ、貴方はーー
「川端ことね! そんな⋯⋯」
「何故、ここにアンタが⋯⋯」
「健太。 悲しいですわ! 幼い頃は一緒に遊んだ仲でしょう? ⋯⋯話しは終わりましたので、お先に失礼します⋯⋯貴方達はせいぜい無駄な足掻きをしてください、ふふ」
つい耐えきれず、笑い出してしまう私なのでした。
ーー桐原彩乃。 貴方が私の湊を横取りしたのね!
貴方はどこまで、私を楽しませてくれるのかしら?




