二人でデートしよう!
「湊! どこに行く! 私、湊とだったらどこでもいいよ!」
「そうだな、近くの公園でも行くか」
夏休みの真っ只中、ことねと湊は公園に向かいます。 今日も、夏の暑い日差しが地面を焼いていました。
「今日も暑いね。 私、汗かいちゃうよ!」
「だったら、俺から離れてもいいんだぞ」
「それと、これは別だよ⋯⋯あ! ソフトクリームがある! 一緒に食べよ!」
ことねは、湊を引っ張って、ソフトクリーム屋に連れて行きました。 そして、二人とも同じものを注文しました。
「美味しいね。 でも、湊の方が美味しそう⋯⋯いただきます!」
「おいおい、ことね。 同じのだから味は変わらないぞ」
そう言いながら、二人は仲良くソフトクリームを食べていました。
すると、横から、聞き覚えのある声が聞こえてきます。
「ワルザベスよ、今宵は、特別な夜になるだろう。 共に祝おうぞ!」
「え? 何? 今夜、なにかするの? 私も付き合うこと確定?」
「ふ、当然だ奏者よ! 信仰者と奏者はセットだぞ! 我ら、エターナルパーフェクト教団の集会だ!」
会話をしていたのは、生徒会長の倉石瑞稀と書記の田中幸子でした。
ことねは、二人の様子に頭を傾げながらも、挨拶へ行きます。
「みずちゃん、こんにちは! 元気?」
「あ、ことね! こんにちは、偶然だね」
「えっと、夜にみんなで集まるの?」
「うん。 今日は生徒会のみんなで集まる予定なの、生徒会の二学期に向けたレクリエーションだよ」
「あの⋯⋯それならそうと、最初から言ってくれませんか? 私も、貴方に合わせたくても、ボケられないじゃん」
「田中先輩は、普段はそう言うキャラじゃないんですか?」
「え? 私、いつもそう言う人だと思われてるの? あれはパホーマンスだって! ⋯⋯もしかして倉石、私をそう言う人だと思ってたの?」
「あれ? ワルザベスはそうじゃないの? 私てっきり⋯⋯」
二人の間に気まずい空気が、流れてしまいました。 ことねは二人を慰めるのでした。 湊はことねの、あたふたと取り乱す姿を微笑みながら見守っていました。
「湊! 趣味悪いよ! ずっと笑ってたでしょ」
「ごめん、ことね。 だってことねが面白くて、つい」
「どうしようかな。 湊が恥ずかしいこと、これからしちゃうもん!」
そう言うと、ことねは湊にお姫様抱っこをせがみます。 湊は渋々、ことねに従うのでした。
「わーい、湊力持ち! 大好き」
「公園にいる人たちが、みんな見てるよ⋯⋯」
「ねぇ湊、恥ずかしい? ⋯⋯もしそうなら、もうやめてあげてもいいからね」
ことねは問いかけます、湊が見ると彼女の顔が真っ赤になっていました。
「⋯⋯別に、このままずっと抱いていても構わないけど?」
「ぐ! ⋯⋯すみません、降ろして下さい、恥ずかしいです」
「やれやれ、抱っこしろとか降ろせとか、要求の多い姫様ですね」
湊が、ことねを降ろすと、ムッっとした表情で湊を見ましたが、その後、すぐに二人で笑い合いました。
「湊⋯⋯今は私たち以外に誰もいないよ。 二人だけの時間だね⋯⋯」
公園にある観覧車に、ことねと二人で乗った湊。 ことねが、顔を赤らめながら、こちらを覗いてきます。
「もしかして、他の女のことを考えてる?」
「⋯⋯はあ? 何故そうなるんだ?」
「だって湊はハレームを目指しているんだよね。 ⋯⋯でも今は、他の女のことは忘れて、私のことを見てほしいな⋯⋯」
ことねが、湊の顔に近づく。 二人の視線は絡み合って、離れない、このまま二人は口づけをーー
『我らエターナルパーフェクト教団! 共に夜の祭壇へいざ参らん』
「よし、決まった。 完璧ですワルザベス! 我らに敵はなし!」
「ククク、今宵、闇に悪魔が降臨する! その時を座して待つがいい!」
「⋯⋯それにしても、観覧車の中って特別な気持ちになりますね」
「え? 倉石? まさか、私をここに誘ったのって⋯⋯」
「もうじき、てっぺんですね。 ⋯⋯ここで好きな人とキス出来たらな⋯⋯」
「はわわ⋯⋯。 なに言ってるの、そんなロマンチックなことしてる、バカップルなんて我らの敵よ! 本当、羨まけしからん⋯⋯」




