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原作では破滅の運命の悪役女性! ⋯⋯でも色々違う気がします?  作者: Masa(文章力あげたい)


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32/59

憑依? ただいま! 会いたかったよ!

 ここは理想学園の地下。 ここで生活するを送っている、一人の男性がいました。


 彼ーー高坂湊は、自分がどれくらいの間、この場所にいるのかわからなくなっていました。 日差しの入らない、この場所で彼はただ生かされているのです。


 彼の頭の中に、彼女ーー桐原彩乃のことが浮かびます。 彼女が入院している病院に行き、彼女に会うことが、彼の生きがいになっていたのです。


 今頃、どうしているだろうか? 俺のこと心配してくれているかな?ーー


 そう考えていた時、部屋のドアが開きます。 そして、中に入って来たのは、自分にこの生活をさせている女性ーー川端ことねでした。


 「ここの生活には慣れたかしら?」

 「⋯⋯」

 「また頭の中で、桐原彩乃のことを考えているようね」

 「⋯⋯」

 「⋯⋯ねえ、ここから出れる方法を教えてあげるわ」

 「⋯⋯方法⋯⋯」


 高坂湊の心に一瞬、希望が芽生えました。 しかし次の言葉で消え去りました。


 「桐原彩乃のことは忘れなさい」

 「⋯⋯」

 「なに? 簡単なことでしょ? ⋯⋯貴方は私の駒。 忘れたの? 貴方のせいで私が今、こうなっていると言うことを」


 川端ことねは、当然の事実を告げる様に、高坂湊に擦り寄ります。


 「ねえ、湊⋯⋯寂しいよ。 私がそばにいるのに、別の女のことを考えるなんて」

 「⋯⋯!」

 「そう、貴方は川端ことねのお世話係。 ⋯⋯川端ことねから離れられない」

 「⋯⋯これ以上、お嬢様のマネをするな! ⋯⋯悪霊ごときが!」


 高坂湊の発言を聞き、川端ことねーー悪霊が、彼に向かって笑いだす。


 「ハハハ。 残念だったな⋯⋯高坂湊。 今は、私がこの体の主だ!」


 それからしばらく地下の中で、川端ことねの笑い声が続くのでした。

 



 

 

 「いいか、美羽! 絶対に食費はメモを取るんだぞ! 後夜遅くに、湊くんを起こして『夜食が食べたいですわ』とか言うんじゃないぞ!」

 「もう、パパったら。 わかっておりますわよ。 夜食は自分で作りますわ!」

 

 和馬は頭を抱えた。 娘は最近、自炊を覚えてしまったたらしい。 


 しかも、食欲は更に増しているようで、食費はこちらが出しているが、材料を勝手に使われて、湊くんが困っているのではないかと心配だった。


 「⋯⋯とにかく、迷惑をかけるんじゃないぞ。 気おつけてな」

 「はい! しっかりと、ことねの世話をいたしましてよ!」


 二人が話している姿を、ことねは微笑みながら見ていました。


 ことねにとって今回のお泊まりは、大成功でした。


 お祭りの雰囲気も、屋台の食べ物も美味しかったし、花火も綺麗だった。


 でも、それよりもことねが嬉しいのはーー


 「ことね! 家に帰るのですわ!」

 「ふふ、⋯⋯わかったよ、美羽ちゃん」

 「バスがもうすぐで来ますわ! 今ならダッシュで向かえば間に合いますわ!」


 朝の日差しの中を、あの時の様に二人で競走しながら、帰るのでした。


 「おかえり。 二人とも、そんなに息を切らして⋯⋯元気だなぁ、お前たち」

 「湊! ただいま! ずっと会いたかったよ!」

 「⋯⋯毎日電話でずっと、話してただろ。 寝落ちする時は通信を切ってくれ」

 「え! 湊の声を聴きながら、寝るのが最高なのに⋯⋯でも今日からは必要ないね! だって生の湊がいるんだもん!」

  

 そう言うと、ことねは湊に抱きつくのでした。


 「ふう、湊くん、ただいまですわ。 ⋯⋯さっそく台所を借りますわね」

 「コラ! なに、お手洗い感覚でご飯を作るつもりだ! ⋯⋯もう作ってあるから一緒に食べようぜ」


 湊がそう言うと、美羽は嬉しいそうにかけて行きました。


 ーーアイツ、変わったな。 いままでは、ことねの前では食事のことなんて一言も話さなかったのに。 本当にことねと仲良くなったんだなーー


 湊は、それが嬉しくて微笑みます。


 「あ! しまった!」

 「どうしたんだ、ことね?」

 「湊の負担の軽減のために、おとなしくしておこうと思ったのに⋯⋯忘れてた!」

 「負担軽減?」

 「そうだよ! 美羽ちゃんのお父さんから聴いたんだ! ⋯⋯湊、大変だったんだよね。 だから⋯⋯寂しいけど、スキンシップは控えめにするね⋯⋯」

 「え! ちょっと待って! そんなことないぞ、ことね!」


 その後、湊がことねのスキンシップが好きだから、今まで通りでいいと伝えると、喜んで、湊を抱きしめることねなのであった。



 

 


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