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原作では破滅の運命の悪役女性! ⋯⋯でも色々違う気がします?  作者: Masa(文章力あげたい)


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26/52

協議? お泊まりだよ!

 健太の指示により、深夜の柳田家に彩乃は訪問することになった。


 「また日を改めて」と言ったが、これからじゃないと駄目だと言われ、おとなしく従うことにーー


 ここに来るのは、まだまだ先の話しのはずだったのにーー


 まさかの事態に、驚く彩乃だった。 屋敷に到着した健太は、チャイムを鳴らす。


 原作では、抜け道を使って入ってたのに、普通に入れることに彩乃は、安心感を覚えた。 


 「はーい⋯⋯健くん! 遅かったのね」

 「ただいま! お母さん!」

 「えぇ! 嘘でしょ!」

 

 原作では、存在しないはずの母親の登場に驚く彩乃。 健太の後を追ってついた先は、応接間だった。 襖を開けると中にいたのはーー


 「遅かったね! 彩乃ちゃん、こんばんは」

 「健太、遅かったじゃないか。 みんな待ってたぞ!」

 「お姉ちゃんも遊ぶ? みんなでカードゲームしてたの!」

 

 秀五郎とことねと、そして何故か舞香がいたのだったーー


 「⋯⋯それで桐原健太さんに連れられて、訪問した次第です」

 「理解した。 確認後、対処しよう!」

 「はい、おねがいします」

 「彩乃ちゃん、話し終わった? 疲れたよね! おいで!」


 秀五郎と健太の三人で協議している間、置き物の様にしていた、ことねが彩乃に抱きついた。 彩乃はことねに体を預ける。


 ーー必死の山登り、柳田秀五郎との協議、疲労と緊張がピークに達していた。


 そんな彩乃を、ことねは、お姫様抱っこで運んで行く。


 「お先に失礼します。 おやすみなさい」

 「ことね様は力持ちだな」

 「⋯⋯親父、今の彼女の話しどう思う?」


 すると、にこやかだった顔が変わり、深刻な表情を浮かべる秀五郎。


 「俺は、嘘をついていると思った。 ⋯⋯本当のことを話していない奴の特徴が、彼女には全て該当した」

 「儂もそうじゃが、すべてが嘘と言う訳ではあるまい。 しっかりと確認して、ことにあたらんとな。 使いよ!」

 「はい! ご要望は?」

 「桐原家の身辺調査、祠の警備配置」

 

 指示を受けた使いは、任務を果たす為に飛び出して行ったーー


 「はい、到着ですよ、彩乃ちゃん!」

 「すごい! ことねちゃん力持ち!」

 「ことねちゃん、布団の準備出来てるからね」

 「すみません、突然来たのに、準備していただいて⋯⋯」

 「こちらこそ、健ちゃんに呼ばれたんでしょ? 突然、呼んでごめんなさい」


 時は戻り、今川先生と大人の女性について勉強した後、ことねは家に帰っていた。


 「二人とも、ただいま! 遅くなっちゃた!」

 「ことね様、次に出掛ける時は一緒に行きたいです!」

 「ことね、おかえり! なにしてたんだ?」

 「ふふ、私は、大人の女なの! 秘密なのだわ!」

 

 ことねは、湊の方を向いて、口に人差し指を当て、ウインクとポーズを取る。


 「⋯⋯どうしたんだ、ことね? 頭が痛いかのか?」

 「大人の女は秘密と嘘だらけなの!」

 「ことね⋯⋯駄々を捏ねても、お小遣いはあげないぞ!」

 「ことね様、後で湊くんには説教しますから」

 「美羽! なんでだよ!」


 愕然とする、湊をスルーして、大人の女を演じたことねは、ご機嫌でした。


 その後、三人で仲良く食事をして、のんびりしていました。 その時、健太からDMが届きました。 ことねは、湊に伝えます。


 「健ちゃんが、今から家に来いだって。 彩乃ちゃんも行くからだって」

 「こんな夜中に呼び出しか⋯⋯まあ仕方ないか」

 「マイマイにも、連絡完了っと⋯⋯じゃ出掛け来るね! 美羽ちゃんと二人きりだから手を出し放題だね! でも⋯⋯私を一番愛してね!」

 「おい!⋯⋯ちょっと待ってくれ、ことね! 誤解なんだ、俺はことねだけが好きだから!」


 ーーこうしてことねは、柳田家にやって来ました。

 

 「あれ、私、気絶していた?」

 「お姉ちゃん! やっと、目を覚ました!」

 「こんばんは、初めまして、柳田美月と申します」

 「あ! こんばんは、桐原彩乃です⋯⋯」


 彩乃は疑問に思った、どうして彼女は存在しているのかーー


 ことねは、彩乃に向かって口に人差し指を立ててウインクした。


 「なに? どうしたの? 体調悪いの?」

 「彩乃ちゃん、大人女性には、秘密があるの! 細かいことは追求したら駄目!」

 「な! 私だって、充分大人よ!」

 

 二人が仲良くしている姿を、ニコニコしながら眺める柳田美月さんでした。


 




 深夜の川端ことねの家で、川端ことねの顔をしたナニカは、いつものように、鏡の前で佇んでいました。 しかし、今日は様子が違いました。


 「柳田秀五郎⋯⋯気付かれた⋯⋯すべて⋯⋯⋯桐原彩乃⋯⋯のせい⋯⋯」


 鏡に向かって狂乱する姿は、満月と重なって、まるで狼のようでした。


 「⋯⋯処す⋯⋯消す⋯⋯壊す⋯⋯潰す⋯⋯」

 「ことね様! お静まり下さい」

 「うるさい、うるさい!うるさい?」

 「ことね様!お許しを!」


 川端ことねを抑えていた、黒装束はことねを気絶させました。


 「もうすぐ、時が来る、もう少しの辛抱です、ことね様」


 黒装束は消え去り、後には倒れたままの、彼女だけが残されました。


 

 

 

 

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