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原作では破滅の運命の悪役女性! ⋯⋯でも色々違う気がします?  作者: Masa(文章力あげたい)


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学期末! 休みの前に振り返ろう!

 夏の長期休暇が始まる前の最後の登校日、体育館に全校生徒が集まっていた。 外は熱いが、体育館の中はクーラーが最近、設置されて快適だ。


 「⋯⋯であるからして、また九月にみんなさんの顔を見れるのを、楽しみにしております⋯⋯」

 「⋯⋯ふふ。 湊! ひゃん! そこは、私、弱いから! もうエッチ!」

 「おい! ことね! 起きてくれ! 頼むから! ⋯⋯さっきから、みんなに変な目で見られてるから」

 「家で、二人で変なプレイ⋯⋯しているんですか? このハレーム野朗!」

 「誤解だ! 彩乃さん! そんなことしてないから!」

 「ふふ、駄目だよ、湊! ゆっくり⋯⋯ね!」


 登壇している校長先生よりも目立った、ことねと湊でした。


 続いて登場したのは、生徒会の挨拶担当の、榊原結衣さんでした。


 「みんな~、こんにちは~」

 『こんにちは!』

 「う~ん、みんな~、げんき~、だね~」

 「みなさん! 生徒会長の倉石瑞稀です! ただいまから! 学期の振り返りとしまして、こちらの動画を作成しました! みなさんの一学期の思い出を振り返りながら、お楽しみください!」


 そして、いつの間にか設置された、巨大なモニターから映像が流れるーー その画面にいたのは、柳田健太と田中幸子だった。 二人はコスプレをして、向かい合っていました。


 「ハハハ、無駄な抵抗も、これまでのようだな!」

 「おのれ! 理想の化身エターナル・パーフェクト!」

 「この学校は我々『理想の化身』が制圧した! 今日からお前たちは休みなし! 毎日通学だ!」

 「そんな! 夏休みはみんなでプールに行ったり、キャンプをしたり、お祭の屋台で遊んで、後はのんびり堕落する日々を送りたいのに⋯⋯そんな虚無だけの日々は嫌! お願い助けて誰か⋯⋯」


 生徒達が真剣な表情で視聴していた。 ーーその時、榊原結衣の声が聞こえてきた。


 「がっこう~、ピンチ〜、だよ~、みんなで、たすけをよぼう~、せ~の~」

 『ミウミウ!』 「フグ、グブ」


 会場の生徒たちが、声をひとつにして、呼びかけた時ーー この学校のマスコット、ミウミウが現れた! ミウミウは必殺技を唱える! 『自由推活のんびりアタック!』 悪霊は立ち去り学校に平和が戻ったのだ!


 ありがとう! ミウミウ! ありがとう! のんびり推活部! 動画終了後ーー体育館は感動と拍手が起こった。 歓声を上げる中、『ミウミウ』の中の人が前に出てみんなの声援に、呆れながら言いました。


 「はぁ。 あの、みなさん。 ⋯⋯この動画、幼稚園歓迎会に使った動画ですよ? ⋯⋯改めて用意した動画を、再生しますから、どうかよろしくお願いします」


 すると、会場全体が、笑顔で溢れるーーみんなの優しさに、感動する生徒会役員たちでした。


 「あ! 彩乃ちゃん見て! 体育大会の大玉転がし!」

 「あの時がだいぶ前の様に感じるわね」

 「最後に私が胴上げされて、嬉しかったな~」

 「まあ、ことね頑張ってたし当然よ⋯⋯」

 体育大会の映像を見て、和やかな雰囲気の生徒たちーーしかし。


 「なんか、格好おかしくない! なんで冬服?」

 「こんなことしたっけ? 映像が捏造されてね?」

 「ミウミウちゃん、明らかに口パクだよね⋯⋯」

 「田中さん、この後先生に怒られてなかった?」


 その映像の中には、捏造されたシーンがたくさん収録されていました。

 

 倉石瑞稀生徒会長が朝みんなに挨拶する場面ーーいつもギリギリで登校している。

 ミウミウが喋る場面ーーいつもぷくぷくとしか言ってない。

 田中幸子が決めポーズをする場面ーー先生に怒られる前で動画が切り替えられていた。

 柳田健太と榊原結衣にいたっては、もはや学校と関係がない活動などーー

 動画に挟まる生徒会員の活動内容に疑問の声が上がった。


 そして、動画が終わった場内にはブーイングが響きましたーー瑞稀が登壇に上がる。

 

 「みなさん! 私たち生徒会役員は、発足して時間はあまり経っていません! ⋯⋯そのため、みなさんに私たちのことを知ってもらおうと、あえてこのPR動画を作成しました。 若輩者の私ですが、二学期から頑張りますから、どうぞよろしくお願いします!」


 理由を説明した生徒会長の発言に、納得した生徒たちは拍手で応えたーー作戦成功! 大丈夫! 二学期には、楽しみの文化祭も開催するし、ちゃんと生徒会長として働くから! それよりも明日からなにして遊ぼうかな?ーー


 生徒会長は見事に、自分の怠惰を隠蔽することに成功するのであった。


 「原作では、休みなんてないのに⋯⋯事前知識がまったく役に立たないわ」

 「もう! 彩乃ちゃん! 今を楽しもうよ! なにしようかな?」

 「アンタ、そんな呑気なこと言ってる場合! このままじゃまずいのに⋯⋯」




 

 

 

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