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原作では破滅の運命の悪役女性! ⋯⋯でも色々違う気がします?  作者: Masa(文章力あげたい)


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14/31

宿命? 仲良くなり過ぎる二人

 休憩の昼前、ゲームセンターにて、瑞稀は対戦型のゲームをしていた。 相手は機械ではなく私と同じ人間である。 パンチを連続で繰り出し、必殺技の爆裂拳を繰り出すが、相手にガードされてしまった。


 ーーコイツ出来る、思わぬ強敵に瑞稀の腕が震えた。 


 その後も応戦は続き、ドローの最終決戦へ。 瑞稀はここで勝負を仕掛けた。 ジャンプからの斜めキック! 相手は退けぞる。 やったか? 瑞稀は勝利を確信した。 その時、相手が退けぞりの姿勢で、ダブルキックを繰り出した。 瑞稀は不意を突かれ、ノックダウン。 負けてしまった。


 勝負に負けた悔しくさはあるが、手汗握るバトルを体験した瑞稀は、対戦相手に握手を求めるために、相手の元に向かう。 しかし、そこにいたのは瑞稀の、クラスメイトの川端ことねだった。


 「え! 委員長! こんなところで会うなんて⋯⋯」

 「こんにちは、川端さん」


 二人の間に気まずい、雰囲気が流れる。 実は二人とも、同じクラスなのに、タイマンで話したことがなかったのだ。 この前の体育大会だって彼女は、司会をしていたから、力を合わせて何かをした訳ではない。


 川端ことねは、困っていた。 何故なら原作では彼女は、登場しない。 しかし、彼女の立場はどう考えてもモブにしては、目立ち過ぎている。 しかも、ことねにとって彼女は、委員長と言う印象しかない。 そんな彼女がここでなにをしていたのだろうか?


 「えっと⋯⋯委員長、今日はいい天気ですね」

 「⋯⋯川端さん、すごい闘いでした!」

 「闘い? ⋯⋯ああ、委員長も見てたんだね」

 「握手してください、川端さん!」

 「え? うん、わかった!」


 こうして、満足する瑞稀と、理解出来ていない、ことねの二人は握手するのであった。


 

 「やっぱり! あのシーンは熱かったよね! みずちゃん! さすがわかってる!」

 「ことねちゃんこそ! 推しの魅力を理解しているね!」

 

 数時間後、街を歩く二人は、初対面のぎこちなさはなくなり、お互いに意気投合していました。 


 「特に雨の中、颯汰が逃げ込んだのが、前世で読んだ小説で、美咲を捕まえる場所だった所!」

 「本当に運命って感じだよね~。 ねえ、美咲のイラストが、絵だけ見たらかわいいシーンなのに!」

 「小説を読んだ後だと、ホラーに感じるよね~」


 もはや、意思が繋がりすぎて、話し方も、声のトーンも、同じになっていました。 瑞稀はことねの目を見ます。 ことねの目は、優しくて、温かい瞳をしていました。 そして何より私のことを、まっすぐに見ていました。 もっと、ことねと仲良くなりたい。 そのとき、瑞稀はいい提案を思いつきました。


 「ねえ~ことねちゃん! 学校の部活決まってる? よかったら、私が創設する部活に入らない?」

 「いいね! どんな部活か当て見せるね! のんびり推活部でしょう!」


 正解と言わんばかりに、瑞稀は、ことねに抱きつくのでした。 


 

 『ようこそ! のんびり推活部へ』

 「ことねと、倉石! いつの間に仲良くなったの?」

 「ことね様! 今からでも、遅くありません! ここから離れましょう! 奴は腹黒です!」

 「男は俺だけか⋯⋯これが俗に言うハーレムなのか?」

 『そして、こちらが、顧問の今川先生で~す』

 「今川で〜す。 よろしく!」

 『みんなでのんびり、活動しようね~』


 瑞稀は笑いました。 作戦成功! 見事、部活を創設することに成功するのでした。




 

 

 「⋯⋯お嬢様、倉石瑞稀は、引き篭もりになったようです⋯⋯」

 「あらあら残念、せっかく面白いと思ったら、あっと言う間に終わったわね」


 夜の部屋で、いつものように鏡を見ながら応える、川端ことね。 以前より部屋が暗く感じるのは、気のせいなのか、それともーー

 

 「さて、邪魔者も居なくなったことだし、生徒会長の主任の挨拶でも考えましょか」


 すべては、彼女の思惑通りに進んで行くーー誰も彼女を止めることは、出来ないのだろうか?


 「⋯⋯うう⋯⋯舞香? ⋯⋯泣いてるの?」

 「⋯⋯お姉ちゃん? お姉ちゃん!」

 「⋯⋯頭が痛い! ここは⋯⋯病院?」

 「頭を打って、ずっと意識が戻らなかったんだよ! もう寂し思いをさせないで!」

 「舞香! ごめんね。 ⋯⋯もう大丈夫だから」


 今はまだ、目覚めたばかりの彼女が、川端ことねを倒す、宿命にあるのだが、それはまだ先の話。

 


 


 



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