2025/7/13
僕は旧知の偏差値が気になったので塾の先生へこっそり聞きに行くことにした。先生が応対している、高級寿司屋のカウンターみたいになってる応接室へ向かい、丁度よく受付を行っていた男の先生に質問する。
「あの」
「はい、なんですか」
「…」
「?なんのしつもん?」
ここで僕は気が付いた。友達の偏差値を聞いてもいいのだろうか、と。周りの目を鑑みて僕は早急に質問を取り換えることにした。
「夏休みっていつから始まりますかね…」
相手は怪訝そうな顔をして溜息をつき答えた。
「こりゃ首ぽき案件ですよ」
「首ぽき案件ですか…」
すると先生はおもむろに彼のポケットから筒状の何かを取り出した。それはゼンマイを回すと凹凸になって開いていく、牙みたいなアイテムで、彼は開閉させながら僕に向け、訳の分からないことを言った。
「ああ、いや、まだ生きたいんで…ハハ」
とうとう疲れて来た時チャイムが鳴ったので僕は直ぐに隣りの授業開始間もない教室に駆け込んだ
「はい、みんな。この授業で目が出るのは結構男の方が高いのよね、皆からオンゾかんじないの」
見るからにおばさんで薄汚い人間が教室中を練り歩きながら「オンゾ、オンゾよオンゾ」みたいなことをのたまわっている。女子はなぜか彼女に惚れこんでいるらしく、げんなりと俯いている人間もいた。あとオンゾってなんだよ、いうならオゾンだろ。そう思いながら僕はマックのホットパイをかじっていた。
「あ」
一人の女子生徒が不埒な音を漏らし、おばさんにターゲティングされてしまった。状況を見れば後ろの人のパイかすが己のパイに振ってしまったみたいだ。
「他人のパイの粉が降りかかったって食べるのよ、それが愛でしょう」
「あ、ああ・・・」
まあそんくらいはだれでもいけるだろ、ていうか授業をしろよこれ何の教科なの?
「別にあんくらいいけるよな」
「な」
僕は後ろにいる生徒に話しかけながら叱責されてる生徒の姿でパイをつまんだ。
女子生徒は悲愴感を漂わせながら自分のパイを食べていた。
「あ」
またも事件発生か、すると今度は本当に大惨事で、なんと生徒がポップコーン、コーラ、パイ、コーヒーをこぼしてしまったのである。(いや本当に授業中に何喰ってんの?)
「食え食え食え食え食え」
話し相手がぼそぼそそう語りかけて来たので失笑し、面白くなってきたのでそれに呼応していた。
「あれじゃエスプレッソしかないよな」
「…?」
急にそういってきたのでエスプレッソ 隠語をスマホで調べるために自分のぽっけをまさぐろうとした。
僕は宙を撫でる感覚を覚えた。
そこで目が覚めた