2025/7/10
薄暗く、錆油のこびり付いた汚い配管がとりとめもなく走っている路地裏。僕はどうやらそこで誰かと待ち合わせをしていたらしい。待ち合わせ場所は唯一光が差し込まれてあるゴミ集積場。蠅やら蛞蝓やらが集っていて嫌気がさしながらそこへ向かうと、満帆のビニール袋の山の中に、人間の足が生えていた。直観的にそれが相手なのだと諒解し、足首を掴んで引っ張ってやった。すると中からTシャツをベロンをめくって裸体を見せつけてる女が出て来た。
通行人も同様の格好で街を往来していたから、不思議だともリビドーも感じなかった。
「あなたのこと待ってたらゴミ箱の中に突っ込んじゃてって~」
いきなり話し出したものだからなんだこいつ、きもちわりいと思いながらニュアンスだけ聞き取っていた。
「だから私もうしこりがすごい出来てるの」
彼女はそういい右わきの側面を見せつけ、僕にどう?と尋ねた。なんとも思わなかったから取りあえず「ゴミ箱の中に入るのってなんだか暖かくって、お星さまも漸く自分の立ち位置が分かってきたって感じがするし、口角を上げたときの有給を発生させた方がいいんじゃない?」というありきたりな発言をすると彼女はくすくすと笑いだし、「それって蛙化現象じゃーん」と大阪人顔負けの見事なツッコミを返してくれた。「本当に頭悪いんだね、可哀そう」といってお互い路地裏の日向でコロコロ笑いあった。
そこで目が覚めた