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2025/6/2
とある授業で美術の先生が「あなたの将来の夢をこの板に張っていきましょう」といった。
皆が夢を晒したくないそうだったので、『夢板』には、一斉に夢を張ることにした。
僕は適当な夢を描いて『夢板』に張っていく。
途中で先生が興味深そうにコメントした。
「あら、漫画家になりたいって人がいるね」
そこで黒崎という現実にはいない人が
「それの何が悪いんですか!」
と叫んだ。
彼はみんなからの視線を一斉に集めて、たちまち嗤い者へと成っていった。
彼は頭を抱えてアッと言って、それもまた嗤われていた。
僕は彼を見て今までない以上に恐怖していた。自分の夢も白日の下にさらされれば気ちがいとして嘲笑されてしまうのだ、と。