9.お揃いの物(ペア)2
移動途中、黒子とスペアード氏はこんな会話をしていた。
「そういえば黒子さんは気術というものを知っていますか?」
「いや、知りませんね。」
「昔、無能力者が能力者に対抗するために編み出した術のようなものらしいです。」
「へぇ、でその気術とやらがどうかしたんですか?」
「黒子さんの能力ってあまり戦闘向きじゃあないじゃあないですか。」
「たしかにそうですね。」
「それでその気術を極めた人が知り合いにいるんですがよかったら紹介しましょうか?」
「この事件が無事に解決した後是非お願いします。」
「それでは後でその人に連絡しておきますので日時が決まり次第連絡します。」
「助かります。」
そんな会話をしている間に黒子たちは事件現場に着いた。
「そういえばスペアードさんの能力はなんでしたっけ?」
「私の能力は『発火能力』です。小さな炎程度なら生み出すことができます。」
そのときある警察官が話しかけてきた。
「Hi スペアード」
「呼ばれたのでちょっと行ってきます。」そう言いスペアード氏は家の中へと入っていった。その間、特にやることがなかった黒子は気術について少し調べていた。
「ふーん、特殊な呼吸法を使って編み出した精神エネルギーねぇ。なんか胡散臭く見えてきたなぁ。」
ここで少し黒子とスペアード氏の関係について解説しよう。スペアード氏は黒子の父親の友達であり黒子とは昔から付き合いがあるのだ。これにて説明終了。
「お待たせしました黒子さん」
「なにかあったんですか?」
「はい、実は犯人が分かったんです。」
「それはよかったですね。」
「分かったまではよかったんですが、その人の能力が少し厄介でして黒子さんにも手伝ってほしいんです。」
「ちなみにその人の能力はなんですか?」
「『宝物』というものでして、対象の大事な物の片方だけを消す能力なんですよ。」
「つまりあの老夫婦は臓器を半分消されたからああいう死体になったってことですね。いいでしょう私も手伝います。」
「ありがとうございます。」




