8.お揃いの物(ペア)1
夢を見ていた。昔の夢だ。弟『影野 盤人』がまだ、この世にいたときの夢だ。
「にいちゃん!遊ぼ!」
「なにをするんだ?」
「トランプ!」
「いいけど僕に触るのはなしだぞ。」
「えーなんでー。」
「そんなの盤人が『記憶確認』を使うからに決まってるだろう?」
「えーだめー?」
「だめに決まってるだろう?男なら能力を使わずに勝負しなさい。」
「はーい。」
そこで黒子の目が覚めた。携帯を見ると一通のメールがきていた。内容はこうだ。
影野黒子殿へ
夜遅くに失礼します。
実はアメリカで殺人事件が起きまして、その事件が普通ではないので解決していただきたいのでよろしくお願いします。
報酬は10万ドルです。
黒子はすぐにアメリカへ行く準備をした。
そうして黒子はアメリカに着いた。
「ここがアメリカか。」
すると一人の男が黒子に話しかけてきた。
「Hello 黒子さん。アメリカへようこそ。」
「こんにちは、あなたが今回の依頼人ですか?」
「はい、私は『スペアード・ジェイムズ』です。」
「さっそくですが事件の内容をお聞きしたいのですがよろしいでしょうか?」
「はい、実は、」
事件の内容はこうだ。ある民家に住んでいる老夫婦の死体が三日前に発見されたがその死体には肺が一つづつしかなかった。しかも肺だけでなく人体に二個づつある部位の片方だけがなくなっていたらしい。
「すごく不思議なんです。解剖した痕がないのに肺や目などが片方なくなっていたんですから。」
「その老夫婦の能力とかってわかります?」
「はい、夫の方は『空間移動』婦人の方は『身体能力強化』です。」
「その能力じゃあ自滅は無理か。自滅するにしろ理由がないだろうしどうしようかな。」
「やはり能力者の仕業でしょうか?」
「そうと考えていいと思いますよ。」
「とりあえず現場に向かいましょう。」
黒子たちはその事件の現場へと向かった。




