50.綺羅万のレッスンその2
次の日、寺に、一人の子供がやってきた。
万がそのことに気づき、子供に近づいた。
「よくきたね。陽田萱君。」
「久しぶりですね。万さん。頂上戦争ぶりですか?」
「そうだね。」
「さっそく本題に入りましょう。」
「そうだね。実はね僕の弟子と戦って欲しいんだよね。」
陽田萱は少し考えた。
「なぜ僕なんですか?あまり僕の能力は戦闘向きではありませんよ?」
「だからいいのさ。その能力がいいんだ。」
「報酬は?」
「報酬?」
万は電卓を取り出し、陽田萱に見せた。
「このくらい?」
「一、十、百、千、万、………よし、乗った。」
「じゃあよろしくね。」
「ああ、任せろ。」
その日は、各々が思い通りに過ごした。
次の日、スペアードと銀之助は万に詰め寄っていた。
「なんで僕たちに戦わせてくれないんですか!?」
「そうだ!ふざけんな!」
万は頭をぽりぽりとかいた。
「陽田萱く〜ん。おいで〜。」
すると、奥から陽田萱が歩いてきた。
「どうも、陽田萱 健斗です。」
「なんだぁ!?テメェ!」
「だから、陽田萱 健斗です。」
「そーゆーことを聞いてるんじゃあねぇ!テメェは何者だって聞いてるんだ!」
陽田萱は首を傾げた。
万は三人を無視して話し始めた。
「陽田萱君相手に二対一で勝てたら、黒子君と戦わせてあげるよ。」
「は?二対一?」
「そんなの簡単に勝ってやります!」
「じゃあ、やってみな。はじめ。」
銀之助は陽田萱に突進した。
「はぁ、『反転之盃』」
三分後。
「はぁはぁ。」
「はぁはぁ、…クソ!」
銀之助とスペアードは倒れていた。
「この程度か、お前たちは。」
陽田萱はたった三分で銀之助とスペアードを倒したのだ。
「そうだな、俺の能力、『反転之盃』の能力を教えてやろう。」
「一体なんなんだ。…その能力は。」
銀之助は聞いた。
「この能力は、対象の生物の五感に干渉し、距離感覚や手の感覚までも狂わせる能力。」
「五感を…狂わせる?」
スペアードは驚いた。




