49.綺羅万のレッスンその2
万は寺に戻り、ポケットからスマホを取り出して、ある人に電話をした。
「もしもし、天子ちゃん。」
『はい、なんでしょう。』
「ありがとうねー、能力を使ってくれて。」
『いえ、あの方が死んだままですと、こちらにも支障が出ますのでね。』
「あれ?なんかあったっけ?」
『はい、…だって、あの人だけですもの、地球と第二の地球を行き来できる人間は。』
「他にも理由があるじゃないの?」
『まぁ、…そうですね。………茜さんを生き返させるには、第二の地球でしか出来ないですしね。今の目的は、第二の地球に残された魂の解放をしなければならないのです。』
「なるほどね。そのために、あいつが必要だったんだね。」
『はい。』
「第二の地球を壊すには、あいつほどの実力者が必要だからね。」
『はい、…話は変わるんですが、黒子君は今どうなってるんですか?…万さんに弟子入りしたと聞いたんですが?』
「ああ、今のところ、レッスン2だよ。」
『あのレッスン、まだやってるんですね。』
「うん、あのレッスンを受けさせるのが一番手っ取り早いからね。」
『はぁ、………あ、呼ばれたので、電話切りますね。』
「うん、わかった。」
『それでは、失礼します。』
「はいはい。」
そう言って、万は電話を切った。
「さてと、こっちの仕事も進めるかねー。」
万は銀之助と、スペアードを呼んだ。
「どうしたんですか?万さん。」
「おい!いつ黒子と戦わせてくれるんだよ!!」
「明後日だよ。」
「で?………万さんはなぜ僕たちを呼んだんですか?」
「ああ、そうだね。………実はね、彼を生き返らせたんだよ。」
「彼って、あの人ですか?」
「うん。」
「だからなんだって言うんだよ!!」
「君達には、黒子君をボコボコにしてほしいんだ。」
二人はポカンとした。
「最初からそのつもりですが?」
「ああ、最初からな。」
「………ならいいんだけどね。………もう戻ってもいいよ。…ゆっくり休んでね。」
銀之助とスペアードは自室に戻った。
「どうしたものかねぇ。あの様子じゃあ黒子君を完全に舐めきっている。…このままでは、いけないよなぁ。」
万はスマホを取り出した。
「仕方ない、あいつに頼んでみるか。」




