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45.綺羅万のレッスンその2

 黒子は畳の上で目を覚ました。

「おお、黒子、起きたか。」

「ここは、」

「寺だよ。」

 そこには万が立っていた。

「日本一周お疲れ様。」

「いや、あれはもう一周じゃあなくて、日本大陸横断しただけじゃあないですか。」

「細かいことはいいじゃない。」

「はぁ、………そういえばかおりはどこに?」

「…?隣で寝とるじゃないか。」

「…え?」

 万が言った通り、かおりは黒子の横ですやすや眠っていた。

「そうとう疲れてたんだろうね。」

 黒子はゆっくり起き上がった。

「そうそう、黒子君、能力を覚醒させたんだろう?」

「はい。」

「それじゃあ、次の修業、レッスン2に入ろう。」

「今すぐですか?」

「いや、流石に少し間は空けるよ。」

「で、その内容は………」

「ある人達と戦ってもらうよ。」

「ある人?」

「入っといで。」

 寺に一人入ってきた。

「あんたは!」

 黒子が戦ったはずの黒ずくめの男が入ってきた。

 黒子は戦闘体制に入った。

「待て待て、黒子君。こいつは味方だよ。」

 黒ずくめの男は被っていたフードをとった。

「久しぶりです。黒子さん。」

 フードをとった男の正体は、スペアードだった。

「スペアード…さん?」

「すみません。黒子さん、騙すような真似をして。」

「それともう一人、入っといで。」

 もう一人入ってきた。

「よお、黒子ォォ、借りを返しに来たぜェェ。」

「お前は!銀之助!」

 入ってきたのはレッスン1の最後に黒子を追い詰めた銀之助だった。

「まさか、この二人とやるんですか?」

「うん、そうだよ。レッスン2の内容はこの二人に能力なしで勝つことだよ。」

「………能力なしですか?」

「うん、能力なしね。」

「嘘…ですよね?」

 万は無視して話を続けた。

「ルールは簡単、先にギブって言った方の負け。試合開始は二日後だよ。それまで準備しといてねー。それじゃあ解散。」

 黒子はしばらくその場から動かなかった。

 黒子が動き始めたのはかおりが起きてからのことだった。

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