39.綺羅万のレッスンその1(good luckとbad luckのバランス)2
(なんなんだ?この感覚は。まるで今まで受けてきた幸運の分の不幸が一気に降りてくるような感覚だ。)
次の瞬間、急に地面が揺れ出した。
「…!?じ、地震?」
「そうっぽいなぁ。」
そして、その地震により、棚の上にあった木箱がかおりの足に落ちた。
「いったぁぁぁあ!!」
「うっわ、痛そー。大丈夫?」
かおりはうずくまった。
「大丈夫なわけないじゃあないですかぁ。」
「いやぁ、たまたま落ちてきた木箱の角が足に当たるなんて、お前、かなり不幸だなぁ。」
黒子は落ちている木箱を持ち上げた。
その木箱は意外とガッチリしていてちょっとやそっとじゃあ壊れないようになっていた。
「中身はなにが入っているんだぁ?」
黒子は木箱のロックを解除して開けてみた。
すると、「なんだぁ?こりゃあ?」なにも入っていなかった。
すると急に部屋の扉が開いた。
「開けたなぁ?…ククク。その箱をぉぉ!」
「なんだぁ!?てめぇ!勝手に入ってきやがってよぉ!」
「お前はその箱を開けたんだろぉぉ?…その箱はなぁぁぁ!不幸が詰まった箱なんだぁぁ。」
「不幸が詰まった箱だとぉ?」
「そうだぁ。どんなに些細な幸運にだってなぁ。それに伴った不幸が降りてくる。その幸運が大けりゃ大きいほどに降り注ぐ不幸も多くなる。必ずだ。これが、この世界の条理なんだゼェぇ?」
「だからってこの箱がなんだってゆうんだ。」
「ククク、その木箱は俺の能力さぁ。俺の能力、『禍』はなぁ。対象者の運に見合った不幸を木箱の中に入れ対象者の近くに現れることができる能力なんだぁ。だからヨォ?今からお前が受けてきた幸運に見合った不幸が降りてくる。」
「話なげぇよ。」
「じゃあもっとわかりやすく言おう。今からお前にどんなことが起こるかはわからない。だが、必ずお前に不幸が降りてくる。必ずだ。そして、君の運が悪ければ、最悪………君を殺す。」




