33.綺羅万のレッスンその1(世界で最も遅い一日)3
「『完全なる能力倉庫』『守護』」
黒子は男が撃ってきた弾をバリアで防いだ。
黒子は後ろで寝てるかおりを見た。
(こいつ、まだ寝てんのかよ。)
「まだまだ、『遅延』」
次は三発、黒子に撃ってきた。
「クソ、『完全なる能力倉庫』『空間移動』!」
黒子がテレポートしようとしたとき男がニヤリと笑った。
「テレポートしていいのかい?…後ろの寝てる子に当たってしまうぞ?」
「ちっ…てめぇ…卑怯だぞ!」
「卑怯で結構さ。卑怯でなくっちゃあ、悪人じゃあないよな。」
男はニヤッと笑った。
「正しく生きよう。…悪人は悪人らしく黒に染まる。…さぁ、君はどうやってこのゲームをクリアする?」
「『完全なる能力倉庫』『守護』」
黒子はバリアで弾を防いだ。
攻略法?あるわけないだろう。
つまり、詰みだ。
「いや、違うな。」
「…?…どうしたぁ?…貴様が詰みとゆうことを理解したかぁ?」
「いや、一つだけだ。…一つだけ攻略法がある。」
「ほう、やってみるがいいさ。」
黒子は気を体全体に溜めた。
「いくぞ!『フラッシュ』!」
「………ぐっ!?」
黒子は眩い光に包まれた。
そして、黒子は右手の人差し指に気を溜めた。
そして、
「くらえ!『螺旋砲』!」
黒子が放った螺旋砲は男の足を貫いた。
「ぐっ…だが、これくらいじゃあ死なないぞ。」
男は銃を構えた。
「『遅延』!」
男が能力を発動しようとしたとき、なにかが起こった。
「…ぐっ!………?…なん…だ?…いったい…なにが…起こったのだ?」
男が黒子のように地べたに倒れたのだ。
「さぁ、そこの女、能力を解除しな。しなけりゃあお前たちに勝ち目はないぜ?」
「どうゆう…こと?」
「お前の能力、『虫病』は、傷口から入る。つまり、そこの男の足を傷つければその傷にもウイルスは入り込んでいくってことだ。」
「あ…ああ。」
少女は膝から崩れ落ちた。
それもそうだ。
能力を解除すれば黒子が動く。かといって能力を解除しなければ、今動けない男が動けない以上攻撃手段がない。
つまり、詰みなのだ。
少女がとった行動は。
「『虫病』『解除』」




