24.綺羅万のレッスンその1(影のない男)1
吹き飛ばされた黒子たちは今空中にいた。
「あんのクソジジイ急にぶっ飛ばしやがって。」
横を見るとかおりも一緒に飛んでいた。
「はぁ、仕方ない。『能力倉庫』『守護』ほら、かおりもバリアを張れ。」
「あ、はい。『守護』」
二人はいっきに地上へと落下した。
「ふぅ、なんとかなったな。」
「ここはいったいどこなんですか?」
「さぁ、どこなんだろうな。」
ええ、とかおりは辺りを見渡した。
「あ、そうだかおり、携帯持ってるか?」
「あ、はい。持ってます。」
「ならそれで探してくれないか?」
「ちょっと待ってくださいねぇ。」
かおりが調べているうちに黒子は周りを見渡した。
(周りが海に囲まれているのか?しっかし、すごく暑いな。)
「あ、わかりましたよ。」
「で?どこなんだ?」
「ここは、沖縄ですね。」
「沖縄かぁ、ん?…沖縄?」
「はい、沖縄です。」
どうやらここは沖縄らしい。
黒子はため息をついた。
「とりあえず人がいないか探そう。」
「はい。」
すると物陰から声が聞こえてきた。
「オマエガ、カゲノクロコカ。」
「…?!誰だお前は、どうして僕の名を。」
その声の主が物陰から出てきた。
「オレカァ、オレハナァ。」
そう言いそいつはにっと笑った。
「オレハ、カゲダ。」
そいつは黒かった人型をした真っ黒な人間と言っていいのか分からないやつだった。
そしてそいつには影が無かったのだ。
「クックックッ、キサマノイノチヲイタダクゾ!」
そう言いそいつは黒子の影に触れた。
そのときそいつがいた場所からもう一人出てきた。
「くっくっくっ、触れられちまったなぁ。俺の影にお前の影が!!」
そいつは高笑いをしていた。
「俺の名は西崎 悠人!能力は『影を統べる者』触れた影を操ることができる。」




