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16.気術を継ぐ者1

 このような修行を一日も休むことなく行なっていた。

 そんなこんなで一ヶ月が経とうとしたある日のこと、万が黒子とかおりに修行内容を増やすと言ってこんなことを言った。

「二人とも波動砲が撃てるようになったようだからね、この島で一番大きなこの岩を波動砲で砕いてみな。これが最後の修行だよ。」

 黒子はその岩に向かって波動砲を撃っただが岩はびくともしなかった。

 次にかおりが撃ってみたが黒子と同じようにびくともしなかった。

「そんなんじゃあだめだよ。岩に傷一つすらついてないじゃあないか。」と、万は嫌味を込めながら言った。 

 結局その日は岩に傷一つつけることもできなかった。

 その夜、万からこんな話があった。

「そういえば黒子よ、『神能力』というのは知っているかね?」

「いや知らないです。」

「そうか、神能力はね、この世に五つ存在していてその一つ一つが桁違いに強いんだ。まぁ今までに一人しか実在したことはないけど。その五つの能力、全てを手に入れた男がいてね。その男は神すらも敵わぬ最強の能力を手に入れたって話があるんだ。」

「おとぎ話ですか?」

「いや、違う実際にその神能力を持つ者に会ったことがあるからね。たしか能力は、『復活の祈り』だったね。その名の通り死んだ者を生き返らせることができるらしいんだよね。でもその分の生贄が必要らしい。」

「物騒な能力ですね。」

「まぁ、バランスをとるために神が設定したんだろう。

「急にメタ発言するのやめてもらっていいですか?」

 次の日、また黒子とかおりは岩を破壊するために波動砲を撃ちまくっていた。

 今日はひどい雨だった。

 だが、修行は続いていた。

 そこで、黒子はあることを思いついた。

「もしかしたらもっと密度を高めれば貫通できるんじゃあないか?」

 さっそく黒子は右手の人差し指に気を溜め始めた。

 その力は徐々に増していき最終的には黒子が抑えきれないほどの力になった。

「ぐっ!」

 黒子はとうとう我慢しきれず溜めていた気を天に放った。

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