表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【邪祓師の腹痛さん一巻】@富士見L文庫より発売中  作者: 深川我無@書籍発売中
水鏡案件 その壱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/91

旅館③

「さささ! 善は急げです! 先生! かなめちゃん! さっそく出発しましょう!!」

 

 

 かなめは上機嫌で事務所のロッカーに向かい、大きなバッグに着替えを詰めると、洗面所に歯ブラシとタオルを取りに向かった。

 

 

 

「おい!! なんでお前の私物が事務所にあふれてるんだ!?」

 

 

 卜部もかなめの後を追うようにロッカー、洗面台と順に巡って旅支度を整えていく。

 

 

「この前みたいに怪異が家に現れたら事務所に泊まらないといけないじゃないですか!! そのために備えておいたのがこんな形で役に立ってラッキーです!!」

 


「なにが泊まらないといけないだ!? ホテルでもなんでも泊まればいいだろうが!!」

 

 

「怪異に憑かれてるのに独りでホテルなんて怖すぎます!! その点この事務所なら安心です!!」

 

 

 

 そう言い終えるとかなめはスーツの上から紺地に白袖のスタジアムジャンパーを羽織りキャップを被って扉の前に立った。準備万端である。

 


 卜部はそんなかなめを恨めしそうに睨んで壁に掛けられたベージュのロングコートを引っ掴んで扉を押し開ける。

 

 

 

 

 三人が雑居ビルを出ると、ハイラックスの助手席から独りの女性が降りてきて深々と頭を下げた。

 

「卜部先生。この度は水鏡のわがままを聞いてくださりまことにありがとうございます」

 

 女性は背が高くスレンダーでまるでモデルのようだった。それだけでも見惚れるような美人だったが、かなめはその豊満なバストに目が釘付けになった。黒のパンツスーツ姿がそのバストをさらに凶悪なモノにしている……

 

 

「はじめまして。万亀山(まきやま)かなめです」

 

 かなめは一抹の不安を振り払うように笑顔で挨拶した。

 

「申し遅れました。わたくし水鏡の秘書をしております。冴木翡翠(さえきひすい)と申します」

 

 

「冴木くんはとても優秀な秘書なんだよ! ところでかなめちゃんも気が向いたら僕の助手に……アタタタタ!!」

 

 水鏡がいやらしい表情でそう言いかけると翡翠がヒールの先で水鏡の足を踏んで黙らせた。

 

「水鏡の無礼をおゆるしください。節操のない豚でまことに申し訳ありません」

 


 かなめはそれを見て吹き出して言った。

 


「よかった!! 冴木さんとは仲良くなれそうです!!」

 

 

「私のことは翡翠とお呼びください」

 

 そう言って翡翠もにっこりと微笑んだ。

 

 

「じゃあ翡翠さんで!!」

 


 

 かなめと翡翠が意気投合しているのをよそに、卜部はそそくさと荷物をトランクに詰めて、すでに車に乗りこんでいた。

 

 「おい!! いつまでやってる!? さっさと出発しろ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ