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201  作者: Nora_
10/10

10

「おはようございます」

「朝か……」


 壁に掛けてある時計を見てみたら十時で寝すぎてしまったことがすぐに分かった、なんとなく真乃の顔が冷たい感じがするのもそういうことだろう。

 だが、依然として夏休みではあるが今日は特に約束なんかもしていなかったから相棒の顔をついついじっと見てしまった。


「……じっと見すぎですよ」

「今日はどうしたんだ?」

「早穂さんがお昼から遊びたいそうなのでそれなら晴樹さんのお家に行っておいた方が楽になるかなと思いまして」

「そうか、顔を洗ってくるから部屋で待っていてくれ」


 小学生の頃となにも変わっていないことに喜べばいいのか不安になればいいのか、まあ元気でいてくれているということだから喜んでおけばいいか。


「ただい――」

「ちゃ、ちゃんとノックをしてから入ってきてくださいよ」

「いや、俺の部屋なんだが……」


 というか、ただベッドの端に座っていたというだけなのに慌てすぎだ。


「はぁ、晴樹さんのせいで心臓が大暴れしてします」

「もう付き合っているんだから臭くないなら自由にしてくれればいいぞ」

「もう、それだと変態さんみたいじゃないですか、それにもし自由にしていいということなら本人に触れて過ごしますよ」

「じゃあはい、来いよ」


 相手に言われて動くのは嫌なのか「たまには晴樹さんからしてきてくださいよ」と不満気な彼女だったからそれならとしておいた。

 遠慮しているとかできないということでもなく、俺が積極的に抱きしめたりするような人間ではないというだけの話と言える。


「早穂さん、ここで何回ぐらい寝ました?」

「泊まることも多かったから二十回ぐらいだな、あ、全部小学生のときの話だぞ。早穂、中学からは部活で疲れているのもあってか『遠いから嫌だ』としか言ってこなかったからさ」


 敢えて同性の名前を出していくのは色々と潰していくことで安心したいからだろうか、別に心配をしなくてもアピールをしていたりするわけではないのだが。


「もちろんベッドと床別々で、ですよね?」

「いや? 小学生のときにいちいちそんなことを気にしないだろ」

「……やっぱり早穂さんが怖いです」

「俺や真乃からすれば最初から怖くない存在だろ」


 長く一緒にいれば俺がどういう人間なのかを知ることができるわけで、彼女だってそれを満たしているわけだから問題ないと分かるはずだ。


「もし俺がふらふらしていたらつねったりして引っ張り戻せばいい」

「分かりました」

「ま、そんなことはしないがな、だって真乃が俺の彼女なんだからさ」


 こうしてはっきりしていけば多少はマシになると思いたい。


「重ねられると駄目な男の子感が凄くなりますね」

「あ、おいっ」

「ふふ、冗談ですよ」

「質が悪いなおい……」


 でも、それぐらいの方がいいか。

 不安そうな顔なんかよりも笑みを浮かべてくれている方が間違いなくよかった。

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