プロローグ
初執筆初投稿になります。大まかな流れは決まっているのですが基本的にその場その場の思い付きで書いております。大目に見てくださるとありがたいです。
胸を貫かれる。
「かはっ」
圧迫された肺から空気とともに血を吐き出す。
ゆっくりと胸に突き刺さる剣が引き抜かれうつ伏せに倒れこむ。
傷口が熱くなるとともに、体の末端から熱が段々と冷めていくのを感じる。体に力が入らず視界が徐々ににじみ始める。
あぁ、もう死ぬのか……
朦朧とする頭は不思議と冷静で、死の間際だというのにそこには後悔も不満もましてや死から抗う意思もなく、ただただ死ぬという事実のみが残っていた。
意識はそこで途切れた。
Side ????
「また失敗ですか……」
白衣の女性が少しの落胆と悲しみの表情を浮かべる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛も゛う゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
彼女は先ほどの表情とは裏腹に突然奇声を上げ、腰まで届くような長い黒髪をかき乱す。
眼もとにある黒い隈のせいかとてもやつれて見える。
「落ち着いてください博士。まだ時間はあります」
少し遠巻きに見ていた彼女の部下に声を掛けられ、理性を取り戻すために胸に手を当て深く息をする。
「ごめんなさい、少し取り乱しました。そうですね、まだチャンスはあります。次こそは」
彼女は乱れた髪を軽く整え、部下のほうへ向き直り指示を出す。
「今回の実験は失敗しました。それぞれの担当を終了させ、次の実験の準備を始めてください。また解析班は今回の実験の意見や失敗理由ついて会議し対策を用意してください。私も後始末をした後に参加するので、先に彼女を呼び起こして会議を進めておいてください」
彼女の指示をもとに部下が動き出す。さすが人類の粋を集めた研究機関、その行動は早い。次々と持ち場に戻り、そこには彼女だけが残る。ただ彼女も地に伏す男をモニター越しに一瞥し軽くため息をつくと画面を消し、踵を返してその場を去っていった。
Side out
ここには作者のちょっとした小話や世界観や登場人物の設定などを気まぐれで書いていこうと思います。気を付けますがもしかしたらネタバレを含んでしまうかもしれないのでその際はご容赦ください。
早速小話になりますが、今回はプロローグ(序章)というよりは伏線張りみたいな内容になってしまいました。小説書くのって難しですね。