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第三十八話 街の領主

連載を再開させて頂きます。


不定期連載ですので、気長にお付き合いください。


 エミリーと買い取り屋さんから、お父さんの話を聞いた翌日。


 学校に登校すると、何か少し騒がしい感じになっていた。


 新しいアップデートでもされたのかな?


 教室に入ると、優がわたしを見つけて、こっちこっちと手招きしている。


「砂緒ちゃん!」


「どうしたの?」


 優は基本的に早く登校しているので、こういう時の情報が早い。


 用もないのに男子が話し掛けてくるので、噂なんかも詳しかった。


「大変なんだよ、オーブの使い方がわかっちゃったの!」


 オーブとは、そのフロアのボスを倒すと宝箱からゲットできる、用途不明のアイテムだった。


 わたしも優も、いくつか所持している。


 それで、教室の後ろの方でコソコソしていたのか。


 持っていると知られれば、売って欲しいとか情報が欲しいとか、色々言われてしまうからね。


「オーブは何に使うの?」


「街の領主になれるんだって!」


「へぇ、そうなんだ」


 そういう方向で来たのか。


 内政とかもできるようなら、やりたい人もいるだろう。


 わたしは、あんまりピンと来ないけど。


「もっと慌てて! 私たち持ってるでしょ!」


「そうなんだけど、なんか、良くわからなくって」


 でも、騒ぎになってるってことは、話題性があるんだろう。


 実際に領主になった人が、動画を上げているとかもありそうだ。


「海底転神殿のボスと、怖い村のボスを倒したでしょ?」


「うん、そうだね」


 その他に、最下層のボスも倒しているけれど、優には言っていない。


 エミリーにも知られちゃったし、優にも言って街を案内しようかな。


「オーブの色で、領主になれる街が違うらしいんだけど、NPCから税金がもらえて、ドロップとかプレイヤーの取引した金額とかにも税金を掛けられるらしいよ!」


「なんか面白そうだね」


「でしょう? なんかワクワクしてきた!」


「でも、領主になったら面倒とか無いのかな?」


 何か仕事をしなくちゃいけないとか、ありそう。


「さぁ、その辺りは良くわからないけど……」


「領主になれるのは街なの?」


「そのフロアらしいよ、わたしどこにしようかな。砂緒ちゃんはどうするの?」


「うーん……」


 ドロップ品に税金を掛けられるなら、人気狩り場がいいだろう。


 安定した値で売れる採取品のある海マップもそうだ。


「取りあえず、エミリーと三人で海MAPの領主をしてみようか」


「エミリーちゃん来られるの? 忙しいって言ってたけど」


「大丈夫らしいよ、今日は来るって言ってた」


「よかった、放課後が楽しみー」


 そこで、先生が教室に入ってきた。


「席に着けー」


 ホームルームの時間だ。


 わたし達は席について、この話は一旦中止となった。


 放課後、二人で部屋をとってログインする。


 マイルームから掲示板を見てみると、オーブ買いますがたくさん出ていた。


 どんどん進んでいる強いパーティーは、オーブが余っているんだろうか?


 値段によっては売るのもいいかも知れない。


 そう思いながらも、わたしは海マップの孤島にポータルした。


「おはようー、砂緒ちゃん」


「おはよう、エミリーはいないのかな?」


「あっ、エミリーちゃんだ」


 村の方から歩いてくるエミリーが見えた。


 わたし達も、そちらに向かって歩いていく。


「おはよウ、ユウ、スナオ」


「おはよー」


「おはよう」


 昨日、エミリーからお父さんの話を聞いちゃったから、なんか変な感じだったけど、実際に会ってみるといつも通りだ。


 深いことを考えているのかも知れないけれど、態度には出ていない。


「エミリーちゃん知ってる? オーブの使い方がわかったんだって」


「聞いてるヨ、多分、アップデートがあったんだろうネ」


「元々あった機能じゃないてこと?」


「そうだネ、この世界は日々アップデートされているかラ」


「そうだったんだー」


 アップデートもメンテナンスもないゲームだけど、密かに、そうやって何か弄っているんだろう。


 アップデート予告とかないから、全部手探りなのは、良いことなのか悪いことなのか……。


「オーブ売っちゃうのも手だよね」


「えー、せっかくだから使ってみようよ」


「多分、今が一番オーブが高く売れるときだと思うんだよ」


「まぁ、そうだネ、それ程価値がないオーブもあるだろうから、そういうのを高く売るにはいいんだけド、価値のある物だと損するかも知れないヨ」


「そうだね、海マップのオーブは、使った方がお得だと思う。多分、かなりの確率で」


「ここの採取品高いもんねー、地道に稼ぐのが好きな人とかは、結構いるんじゃないかなー」


「海マップのボスを倒したときのオーブは、ここで使えるんだよネ」


 でも、三人で使ったらどうなるんだろう?


 メリットもデメリットも三等分なのかな?


「使い方はどうするの?」


「オーブを出して、<セグメント>って唱えるんだって」


「そうなんだ」


 こんなこと、わかるはずない。


 それとも、たまたま誰かが使ったのかな?


「セグメントってことは、やっぱり分割されるんだネ」


「じゃあ、やってみようか」


「「「セグメント」」」


 わたし達は、オーブを使った。


本日は三話アップします。


よろしくお願いします!

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