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第百二十五話 神様みたいなボス


 レッドギルドの援軍が、走ってくる。


 数は同数か、ややこちらが不利くらいだろう。


 あとは、泥沼の戦いだ。


「援護射撃だーっ!」


 壁の上で、アンドレアさんが指揮を執っている。


 名塚さんが上で、アンドレアさんが下にいた方がいいと思うんだけど、人生はままならない。


 そういう事情はともかく、戦端が切り結ばれた。


 壁の上から援護がある分、ちょっとこっちが有利かな?


 相手の後衛は、いまいち戦況が見えないだろう。


 弓みたいに放物線を描く攻撃なら、上に撃てばいいけど、魔法だとそのままどこかに行ってしまいそうだ。


「さて」


 せっかく相手が密集してくれているんだから、今のうちに魔法を使おう。


 やっぱり、フォールダウンかな?


 闇の精霊いる?


 レッドプレイヤーの真上でフォールダウンしようと考えていると、すごい雷が落ちてきた。


「うわっ!」


 心臓が飛び出そうなほどびっくりする。


 魔法!?


 被害は出ていないみたいだけど……。


 すると、雷が落ちたところから、ギリシャ神話の神様みたいな、巨大な人型のモンスターが現れた。


 これはすごい。


 相当な強さだろう。


「…………」


 そうか……今この砦に10000人くらい集まっているから、滅茶苦茶強いモンスターが現れてしまったんだ。


 これは厳しいんじゃないだろうか?


 撤退も視野かな?


 すると、冷静だと思っていたエミリーの声が聞こえる。


「あれを倒せば、すごいお宝が手に入るヨ!」


 え、なに言ってるの?


 まぁ、確かに手に入るだろうけど……。


「よし、ボスを倒すぞー!」


 アシステルさんの声だ。


 えええ、ホントにぃ!?


「なに言ってるんですか! 蒼天騎士団を……ぶふふっ!」


 おじさんの声も聞こえたけど、それは闇に葬られたようだった。


 そして、ふたつのギルドは戸惑いながらも、神様っぽいボスに攻撃していった。





「足引っ張るんじゃネーぞ、プレーンが!」


「お前達の力なんていらん! さっさとくたばれ!」


「そうです! 正義の力は! わっわわっ!?」


 名塚さんがなにか言っているけれども、人の波に押し流された。


 今はややこしくなるから、名塚さんとおじさんは大人しくしてて欲しい。


「砂緒ちゃん! 私たちも行こう!」


 優のいる壁まで浮いて、その身体を受け止める。


「じゃあ、下りるよ」


「うんっ!」


 わたしは、優を抱きかかえて、壁から飛び降りた。


「わわっ!」


 ウイングブーツの効果で空を飛べるから安心だ。


 痛くないように、ふわっと着地する。


「ナンムダラハチャムケウヌラ」


 ボスが何か言いながら、手に持った杖をなぎ払った。


 雷を纏った攻撃で、近くにいた100人くらいが吹き飛ばされる。


「回復しないと! 砂緒ちゃんも頑張って!」


「う、うん、優も気をつけて」


 さて、そう言われてもなぁ。


 人がいっぱいで近寄れない。


 ボスは割と動くので、ヘイト管理はできていない感じだった。


 あっちに動いて蒼天騎士団を吹き飛ばし、こっちに動いてレッドプレイヤーを踏みつぶす。


 大ダメージを与えれば、ヘイトが向くかな?


 よし、ものは試しだ、やってみよう。


「<ヘイスト>」


「<エレメンタルポテンシャル>」


「<ディバインコロナ>」


 巨大な炎が神様に当たるけれども、ヘイトを向かせることはできなかった。


「うーん」


 よし、接近戦だ。


 ウイングブーツの効果で空を飛びながら、ボスの顔の前に行く。


「ギルマスだー!」


「ギルマスだぞー!」


 また、士気が上がっているようだ。


 わたしに、士気小アップみたいな効果が付いてるみたいだった。


「あれ?」


 そこで歌が聞こえてくる。


 バードのスキルかな?


 なんだか、身体が熱くたぎってきた。


 バードのスキルを持っている人が一緒に歌い始める。


 声が段々大きくなってきた。


 そして、バードじゃない人も、ハミングして歌に合わせている。


 初めは、蒼天騎士団の人が歌っていたけれども、今は、レッドプレイヤーの人も、口ずさんでいるようだった。


 ものすごいバフ効果だ。


 しかも、これが全員にかかっているんだ。


 人が集まる前提なら、バードすごいかも?


「ウンヌラハマクサハンムナナイマイ」


 ボスが杖を振ってくる。


 相変わらず、なにかしゃべっているのが怖い。


 わたしは空中で、その攻撃を避けた。


 どうやら、顔の前にいるとヘイトを取れるようだ。


 わたしは、神様の頭の上に乗って攻撃する。


「<グランディア>」


「グンムァァァァアッッ!」


 痛いのか、わたしを叩きつぶすように、自分の手で頭を叩いてくる。


 わたしがそれを避けると、当然、自分でダメージを受けていた。


「<クアドラブルエアブレード>」


 その手に連撃を見舞う。


 また攻撃が来るだろうから、そこから少し離れた。


「グンヌラフンムカヌイヤマンナ!」


 わからないけど、怒っているようだ。


 完全にヘイトは取れている。


「<ユニットオン>」


「<全弾発射>」


 ユニットでの攻撃が、ボスの顔に全弾命中する。


 その攻撃で、ボスが尻餅をついた。


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