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始まりは嘆きから
私は思い出してしまった。
過去の自分がいかに軽率な行動を取ってやらかしていたのかを。
「あ…あるじぃぃい!お許しくださぃぃぃいい!!」
この嘆きが届いているのかは分からないが、嘆かずにいられなかった。
6歳の誕生日を迎えた日、昼間は盛大に祝って貰った。両親、友人に囲まれ幸せな誕生会だった。
私は楽しかった時間の余韻からか中々寝付けず、窓辺の椅子に腰掛け月を見上げていた。
ふと背後に気配を感じ振り向いたら、月明かりの届き切らない部屋の奥に赤い眼光が浮かんでいた。
私は恐怖から息を呑んだ。
「何だ。まだ思い出していないのか。」
そう聞こえたと同時に、優しい光に包まれるような感覚に陥った。
そこで私は夢のようなものを見た。