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ギルド登録~前編~

 眩かった光も落ち着き、視界が開けていった。

 眩しさに驚きとっさに閉じてしまった目をゆっくりと開くと、そこには大きな門があった。


 いや、門と言うよりも城壁と言った方が正しいのだろう。

 このゲームのスタート地点は、所属国の中心部とされている。

 こちらではプレイヤーのことは来訪者と呼ばれ、一種の勇者のような扱いを受けるらしい。

 とはいえ、仕事は勇者と言うよりも冒険者、または雑用と言った感じの様だ。


 また、この世界のNPCは全てAI(人工知能搭載)で自己学習機能も持っており、こちらをNPCなどと呼んだりすると好感度が下がり、一定値を下回ると業値(カルマ)という値に変わるらしい。

 さらにこれが一定値を下回ると、街のNPCが出店している店の一部では商品が買えなくなったり、素材を買いたたかれたりするようになるらしい。

 らしい、と言うのも、β版ではそこまでやらかした奴は殆どいなかったらしく、実際の効果については良く分かっていないそうだ。

 さらに言えば、好感度、業値は実際に数値化されているわけでは無いため、どの程度が限度(セーフティー)なのか、詳しくは分かっていないらしい。





 さて、俺は今どこへいると思いますか?

 答えはCMの後!




 と、ふざけるのはこの辺にして、実際、俺がどこにいると思いますか?

 答えは・・・・冒険者ギルドです!


 冒険者ギルドと言えば鉄板と言えるのが新人いびり。

 ・・・・・・なのだが、フルースの冒険者は仕事熱心なのが多いらしい。

 


 ま、まあ、面倒ごとがないことはいいことだし~!やっぱ物事はスムーズに進んだ方が良いもんね(強がり)!





 そんなことは置いておいて、俺は受付の一つへと向かった。


「すいません。今大丈夫ですか?」


「はいはーい。何でしょうか?私は冒険者たちのアイドル!ミルムちゃんでーす!」


「すいません、冒険者登録がしたいのですが」


「ちょっと待ってー!ふざけないでちゃんと話聞くか、ぐへっ!」


 隣の受付へ移ろうとしたら腕をつかんで無理矢理止められた。

 腕をいきなり掴まれたから、条件反射で無理やり抑えてしまったではないか。


「おっと、すまない。条件反射で手が出てしまった」


 今の状態は俺がミルムと名乗った受付嬢の身体を・・・頭を無理矢理机に押さえつけ、首に体重をかけ俺が押さえつけている状況だ。うん!今の状態を他の人から見たらどう見ても俺が悪者だけど、先にやってきたのはこのミルムとか名乗る受付嬢だ。

 それに腕を掴んでくるまでの動きはかなりスムーズだったので、かなり実力は高いと見える。

 だから、別に大丈夫だ。多分ステータスの差もあるので、引きはがそうとすれば簡単に引きはがせるだろう。


「は~い。どうかしまし、た、か?」


 先程呼んだ受付嬢が俺達の方を見て驚きで言葉をなくしていた。


「・・・・その手を放してください!」


「いや、こいつに襲われたのでな・・・・仕方がなかったんだ。正当防衛というやつだ」


「いや、いや!どう見ても過剰防衛ですよ!」


「どうせこの女は簡単に抜け出せるんだ、まともに防衛にすらなっていないだろう。呼吸が乱れているからな。どうせこの状況を面白がって、このまま捕まっているのだろう」


「そうだとしてもです~!先輩から手を放してください!」


「はぁ・・・しょうがないな・・・・ほら。これでいいのか?」


 グリヴはミルムから手を放し、体を起こすと新人なのだろう受付嬢に聞いた。


「はい。次からは押さえ付けるのはやめてください。先輩が悪いのは傍から見ていなかったとしても分かります。それに受付嬢はそれなりの実力がないと付けない職業なので、押さえ付けられても問題はないかもしれません。ですがそれとこれとは話が別です。何事もやり過ぎは良くありません。確かにステータス上では先輩の方が圧倒的に上なので、ダメージを受けることはありませんけど・・・・・・・・あれ?問題ないかも?」


「ルルちゃん!そこは最後まで止めてよ!」


「すいません。先輩の擁護すべき点が全く見つかりませんでした」


 ルルと呼ばれた受付嬢はミルムの方を向くと頭を下げて謝った。

 いや、問題を起こしたのはミルムの方なのに何で止めた方が頭を下げているんだろ?


「ひどい!」


「ひどい!じゃ、ありませんよ!ちゃんと相手の方に謝ってください。話はそれからです」


「う・・・すみませんでした・・・」


「ああ、こちらこそすまなかったな。まさか、荒くれ物を束ねる立場でもあるはずの受付嬢が、あそこまで弱いとは思わなんだ。まあ、この話は今ので水に流すとしよう。では、元の話に戻るぞ」


「何であなたが仕切ってるんですか!別にいいんですけど・・・・・いいんですけど!」


「何できれてんだ?そんな怒るようなことでも無かろうに」


「そういう問題じゃないんですよ・・・・・はぁ、もうこの人の相手疲れました・・・・これも先輩がシッカリしていないせいです。責任を取って先輩の給料の二割はくださいね」


「分かりました・・・って二割は高すぎるよ!せめて二分にして!」


「いえ、それでは安すぎますね。一割九」


「一割!」


「一割七」


「一割五!」


「じゃあ、それでいいです。払わなかった場合は、給料泥棒という事で騎士団に報告させて頂きます。証人は此処に居る、新人冒険者さんです・・・・あれ?先程の方は何処に?」


「すいませんねぇ。あの二人仕事は出来るのだけど、いかせん我が強くてねぇ。以前は手綱を握れる人がいたから、また違うったんだけどねぇ。今は他に言っちゃたのよ」


「そうなんですね。じゃあ、冒険者の登録お願いしますね」


「はいよ。じゃあ、これに魔力を流してちょうだい」


 グリヴは二人が口論をしている間に、別の窓口にいたおばちゃんに登録を頼んでいた。


「ちょっと!今の話聞いてましたか!」


「ん?給料泥棒のくだりか?ちゃんと聞いてたぞ。確か一割五分だろ」


「き、聞いてたならいいんですよ(この人ルーユさんと話していたのに、どうやって聞いていたんでしょうか?)」


「おばちゃん、これでいいかい」


「ああ、ああ。それで大丈夫だよ。依頼を受けるのもよし。依頼をするのもよし。パーティを組んで街の外の魔物を狩れば、ここで換金できるからねぇ。いつでもおいで」


「ああ、ありがとな。あと一つ聞きたいんだけど、錬金ギルドとかポーションを作ったり、売りさばいたりできる場所ってあるか?」


「うーん。そうなると、自分で商店を持った方が早いかもしれないね。商店とは言っても、出店みたいなもんだよ」


 おばちゃんは長々と話してはいたが、分からないところを質問すると詳しく説明してくれたので、とても分かりやすかった。

 結果、目標は生産系ギルドに所属するのと、商店ギルドに登録することを頑張るといいことが分かった。


 まず、生産ギルドでは生産系のスキルレベルの合計でランクが付けられるらしい。とはいえ、どれか一つがx(整数が入る)レベル以上という条件があるらしい。

 そして、ランクが上がるごとに、生産の技術や調合の組み合わせの乗った本などを買うことができるようになるようだ。


 続いて商店ギルドなのだが、こちらのランク付けの方法はいたって簡単。

 一週間ごとの売り上げで、焦点を出している間一定値を下回った状態で一か月間(ゲーム内では一週間が六日で、一カ月は24日となる)、つまり現実で四日間いるとランクが下がることもあるらしい。

 あと、半年以上商店を開かなかったとしてもランクが下がるらしい。

 商店を開けるのは一週間単位か、場所を決めてそこに建物を建てることでそこに開き続けるしかないらしい。

 俺の場合は、ここでポーションや料理、その他もろもろ売りさばこうと思っている。






 その後もおばちゃんに初心者向けの依頼なども教えて貰い、今日の内に向かう予定の商業ギルドと生産ギルド関係の依頼を受けた。



 まず向かったのは生産ギルド。

 ギルドに登録するために受付へと向かう。

 受付に居たのは人当たりのよさそうな好青年である。


「すいません、ギルドに登録したいのですが」


「はい。冒険者ギルドの方に所属している場合は、冒険者カードを出していただけますか

 ギルドのカードは基本一括りになっているので、一つ持っていれば他のギルドへの登録も出来るのですよ」


「そうなんですね・・・これですよね」


「はい。ギルドカードをお預かりしました。少々お待ちいただけますか」


 そう言うと男は奥の方へと向かい、1分ほどで戻ってきた。


「これで生産ギルドへの登録が完了しました。生産ギルドへは何処の支部でもいいので、一月に一度は顔を出すようにお願いします。一カ月以上顔を出されていない場合には、ランクを一つ下げさせていただき、二カ月以上顔を出さない場合は登録を解除いたします。

 その代わりと言っては何ですが、ランクを上げることは何時でも出来ますので、スキルレベルが上がった場合に顔を出していただいても結構です」


「分かりました。一カ月ですね。忘れないようにしておきます」


「はい。最近は忘れる方も多いので、本当に気を付けてくださいね」


「はい、忠告ありがとうございました」


「あと、鍛冶をするときは行っていただければ、工房をギルドの方でお貸しできますので、お気軽にお声かけ下さい」


「分かりました。では、ギルドへの登録とは別の件なのですが、冒険者ギルドへの依頼で生産ギルドへの丸太運びを頼まれましたので、お持ちしたのですがどちらへ出せばいいのでしょうか」


「おお、ありがとうございます!最近木材が不足気味になっていたところなので助かりましたよ」


 そのあと、「ついて来てください」と言うと、グリヴを奥の方へと連れて行った。


「こちらにお出しいただけるでしょうか?」


 連れてこられたのは木材の倉庫で、倉庫の中もほとんどからで本当に不足気味だったことが分かった。

 グリヴは言われた通りに木材を出していき、すべて出し切ると元の十数倍にまで数が増えていた。


「ありがとうございました。依頼書の方をお出しいただけますか?」


「はい、これですね」


「・・・・はい。これで大丈夫です」


 ハンコを押すとグリヴへと依頼書を返した。


「あと、ポーションを入れるための瓶ってありますか?」


「はい。今回の依頼でギルドの方も助かったので、今回は少し値引きしておきますね

 いくつ必要ですか?」


「じゃあ、100本と調合台をお願いします」


「では100本で1000(ギラ)のところ、今回は900Gにしておきます

 初級の調合台は一つ800Gですが、今回は600Gにして、合計で1500Gです」


「ありがとうございます。じゃあ、これでお願いします」


「ぴったり頂きました。では、またのお越しをお待ちしております」


 こうして、俺は生産ギルドへの登録と依頼を達成し、ポーションの容器と調合台も買ったことで、意気揚々と次の目的地へと向かった。

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