浅深の流派
お久しぶりです
他の作品も同時に止まってしまっていたので、一週間ぶりになります
本当に申し訳ございませんでした
数話のストックは出来たので、一日一話ずつ投稿していきます
では、まず初めに第十三部『浅深の流派』です
お楽しみください
戦うことを決断したグリヴであったが、この白銀の狼とどう戦うかは決まっていなかった。
何しろ装備もまだまともな物ではないのだ。
装備は革の鎧と最初に貰った短剣のみ。
革の鎧は仕方がないにしても、この短剣でどうダメージを出すかが問題だ。
短剣は初心者用の装備なため、こんなラスボス級の敵を倒すことを目的として作られていない。
そのため、ともかく火力が足りていないのだ。
革の鎧?そんなのあったって、なくたって一撃もろに喰らたったら、即死だから関係ないよ。
「様子見なんて言ってられるような相手でもなさそうだし・・・いっちょ頑張りますか!」
グリヴは短剣を構えると、一呼吸置き白銀の狼(以下、白狼とする)へと駆け出した。
グリヴ・・・いや、ここは浅深と言っておこう。
浅深が現実で習っていたのは正確に言うと、武術だけではない。
江戸時代以前から伝わっていると言われている、創命流と呼ばれる流派を習っていた。昔からあるからなのか派生した技が多く、現代では元の技を全て使える人はいないという事だ。そもそも、失われている物もあったらしい。
派生した技は大きく四つに分けられる。
火・水・風・土の四つで、そこからさらに三種類ずつに分けられる。元々の技も三種類に分けられていたようだが、その話は追々話していくこととする。
門下生も多く、師範も四人いて、それぞれが、それぞれの得意な技を極めていた。
浅深もそこの道場に入り、自分に合う技を見つけようと師範全員のもとを回った。
しかし、浅深は全ての技を使えたが、全ての技を使えなかった。
何を言っているか分からないかもしれないな。
正確には、全ての技が師範と同じ(技術)レベルで使えたとは思うが、何故かそれが浅深には不完全なものに思えた。
当時はただの練習不足かとも思ったのだが、数年通い続けようやくその理由が分かった。
理由は大きく分けて三つあった。
一つは前文でも述べた通り、一つの技から四つに分かれたことによる、攻守のバランスの差。これらは、うまく使えば賄えるものだったのだが、それでも違和感は大きかった。
二つ目は年々下がっていった師範の技術だ。
『年々下がっていった』とは言ったが、何も最初から下がる一方だったわけでは無い。
江戸時代末期から明治時代初期の頃はまだ、師範の技術は四つに分けてようやくではあったが、それら自体の技術が下がっていたわけでは無いかった。
しかし、明治時代半ばから、徐々に下がっていった技術が、違和感の正体だった。
そして最後に上二つの理由が合わさった形で、なくなっていった元の技だ。
元の技が無くなっていくという事は、その技が元の型が伝わらないという事だ。
それは技術の喪失と攻守のバランスの崩れには大きく影響した。
これら三つの理由によって、浅深は大きな違和感を持ったまま成長していった。
まあ、その間にも自分なりに修正してはいたが、元の型を崩しすぎてはいけないと大きな修正はしないでいた。
そして、グリヴはその後修正を繰り返し、四つの流派の技は普通の状態でも、四つの流派をほぼ完璧に使いこなせるようになっていた。
ここまでお読みいただき有難うございました
お楽しみいただけたでしょうか?
次話の投稿は明日の0時を目標としています・・・と言うか、忘れないように気をつけます
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