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Ep.3《老人、語る》

「お前を、魔術学校に入れてやる」


老人の言葉が静かな森にじんわりと響く。


「......」

10秒ほどその場の空間が固まった。


「?......どうした、ランス?」

静けさに疑問を抱いた老人は硬直した俺に聞く。

だがその時


バタッ


「あ、気絶...」

俺はあまりの衝撃に思考が停止したのであった。


そして======


「ま、まままま魔術学校って!??」

俺はすごい剣幕で老人に聞きよる。


「お...おう。 まぁ、落ち着け。」 

あまりの剣幕に驚く老人が、どうどうと馬をなだめるかのように俺を鎮める。

「あ、すいません」

いったん落ち着き距離をとると、老人が話し出した。

         

「ランス、儂は...今までずっと旅をしてきた。


 その理由(わけ)は、後継者を探すためなんじゃ」


「後継者?」

俺が老人の言ったフレーズを返すと、老人は静かに語りだす。


________________________________________

 儂は若き頃、魔術師だった。

  十八系統ある魔術師資格のすべてを持ち、自分で言うのもなんだが、

 なかなかの業績を残していった。


 ただ。時がたち、先人たちが残してきたものを全て覚えてしまったんだ。


『もう、覚えることがない。』


 儂は途方に暮れた。

 世間はすべての魔術を修めた者として儂を(たた)えたが、

 儂はやることが無くなってしまった。

 そのまま またさらに時がたち、儂はその何たる退屈さを埋めるため、自分の魔術を創りだした。


 だがどれもこれも見覚えのある物ばかり、完全な自己流(オリジナル)は決してできなかった。

 全ての魔術を極めたからこそできた墓穴なのかもな。

 わしはその時、魔術に興味が無くなった。


 世間ではこういうのを

 ()()()というのだろうか。


 だからは儂は後継者を探すため、旅に出た。


 まだ魔術を知らない、いくらでも創作が可能な者を。

______________________________________________

 

 「そして...やっと見つけた 後継者(おぬし)を!」


老人は俺のほうを見直した。


「スヤァ...」

俺寝てたけど。


ブチッ


何かしら血管の切れる音がした後、

「寝るなぁ!」 「グほぉ!」

そのご老体からは想像もつかない力で殴られた。

みぞおちに渾身の一撃をくらい、今度は永遠に眠りそうな勢いで意識が飛んだ。



その日から 俺はこの謎の老人を師匠と呼び、修行をつけてもらえるようになった。


だけど......


 

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