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首都戦記、小6女子の夏の陣  作者: きっと小春
群馬県・準決勝(第一試合)
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遥、触れ合う

「監督、今、良いこと思いつきましたぁ!!」


「うん。先ほとも言ったけど、全部手探りなの良いも悪いも、やってみないと、わからないわ」


私は山本くんを立たせると、そっと手を握る。


「男の子の手、運動会とか体育の授業以外で、触ったのは初めてかも。硬いんだね」


「俺だってそうだよ。柔らかくて温かいね」


「なるほど。そういうことですか、ちょっと手を放してね」と大山監督は席を立つと、鞄からタブレットを取り出す。


「遥かも山本くんも授業で習っていると思うけど…。念のために説明するわね。私たち国民は、戦勝国からの完全支配として<ナノサイズの監視用チップであるIoT ver.78>を体内の両手両足、脳、脊髄、生殖器に埋め込まれているわ。これは体調管理、感情検閲、移動履歴、売買の支払い履歴、視聴履歴、性行動の履歴、強制心停止機能をネットワークにて管理するためよ。そしてあなた達がやろうとしていることは、性行動の履歴として記録されるの。だから、ちょっと待っててね。首都戦のパートナーを探すための検証許可を承認してもらうから…」


承認とやらを待つことにする、手を触るのもダメだったなんて、驚きだった。


「いいわ、もう一度、お互い両手を触れてみて」


特に問題はなさそうだ。満足したから、次は、ぎゅっとハグする。


「私、大胆になってきた。体も硬いんだね。筋肉だらけだわ。でも弾力が凄いよ」


「柔道で鍛えてたから。やっぱり俺より背が高い。女の子って、全身柔らかいし良い匂いがする」


「山本くんって、話しやすいし、昔からの友達みたい」


「あ、ありがとう。何か照れるよ、そんな事誰にも言われたことないし」


「ねぇ、太ももに当たってるのって」


「うん、勃起しちゃった」


「いいよ、全然」


「ごめんって言わないよ。こんなの気にしてたら、首都戦出れないもんね」


「うん、じゃ、いよいよ、着てみますか?」


私は、山本くんの頭部にチャックを付ける。


「わっ、ま、待って。これ開けたら、脳みそとか内蔵出ちゃったり、しないよね?」


「大丈夫と思うけど、気になるなら、掌からやってみる?」


掌にチャックを付けて、開けてみる。


「お、おぉぉっ? 中身が空洞になってるっ!?」


「大丈夫そうだね。じゃ、監督、山本くんを試着?してみます」


山本くんの見ている目の前で、堂々と服を脱ぐ、恥ずかしがったら駄目だ。


下着になって山本くんをみると、恥ずかしそうに下を向いていた。


「山本くん」と呼んだ。


「は、はいっ!?」


「ちゃんと全部見て」


「う、うん…」


私は、遂に山本くんの前で全裸となったのだ。


「………」


山本くんは絶句していた。


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