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首都戦記、小6女子の夏の陣  作者: きっと小春
全国大会・決勝
45/45

奏、辿り着く

予定通り石田を葬ることが出来た。


背後から北村の気配を感じながら、螺旋階段を滑るように降りる。


このフォームでは北村に勝てないため、ベースキャンプまで逃げ切らなければならない。


屋外のデッキを疾走する奏、このまま北村との距離があればエレベーターに乗り込みたいのだが…。


必死に追ってくる北村との距離は、なかなか開かない。


仕方なく、船尾の階段まで走る。


遺伝子操作されている奏の持久力は北村を遥かに凌ぐ。


はずだった…。


北村も女医によって魔改造されたいたのだ。


北村に追いつかれると、迎撃のためそのばで北村に向き直る。


竹刀と包丁が切り合うが、リーチの差で北村が有利かと思われた。


その時、故意か客船が揺れる。


北村はバランスを崩し竹刀も落とすが、北条は予知していたかのように手すりに捕まっていた。


バランスを崩す北村目掛け、これがチャンスとばかりに襲いかかる。


流石の防御力を誇る浅間くんでも包丁は防ぎきれないだろう。


だが、タイミングを合わされたか包丁を蹴りで弾かれた。


片足で体を支える北村に、タックルし、海へ落とすことができれば…。


タックルは成功したが、北村も手すりに捕まり落下を防ぐ。


まだ北村と体が密着している。予備のナイフで死角から腹部を数回刺す。


「あっ…」息の詰まる声と共に前屈みになる北村の顔面を蹴り上げる。


鼻の骨を折ったのか、両手で顔を押させる北村。


これで最後とばかりに、首筋にナイフを突き刺し、腹に蹴りを入れ海に叩き落とす。


アナウンスで北条 奏の勝利が宣言される。


四大会連続優勝が確定し、4年間、首都が岡山県に決定した瞬間だった。


奏は、北条家の一員への扉に辿り着いたのだ。


それは何に増して得難い喜びであった。


うん? 何か違和感を感じた。


あのフォームは…剣道のフォームだったのか?




あれから数週間が経つが、北村 音音の死体は見つからなかった。










そして音音は日本から離れた遠い地で目を覚ますのであった。


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