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首都戦記、小6女子の夏の陣  作者: きっと小春
全国大会・2回戦
43/45

色色、コーチする

色色は、音音のチームメイトと共にミーティングルームにいた。


旧式のLEDの光彩は目にきつく、弟の顔も青白く見えた。


「お姉ちゃんは、戦略とか作戦とか全然立ててないでしょ?」


図星を指され慌てるチームメンバー。


「そ、そんなこと…」


いきあたりばったりな戦いは今思い出しても恥ずかしい。


「言い訳はなし。時間の無駄」


色色は、優勝候補の一角である、北条 奏を例に上げ、その戦法を伝授する。


「みなさん、ここまで、いいですか?」


緊張感のない音音たちに少し苛立ちを思える。


6日目の24チーム組み合わせ抽選会(前回優勝校含む)にて、決勝まで色色と音音が当たらないとわかるや否や、色色は音音にコーチを申し込んだ。


「決勝まで、お姉ちゃんの対戦相手には強敵はいません。良いですか? 決勝は、北条 奏、お姉ちゃん、俺か石田のチームです」


目には敗北感が漂っていたが、奮迅するように興奮した色色だった。


「石田は強敵です。正直、僕では勝てないかもしれない。ですが…決勝は毎回、必ず北条と残り2チームの共闘になります。今までもそうでした」


ミーティングルームに重い雰囲気が充満する。


「もう一度言います。僕を倒した石田だとしても、必ず共闘してください。北条は別次元の強さなんです」


「話がそれました。次は個別のフォームへアドバイスを送ります」


ミーティングは夜遅くまで続いた。


「ありがとう、色色」音音に抱きつかれる。


色色は、また出会えたことに心から感謝していた。


「音音お姉ちゃん…絶対に生きて…」


何故こんなに胸が締め付けられるだろうか?


今夜このときが、姉と自分の最後の時間だからだろうか?


「感がてみれば、北条と北村って、両方、北が付くのね、キタキタ対決」


音音にかかれば、緊張している自分など、馬鹿みたいに思える。


「そうだね。またね」


自然とまた会えるような気がしたのだ。


どんな手を使ってでも、石田に勝つ。


姉のために、自分のために。


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