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首都戦記、小6女子の夏の陣  作者: きっと小春
全国大会・休養および準備期間
35/45

音音ちゃん、目立つ

1日目、1回戦46チーム組み合わせ抽選会が終わった後、全国大会出場記念祝賀会が催された。


選手代表として、北条 奏が文句のつけようのないスピーチで場を盛り上げる。


私は会場の隅で、記者たちからインタビューを受けていた。


「また群馬県・決勝のような戦いができると思いますか?」


「はい。全国大会に出場するチームは、どこも素晴らしい実力を持っていますから…」


スピーチする北条さんと、何度か目が合う。睨まれているのだ。


私だって好きであなたのスピーチ中にインタビューを受けているわけじゃないのよ、と言いたい。


監督が記者たちの質問をさえぎり、やっとインタビューが終わる。


ビュッフェスタイル、好きなというか、人生最後の食事になるかもと思いながら、高カロリーな食べ物を優先的に選ぶ。


「音音のお姉ちゃん…」


その懐かしい呼び方に振り向くと、色色がいた。


「色色、どうしてっ!」


「それはこっちのセリフだよ。なんで首都戦に参加しているのさ」


「それは…」


「音音のお姉ちゃん…誰にも負けないで、せめて僕がお姉ちゃんを殺すから」


二人の緊迫した雰囲気も知らずに、また一人声をかけてきた。


「私は、富山県代表、清水 レイラ。明日の対戦相手よ」


「あっ、わざわざ、ありがとうございます」


「俺は行くから」


色色はそれだけ言うと立ち去った。


もっと話したかったが、何を話せば良いかもわからなかった。


レイラの監督が慌てて駆け寄ってきた。


「駄目だよ、レイラ、対戦相手同士は、トラブルのもとだ」


「平気よ、ね? 音音さん」


「は、はい」


大声をあげるレイラにほぼ全員が注目すると、その中から聞こえてきたのは、”音音”、”音音”、”音音”、”音音”、”音音”だった。


レイラも、奏も、あらゆる女性が、音音に嫉妬するのであった。


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