遥&音音ちゃん、青春を賭ける
”アラートだ、佐藤さん、一旦戻ってっ!!”
”駄目よ、音音ちゃん達に気が付かれてしまうわ”
”もう、いつ、どこから、どんな攻撃が来るか、わからないんだっ!!”
”この作戦は失敗だ、無理するよりも、今は…”
森田くんが叫ぶ中、私は、より範囲外へ、奥へ、進む。
恐らく、5秒? というタイミングで振り返ると、もう既に音音ちゃんは、そこにいた。
”佐藤さん、ジャンプしてっ!!!”
森田くんの指示通り、音音ちゃんの頭上を超える勢いで、ジャンプする。
「音音ちゃん、勝負よっ!!」
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「音音ちゃん、勝負よっ!!」
突然、遥ちゃんが方向転換して、私に向かってジャンプしてきた。
”北村さん、このまま攻撃を受けてから…”
左腕が熱く痛む…。
そして、まるでスローモーションの様に事態を確認した。
見れば、掌ぐらいから、肘ぐらいまでが、穴だらけになり、最後はボロっと落ちる…。
何かの攻撃? まさか、範囲外へ出てしまったのかっ!?
死ぬの?
死が頭を支配する中、顔に何かが落ちてくる。
これもスローモーションの中の出来事、はっきりと見えた。
最初に見えたのは、目玉、次に、脳?であり、次々と肉片、血液が、ドバドバと、私に注がれた。
そのまま遥ちゃんの体が、勢いを失くして、私に向かって落下する。
天使が舞い降りるが如く、その光景を恍惚と眺めた。
ドンっという音と共に、遥ちゃんの体が、”抱きしめて”というように私の胸に飛び込んできた。
両手で抱きしめるが、左腕がなかった。
遥ちゃんは首から上が失われていた。
「遥ちゃん…」
そこで私は、記憶を失う。
次に病院で目が覚めたとき、右腕より少し長い左腕が付いてた。
”群馬県・決勝”はここで終わります。
次回からは、全国大会編となります。




