遥、思いやる
”どうしたら、音音ちゃんを苦しませずに殺せる?”
”最大、高さ8mまでジャンブできる。そして心臓か首を狙おう”
”わかった…”
”着地の場所が、首とか体だから、コケないようにね”
”うん”
その場でジャンプする、下に色白でスポーツ刈りの男の子が見える。
音音ちゃんの姿じゃないから、殺そうと思えた。
”涙は流すな、最後まで油断するな”
森田くんに怒られる。
落下が始まってしまえば、こちらもできることはない。
ただ、音音ちゃんの体に落ちるのみ。
そのとき、音音ちゃんの体がぐるんと回転した。
えっ!?
そして起き上がると、近くの棒を広い、居合道の様なポーズを取る。
”不味い、体の急所を腕でカバーしろっ!!”
何もない地面に着地すると、音音ちゃんの棒が、私の右腕にめり込む。
「あぁぁぁぁぁぁっ!!」
骨が砕かれたのだろうか。
右腕を抑えている左手を怖くて離せない。
左手を離して、右腕がだらんとなったら、パニックになってしまうだろうから。
「遥ちゃん、約束通り、四肢をバラバラにするね」
「何で、動けるの…」
「剣道部の浅間のカスタマイズアイテムは武器じゃないよ、防具としての服だから」
「最後に、この棒で、遥ちゃんの処女も貰ってあげるから…」
”に、逃げろ、痛みを我慢して、とべ、飛んで逃げろ…”
音音ちゃんに背後を見せて飛んだ。
背中に痛みが走り、転んで顔面を地面に叩きつけた。
「ダメだよ、遥ちゃん、美しく清らかに殺されようね?」
私は最後の力を振り絞り、もう一度ジャンプする。
それしかできないから。




