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首都戦記、小6女子の夏の陣  作者: きっと小春
群馬県・決勝
23/45

遥、飛ぶ

”もう少し早く木の上からキック作戦を思いつければ…今から言うことを聞いて”


”キックがはずれた場合は、逃げることを重視して、できれば相手をすり抜けて背後方面に逃げて”


”キックが当たって相手が倒れれば、死ぬ気で蹴り続けて”


”キックが当たって相手の武器が落ちれば、それを拾って逃げて”


”飛び降りるタイミングは、相手の前足が地面に着く瞬間だよ”


”うー…覚えられないわ”


”俺が1,2,3って数えるから、3で飛び降りて”


”うん”


音音ちゃんが、ゆっくりと静香に辺りを警戒して、歩む。


息を整え、森田くんの指示を待つ。


”いくよ…1,2”


音音ちゃんが、多分、約3mぐらいの距離まで近づく。


”3”


自然落下を心がける、枝のしなり、かすれる音、共になしっ!!


たが影が音音ちゃんの視界に入ったのか、見上げる音音ちゃんと、飛び降りている私の目が合った。


驚く音音ちゃんは、一瞬だけ固まる。


そして足を踏ん張ろうとする。


落下を目視したタイミングと、前足を付いたタイミングと重なる瞬間になったため、次の動作が遅れる音音ちゃん。


私は、音音ちゃんのどこでも良いから、当てることだけを意識する。


音音ちゃんが、無理やり踏ん張ろうとしてバランスを崩す中、少しイナバウワー状態になった胸に蹴りが当たる。


「ぐぶっ」と音音ちゃんが空気を吐く。


”着地は、俺の記憶を頼ってっ!!!”森田くんが珍しく叫ぶ。初めて見せる感情だ。


森田くん記憶を頼ったが、完璧な着地は出来ずに、着地後、威力を殺しきれずに気に激突した。


”佐藤さん、頑張って、いま、しかない”


恐らく、音音ちゃんは、肋骨が折れているとか、そんな状態だろう。


ふらつきながらも立ち上がり、音音ちゃんに近づく。


”佐藤さん、武器を拾って、遠くへ投げ捨てて!!”


武器を拾って、言われた通りに、投げ捨てる。


虚ろな瞳で、こちらを見る音音ちゃんに声をかける。


「音音ちゃん…今、楽にしてあげるから……」


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